BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Flex 3.0:AdobeのJames Ward氏に再び聞く

Flex 3.0:AdobeのJames Ward氏に再び聞く

ブックマーク
Flex3のプロダクション版がリリースされた(source)のにあわせて、InfoQはFlex 3の詳細ついてAdobeのJames Ward氏(source)と話をした。昨年Ward氏はInfoQの読者にFlex 3の概要(参考記事)を説明して多くのFlexに関する誤解を解いた(参考記事)。今回のインタビューでWard氏はFlexエコシステムから生まれた多くのことも含めてFlexとオープンソースを語ってくれた。

InfoQはまずオープンソースにしたことでFlexに何が起きたか、またその取り組みについてコミュニティはどのように反応したかについてWard氏が考えていることを聞いた。

Adobe のリッチインターネットアプリケーションのプラットフォームには多くのオープンソースプロジェクトが含まれます。デスクトップおよびウェブ向けアプリケーションの開発ツールで最も重要なのはオープンソースであるFlex SDKです。Flex SDKはJavaベースのコンパイラ、デバッガ、フレームワーク用クラス、その他Ant Taskのような小さいな要素の集まりが含まれています。Flexアプリケーションのウェブ実行環境であるFlash PlayerはMozilla Tamarinのバーチャルマシンを積んでいます。またAdobeは最近BlazeDSを発表しましたが、これはFlexで作られたフロントエンドと Javaのバックエンドの間で通信を簡単かつ効果的に行うためのオープンソースライブラリです。新しく正式版が出たAdobe AIRランタイムはデスクトップRIA向けで、Mozilla Tamarinバーチャルマシン、オープンソースのSQLiteデータベース、Webkit HTMLエンジンが含まれています。Flexの開発者にはEclipseベースで有償のFlex Builderを選んで使用している人たちもいます。Flex Builder 3 ProfessionalにはAdvancedDataGridやOLAPDataGrid、Chartコンポーネントといったデータを視覚化する上位版コンポーネントが含まれています。Adobeの顧客にはAdobeのオープンソースへの参加と寄与について満足してもらっています。顧客はAdobeが持続的な開発へ出資することに理にかなった方法を採っていること、AdobeのRIAプラットフォームが進展していることを喜んでくれています。

そのようにFlexの多くを無償で提供していますが、Adobeではどのようにプラットフォームをしているのでしょうか。
Flexに関係したAdobeの製品およびサービスにはFlex Builder、LiveCycle Data Services、ColdFusion、コンサルティングサービスが含まれます。Adobeでは開発中のそれらの次の世代の製品もFlexを使っています。
AdobeはサードパーティのFlex用ツール(IntelliJ、BEA Workshop、FDTなど)作成を支援していますか。

 AdobeはFlex SDKをオープンソースで提供することでそれらの製品やその他の製品をサポートしています。BEA WorkshopのFlex Builderバンドル版はFlex Builderが含まれてさえいます。

BlazeDSはどういったものでしょう。
BlazeDS はオープンソースのライブラリの集まりで、JavaベースのウェブアプリケーションにおいてFlexとJava間のよりシンプルで効果的な通信を可能にします。BlazeDSにはRPCスタイルのリモーティングライブラリとリアルタイムメッセージングシステムが含まれます。詳しくはこちらのサイトにあります。http://adobe.com/go/blazeds
Thermoはどういったものでしょう。

Thermo はAdobeが取り組んでいる新しいツールで、リッチインターネットアプリケーションの開発にデザイナがより入りやすくなるよう手助けします。デザイナにはアプリケーションのプロトタイプを早く作ってもらいたい、開発者にはデザインでなく開発に注力してもらいたいと考えている企業にとってThermoは恩恵となるでしょう。詳しくはこちらのサイトにあります。http://adobe.com/go/thermo

Flex開発者のコミュニティはどれくらいの規模でしょう。またそのコミュニティはどういう感じでしょう。

アクティブなFlex開発者がどれだけいるかを言うのは難しいです。Flex開発者の何パーセントかはYahoo! GroupのFlexcoders の人たちで、9000人の参加者がいます。MXNA(Adobe(旧Macromedia)のニュースアグリゲータ)(source)ではFlex関連で600以上のブログが現在アグリゲートされていますし、Flex Showcase(source)のFlexアプリケーションのうちアクセスがあるのは200以上に上ります。開発者のコミュニティはいろいろな人が混ざっています。ある人たちはハードコアな開発者で、ある人たちはウェブディベロッパ、ある人たちはデザイナです。またJava、ColdFusion、PHP、.Net、Ruby、 Pythonなど異なるバックエンドを使う様々な開発者が集まっています。

Java開発者がFlex開発者になることはできるでしょうか(どれくらいかかるか、どのように手引きすればいいか、Javaのスキルが利用可能か)。
Flex で使う言語であるMXMLとActionScriptはJava開発者がもっとも慣れ親しんでいる言語に非常に似ているため、ほとんどのJava開発者は Flexをすぐに覚えられます。Flex開発者を求めている多くの企業はJava開発者を探してきてFlexのトレーニングを2週間受けてもらうようにしています。
Flex 3と他のRIA向けプラットフォーム(SilverlightやAJAX、JavaFX)との比較についてはどうでしょう。
ウェブおよびデスクトップでのRIAを作成するツールとしてはFlex 3が最も進んだ成熟したツールです。このことはワードプロセッサから企業向けソフトウェアまであらゆる種類のアプリケーションが今日既にFlexで作られていることから明らかです。私はまだSilverlightやAJAX、あるいはJavaFXを使った実際の製品をそれほど見たことがありません。少なくとも私の中で一番精確に定義したRIAの意味においてはです。そのためFlexと他のテクノロジを比較するのは難しいことです。
FlexとAJAXが両立するようになったわけですが、どのようにAJAXをFlex 3開発に取り入れればいいかを大まかに説明してくれますか。
Flex 3ではFlex Ajax BridgeがSDKのコア要素になりました。Flex Builder 3にもFlex Ajax Bridgeのサポートが含まれ、数クリックするだけでFlex Ajax Bridgeのセットアップができます。多くの人たちがFlexとAJAX両方の強みを取り入れてRIAを作っています。
ウェブではビデオが浸透しました。これに関してFlex/Flashが果たす役割は何でしょうか。
Flash Playerはウェブ上でビデオ配信するための一番の手段です。FlexではH.264コーデックを含むFlash Playerの優れたビデオ機能を簡単に利用できます。ビデオはRIAにとって欠くことのできない要素になろうとしています。それはビジネスアプリケーションであっても同じです。
Flex 3 Professionalに搭載されているその他の機能はありますか。
上位版データ視覚化コンポーネントにはパイグラフや棒グラフ、線チャート、プロットチャートといった様々な種類のグラフ/チャートコンポーネント、 AdvancedDataGridやOLAPDataGridといったコンポーネントが含まれています。これらの新しいコンポーネントの多くをこのサイトで見ることができます:http://labs.adobe.com/wiki/index.php/Flex_3:Feature_Introductions。Flex Builder 3 Professionalには新しくメモリ/パフォーマンスのプロファイラや自動テストのサポートも含まれました。
他にFlex 3についてInfoQの読者に知らせたいことはあるでしょうか。
BlazeDSとFlexSDKについての詳細はこのサイトをチェックしてください:http://opensource.adobe.com

学生や教職者はFlex Builder 3をまだ無償で利用できます。またそれ以外の人たちにも60日間有効なトライアル版が用意されています。このサイトでダウンロードしてください:http://flex.org/download

Flex 3についての感想をぜひ知らせてください。みなさんがFlex 3で作ったものを見れることを楽しみにしています。
FlexとAIRのリリースに関する情報はこちら: http://www.infoq.com/jp/news/2008/02/air-flex-release

原文はこちらから:http://www.infoq.com/news/2008/02/flex3-update

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT