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Eclipse Riena:ビジネス指向のクライアント/サーバ・アプリケーション

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EclipseのRienaプロジェクトは(リンク)今月始めに新たなマイルストンに到達し、Christian Campo氏はEclipse Rienaのニュースグループで(リンク)1.0.0 M3をアナウンスした(リンク)。このマイルストンには、Rienaでかねてから計画されている、Eclipse RCPのユーザインタフェース変更の原案が含まれており、注目に値するものである。Rienaプロジェクトの目標の一つは、プロジェクトのプロポーザルで(リンク)詳しく述べられているように、もっとビジネス指向のユーザ・エクスペリエンスを提供することである。

典型的なRCPアプリケーションは、Eclipse IDEでよく用いられているワークベンチのメタファに基づいています。ワークベンチのメタファは非常に柔軟で一般的であり、開発者を開発段階でサポートします。しかし、エンタープライズ・アプリケーションでは、非常に多くの場合、エンドユーザをもっと適切にサポートするために、様々なビジネスプロセス指向のUIのメタファが必要とされます。

Riena は、典型的なビジネスプロセス指向アプリケーションの相互作用をサポートする、UIのメタファを提供する予定です。ナビゲーションや可視化は、ユーザが現在のプロセスやタスクに集中するのに役立つでしょうし、さらにユーザは異なるプロセスにも同時に取り組むことができるようになるはずです。

Rienaのアプローチは、可能な限り(レイアウトマネージャやビュー、拡張ポイントといった)既存のRCPの構成概念に基づくものになる予定ですし、既存のEclipseの技術(SWTやJFaces、データバインディング等)を利用するでしょう。


Elias Volanakis氏は自身のブログに仮のUIのスクリーンショットを投稿した(リンク)

ユーザインタフェースの変更は、しかし、Rienaの一側面に過ぎない。プロジェクトのプロポーザルには(リンク)、全体のスコープが記載されている。

Riena プラットフォームは、多層のエンタープライズ・クライアント/サーバ・アプリケーション構築のための基盤となるでしょう。Rienaはローカルやリモートのサービスへの透過的なアクセスを提供することによって、OSGi/Equinoxのサービス指向アーキテクチャの利用を広げるでしょう。一定のプログラミングモデルを利用することで、ターゲットとするロケーションを気にせずに、Rienaのコンポーネントとエンタープライズ・アプリケーションのビジネスコンポーネントを開発することができます。コンポーネントは、ビジネスの要求次第でクライアントまたはサーバに後から簡単にのせられます。

Rienaの個々のスコープで予定されている項目の詳細は次のとおりである。

  • 分散エンタープライズ・アプリケーションのサポート - Rienaはリモートサーバで稼動しているOSGiのサービスをサポートする予定である。
Eclipse のOSGiフレームワーク(Equinox)は、クライアントでスタンドアローンで稼動するだけでなく、サーバサイドでも稼動します。統合リッチ・エンタープライズ・アプリケーションを均質で一貫した方法で開発するためには、コンポーネントがクライアントかサーバサイドで稼動するだけではなく、アプリケーション層の間での堅牢で柔軟な通信をサポートすることが求められます。この全ては標準のEquinoxプラットフォームに基づいているので、アプリケーションの開発者は技術的な問題を気にする必要はありません。
  • ビジネスプロセス指向のユーザインタフェースのサポート - これはもっとビジネスユーザ指向のUIを提供するための取り組みであり、マイルストン3で開始された。
  • ソフトウェアの更新/プロビジョニング - クライアント/サーバアプリケーションの性質上、ソフトウェアの更新がエンドユーザに管理されておらず、かわりにバックエンドのサーバが起動するのはよくあることである。RienaはEclipse Provisioningを利用するとともに、配備を自動化するため、Eclipse Mayaで(リンク)作られたものも利用する予定である。

  • 認証と認可 - 計画には、Equinox Security(リンク)の成果との統合、さらにシングルサインオンのためのEclipse Higgins(リンク)との統合が含まれている。
  • レポート - Rienaは、レポートを生成するための様々な作業(データの照合、ソート、フィルタリング、そして出力内容のレンダリング)を、特定のアプリケーションのメリットとしてクライアントとサーバの間で切り替えることができる、フレームワークを提供する予定である。いずれはRienaをBIRTと統合して、もっと包括的なレポーティングを提供するだろう。
  • 永続性とオブジェクトのトランザクション -クライアント/サーバのアーキテクチャをサポートするため、Rienaは2つの環境の間でオブジェクトの状態の同期を保つメカニズムを導入する予定である。 それは主にオブジェクトレベルのトランザクションをサポートすることによるだろう。
Riena では、EclipseLink、Hibernateやその他のフレームワークにあるような既存の永続化機能を再開発するつもりは全くありません。 Rienaは不足している部分を追加し、クライアント・サーバ間の大きなビジネスオブジェクトのやりとりを最適化するため、永続性コンポーネントとオブジェクト・トランザクション・コンポーネントを組み合わせるでしょう。
  • 外部のアプリケーションとの統合 - クライアント/サーバ・アプリケーションは概して、PDFビューワやメールアプリケーション、ウェブブラウザ等といった他のアプリケーションと統合する必要がある。
  • クライアントの状態のモニタリング-クライアントの配備に関する全てのログはサーバに送り返され、Rienaはこれを利用してアラーム機能を提供したり、サーバのイベントをクライアントのエラーに関連付けたりするだろう。

 

Eclipse Wiki(リンク)にはRienaのスタートアップガイドが(リンク)含まれている。その中には、新しいUIテンプレートを使ってみる方法など、様々なRienaの機能の使い方が含まれている。

現在のところ、Riena 1.0のリリースは2008年の4Qに利用可能になる予定である。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/07/eclipse_riena

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