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グリーンコンピューティングをデザインする

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グリーンコンピューティングの重要さは日々増している。システムアーキテクトはエネルギー消費を考慮しそれを減らす方法として、システム仮想化、サーバー統合、データセンタのスマートなリソース利用などの方法を見極めることが求められている。

The Architecture Journalの最新号(リンク)でグリーンコンピューティングが特集された。その中でMicrosoftプラットフォーム・アーキテクチャ・チームの主任アーキテクトであるLewis Curtis氏は、このテーマを5つの分野に分けている。

物理的要素 - 「データセンタ管理向けワイヤレス・センサ・ネットワーク」の記事で取り上げられているゲノムプロジェクトでは、ワイヤレス・センサ・ネットワークから集めた熱についてのデータを使ってデータセンタ設計とサーバ配備を最適化しています。
OS - あまり起きることのないような最悪の場合を想定してハードウェアリソースの割り当てがされていることはよくあることです。そのせいでデータセンタの90%のリソースが有効活用されないことも起きえます。
環境に優しい度合いを表す情報  - EUP(Energy Usage Profile:エネルギー使用分析)は、ハードウェア、OS、ユーザ、アプリケーションなどさまざまな領域においてエネルギー消費を測定するのに必須の方法です。
アプリケーション開発  - 現在のグリーンコンピューティングについての議論はプラットフォーム、ハードウェア、データセンタに焦点があたっています。しかし最適でないアルゴリズムや競合を起こすようなリソース利用といったアプリケーションにおける非効率さはCPUの高負荷の原因となり、ひいてはエネルギー消費につながります。
クラウド - このような(クラウドコンピューティング)モデルでは組織が統合されるため、インターネットのサービスがホストされているデータセンタにおいて共有リソース(サーバ、ストレージ、冷却機構など)が有効利用されれば、エネルギー消費を著しく減らせる可能性があります。

「環境に優しい仮想化モデル」 (リンク)という記事では、Kevin Francis氏とPeter Richardson氏がエネルギー消費を減らす仮想化の利用法を述べている。彼らはコンピューティングをローカル、ロジカル、データセンタ、クラウドの 4つのタイプに分けている。この最後のクラウドが最も高度な仮想化を提供し、それゆえに最も環境に優しいコンピューティングとなると彼らは見ている。

クラウドコンピューティングはコンピューティングにおける次の一大事をもたらします。アーキテクチャ的に興味深い構成概念を持ち、財政的にも大きな可能性を秘め、そして環境により優しいコンピューティングプラットフォームの現実的な選択肢を与えてくれます。

仮想化へ移行するのに一番手頃なのは、テストマシンや開発マシンやあまり使われていないマシンです。これらのマシンを一つの仮想環境に移行させることで占有面積や熱や電力消費を減らすことができます。

「効率よくエネルギーを使うための分析」(リンク)という記事では、Rajesh Chheda氏、Dan Shookowsky氏、Steve Stefanovich氏、そしてJoe Toscano氏がハードウェア部品のそれぞれでどれだけエネルギーを使っているかを分析し、仮想化や最適化、そして不要なサービスを停止することでどれだけエネルギーを節約できるかを算出している。Dell PowerEdge M600ブレードサーバは1台でおよそ380W(アイドル時)から450W(負荷がかかっている時)を消費する。1年で計算するとトータルで約300$の費用と7700ポンド(3492キログラム)のCO2に相当するエネルギーの節約になる。このようなサーバを数十台、数百台、あるいは数千台も所有する企業であれば、エネルギー摂取はますます高くつき、CO2排出も比例して多くなる。エネルギー消費を削減するには次のステップがある。

• 自分たちのハードウェアとそれが使うエネルギー量を知る
• 自分たちのOSとそれが使うエネルギー量を知る
• 自分たちのアプリケーションとそれが使うエネルギー量を知る
• 自分たちのアプリケーションが外部に与える影響を知る

グリーンコンピューティングの別のアプローチとして、データセンタでのエネルギー効率を分析する方法がある。データセンタの温度画像を得られれば、どの設備がより熱を発生しているか、どれがより温度が低いかが分かる。そして熱の発生と分散を最適化することでエネルギー消費量にダイレクトなインパクトを与えることができる。Microsoftのデータセンタ・ゲノム・プロジェクトで行われたのがこの方法だ。「ゲノムプロジェクト」記事(リンク)で引用されているEPA(環境保護庁)のレポートによると「2006年は米国のデータセンタだけで610億kW/hが使用されていた。これは平均的な家庭 580万世帯の電力を賄える」、そしてその使用量は2011年までには倍増するという。このことからもデータセンタのエネルギー使用について理解し削減することがなぜ求めらているかが分かるだろう。

今日においてグリーンコンピューティングは不可欠であり、多くの科学者が地球温暖化に関係していると述べるCO2の排出を増大させるエネルギー消費レベルが将来引き上がるとその重要性はますます高まる。コンピュータアーキテクトはグリンコンピューティング、ひいてはこの地球でより良い生活を実現することに重要な役割を担っているのだ。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/12/Architecture-Green-Computing

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