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Pomodoro Technique 批判

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原文(投稿日:2010/02/22)へのリンク

InfoQ では以前,Pomodoro Techniqueを紹介 したことがある。

Pomodoro Technique というパーソナルな時間管理手法が,アジャイル実践者の間で人気を獲得しつつある。Pomodoro には,アジャイルチームが使用するものによく似たプラクティスがいくつも含まれている。time-boxing,調査と順応(inspect-and- adapt)の繰り返し実施,ローテク志向のツール選択,継続可能なペースの維持に重点を置いている点,などだ。

過去2年にわたって,Pomodoro Technique はアジャイルコミュニティの関心を引き続けてきた。Staffan Noteberg 氏によるこの手法の セッションAgile2008 で大変な評判になり,コンファレンスの終了時には再演の対象に選ばれることになった。そして翌年の Agile2009 に Staffan が 再演した セッションのタイトルが,Renzo Borgatti 氏の記している "You say tomato, I say Pomodoro" だ。

Pomodoro Technique についてもっと知りたい向きには,Francesco が45 ページの書籍1 ページのシート を用意している。どちらも Pomodoro Technique Webサイト からダウンロード可能だ。

だが Pomodoro Technique は,本当に期待どおりのものだろうか? 問題を細かく分析しすぎて,必要以上に複雑にしているのではないだろうか? Mario Fusco 氏が Pomodoro Technique に対する批判記事を発表している。

Pomodoro Technique についてご存知ですか? ご存知なければ以下に,簡単な紹介資料があります。

http://en.wikipedia.org/wiki/Pomodoro_Technique

答えが Yes だったら,ちょっと質問させてください。本当にそれが必要ですか? 机の上のタイマに時間を教えてもらえないと,集中力を持続できないものでしょうか? もっともこれは Pomodoro Technique だけではなく,私たちが働いたり考えたりする方法自体にも問題があるのですが ..

では,ちょっと考え方を変えてみましょう。あるプロジェクトに従事するのに,タイマに頼って集中力を維持している土木技師に会ったことがありますか? あなたを弁護するときに Pomodoro Technique を使うような弁護士を信用できますか? タイマがないと集中できないような外科医の手術を受ける気になりますか? それからもうひとつ,次に国際線に乗るときのパイロットには,8時間以上のフライトの間,自分の作業に注意を払い続けられるように願いたいものです。

ところで,私たちが仕事のやり方を変えなければならない理由は何でしょうか? 私たちはなぜ,自分たちの仕事がとても特殊かつユニークで,具体的な方法論を必要としている,と考えるのでしょうか? 私たちは何かの専門家か,さもなくば何か大きなものと戯れている無邪気な子供なのでしょうか? 私自身は他のまじめな専門家たちと同じように,自分のしていることに何時間も集中し続けることができると思っています。正直言って,たった 25 分間集中するための pomodoro など私には必要ありません。25 分間以上集中できないような人が本当にいるなら,その人は仕事のやり方を考え直した方がいいのではないでしょうか。

いろいろ言いましたが,Pomodoro Technique には他にも重大な欠点があると思っています。顧客から電話があったとき,例えばそれが国際通話で,しかも自分が中断できない pomodoro の最中だったら?どうしたらいいんでしょう?そしてもっと悪いのは,このテクニックがチームワークに悪影響をもたらすことなのです。私のチームでは,いつも外部のメンバの力を活用するようにしています。メンバはみな,他チームのメンバとの緊密な共同作業を通じて,特定のスキルや知識の不足を克服しているのです。私のチームの誰かが手助けやアドバイスを必要とするとき,同僚の pomodoro が終わるまで彼を待たせたくはありません。分単位で協力しあうことの方がはるかに効果的だと思うのです。

ですから皆さん,タイマはキッチンに返すことにして,もっとプロフェッショナルかつ効率的な方法で作業をしませんか。


 

氏の主張が正しいのなら,Pomodoro Technique は余計なものなのかもしれない。だが本当にそうだろうか。

  • 普段から一日中,何の割り込みもなく仕事に集中できているだろうか?
  • 毎日ずっと何らかの (客観的な指標のある) 仕事をしているだろうか,または何か進行中の重要な仕事を持っているだろうか?
  • 25分間続いた集中力のレベルを,何時間も持続することができるだろうか?
  • 電話にでなかったり人を手伝わなかったりすることの不都合は,割込みなく仕事に集中できる効果よりも重大だろうか?

読者のみなさんはどうだろう?

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