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Java EEの崩壊というガートナーの報告は大いなる誇張か?

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原文(投稿日:2016/12/21)へのリンク

ガートナーは“アプリケーションプラットフォームの市場ガイド”と呼ばれるアナリストレポートを提示した。アプリケーションプラットフォーム市場における“明らかに変わった”下降という報告でJava EEの“収益低下”を引用している。報告はJava EEの主な競合であるPivotalのWebサイトですぐに取り上げられた。

ガートナーによると以下のようなことだ。

デジタルビジネスで主導権を握るためにはアプリケーションプラットフォームに新しい機能と能力を追加する必要がある。Java EEはペースを維持することに失敗した。

アプリケーションのリーダはアプリケーションのインフラストラクチャを最新にする責任があり、Java EEが古くなってしまったことに対しての戦略を示すべきである。

2019年までに、すべての新しいビジネスアプリケーションのうちJava EEアプリケーションサーバにデプロイされるものは35%より少ないだろう。

報告は、ガートナーの著名なアナリストのAnn Thomas氏とAashish Gupta氏によるものだ。Thomas氏は1988年以来研究と出版に関わってきた。Gupta氏は、2011年というキャリアの初めから研究者だ。報告は開発において技術が互いに補完する共通のユースケースを除外している。

当然レポートは数クオータにおける議論を証明した。Reza Rahman氏、元オラクルのJava EEエヴァンジェリストであり現在Java EEガーディアンズをリードしているが、氏はInfoQにこう語った。

この方々は非技術スタッフであると理解できます。もし伝統的な3層モデルから離れる傾向が何かあるなら、現実を認めているように思えません。そして、フレームワークとJava EEがアプリケーションスタックにおいてしばしば同列に扱われています。

著者であり、技術者でコンサルタントのKito Mann氏は次のように述べている。

Java EEはモノリシックではありません。標準の集合であり、どの部分を使うか選択することができます。PivotalのSpring Bootでさえ、いくつかの核となるJava EE仕様の上に構築されています。たとえばServletやJPA、Bean Validationです。

Rahman氏によると、ガートナーの報告から導いたデータは現代の中立の産業の知見と矛盾する。

これは基本的に"データドリブンな"報告であり、品質もしくは情報源、分量について明らかに示しているものはありません。

幸運なことに、私たちは公開データを持っており、これに対抗できます。私たちはデータの情報源と品質、分量をほんの少しだけ多く知っているのです。私たちがJava EEガーディアンズのサイトで企画した調査がいくつかあります。https://javaee-guardians.io/java-ee-adoption-surveys/

あまり重要ではありませんがより最近の調査もあります。https://twitter.com/alejandro_du/status/780414499467780096です。情報源は引用していますが、データの分量はありません。

ZeroTurnaroundは、JRebelとXRebelという人気のあるソフトウェアの開発元だが、自主的に独自の年1回の業界調査を行った。これはJava EEの結論を裏付けている。

Rahman氏はバージョンごとのJava EEの成長を示す図で結果をまとめた

Javaコミュニティプロセスのメンバーであり創始者、長きに渡ってのエンタープライズ技術者であるJosh Juneau氏はInfoQにこう語った。

報告をさっと読みました。とくに"Java EEの旧式化"とある部分には注意を払いました。報告は明らかに市場への新規参入者である管理と開発チームに合わせています。そういった人たちはJava EEやエンタープライズアプリケーションの構築や開発に対してたくさんのオプションが利用できることに慣れておりません。報告はJava EEが時代遅れだという絵を描きます。けれども私はコミュニティとエンタープライズの顧客層の多くがこれは本当ではないと言うであろうと主張します。

けれどもここ数年、数ヶ月ではエンタープライズアプリケーションを構築するに当たり選択する開発戦略で移行があるのは明白です。まだ市場に標準Java EEアプリケーションの居場所はあります。そしてそのようになるにはまだ多くの年月がかかるでしょう。こういうことです。Java EEは最新の開発トレンドに適合するよう新しい仕様をリリースし続けることで市場と関連があるままとなります。オラクルが2016年のほとんどで沈黙していたのでJava EEの次のリリースに関して不確実で未定なことはありました(そしてまだあります)。しかしコミュニティとともに歩むオラクルは2017年Java EEを前に進め、プラットフォームに新しい標準をもたらし続けるでしょう。JSRメーリングリストに調べてみると、Java EE 8でのリリースを計画しているこれらの仕様についての活動が増え始めているとわかるでしょう。

マイクロサービスとクラウドは無視できない誇大な宣伝です。しかし、これら2つの領域はエンタープライズの顧客すべてに適切というわけではないかもしれません。決してクラウド環境にデプロイしないアプリケーションがたくさんあります。単純にエンタープライズに関して完全に制御できる必要があるアプリケーションがたくさんあります。こうした顧客にとって現在のJava EEアプリケーションサーバの方法論はとてもフィットします。

アプリケーションサーバ戦略を使ってサービスベースのアプリケーションを開発することもまた可能です。マイクロサービスの"far JAR"開発はすべての人に好都合ではないでしょう。また多くのケースで筋が通らないでしょう。これはエンタープライズアプリケーションを開発する前に考慮する必要があることです。目の前の作業に最適なツールと戦略を選択することです。エンタープライズの顧客は単純に流行っているからといってマイクロサービスを選択したりクラウドに適合させるべきではありません。しかし報告はこの論点と矛盾しています。

最後に、Java EEは新しい技術や戦略を市場にもたらす革新的なプラットフォームであるべきものではありません。一貫性があり標準である、堅牢で実績があり信頼できる環境であるべきものです。Java EEは実績がある標準をベースにしており、マイクロサービスは標準化されているという点ではまだまだです。 開発方法論はまだ進化しています。

But Juneau氏は1つ警告した。

私が思うにJava EE 8がリリースされるとき、マイクロサービスとクラウドの開発を構築する標準的な方法はより整っているだろうということです。 もし現在計画されているJava EE 9のリリーススケジュールがうまくいくなら、Java EEがマイクロサービスとクラウドベースのアプリケーションを開発するための安定した標準の環境を提供するのに適切であると私は信じています。同様に何年もの間堅牢なJava EEスタックで構築されたアプリケーションにとっての偉大なプラットフォームであるままでしょう。これが示すことは、コミュニティとJCPエキスパートグループはJava EEが適切であるままであることを保証するために、用心深いままでJava EEについて把握し続ける必要があるということです。多くのコミュニティは、オラクルが最初のリリーススケジュールを目標にし続けないことを考えると、このような報告がJava EEが凋落していることを示すために巧みに作られたであろうことを知っています。この報告はキーワードと新しい戦略につけこんでいます。堅牢で標準的なアプローチを求めるエンタープライズの顧客には当てはまりません。

技術系執筆者でJavaOneロックスターであるRyan Cuprak氏はInfoQにこう語った。

この報告はとても紛らわしいです。私には著者が比較し分析している技術を完全に理解しているとは思えません。

この報告がしようとしていることは、オラクルとIBMをJava EEを通じて攻撃することです。注意としては、記事はコストの削減や成功、適切なプロジェクトのタイプ、ベンダロックインについての関心などについて議論していません。

Java EEは適切で進化し続けるでしょう。Java開発者のほとんどはたとえ彼らが気づいていなくても日々Java EEを使っています。もしマイクロサービスをJAX-RSを使って実装するなら、Java EEからコンポーネントを使っているのです。どこででもそれが使われているときにプラットフォームが死んでいると言うことはできません。単にWebLogicを小さな部門のために購入していないからといってJava EEから恩恵を受けておらずその一部を使っていないという意味にはなりません。

Reza Rahman氏は次のように付け加えた。

マイクロサービスとクラウドは明らかにJava EEの範囲の上にあります。これらはオラクルのJavaOneキーノートにある内容において、Java EE 8とJava EE 9のスケジュールを加速したことに関して鍵となる焦点です。

Java EEベンダはまたWildFly SwarmやPayara Microといった製品も彼らの一部としています。MicroProfileのような活動に合流することも同様です。

プラットフォームの比較に関して、正直に言うと、今まで何年にも渡ってそうであったように近い将来でもサーバサイドにおけるJavaへ異議を唱えることが主流であるとは思えません。もしそれが事実でも、本当に見込みのある選択肢は2つ、Java EEとSpringだけです。私たちが持っている、サーバサイドJavaにおいて相変わらずJava EEがもっとも広く利用されているAPIセットであることを示す多くの資産をみなさんにすでに渡しているのです。

Pivotalを好む人は何年間も違う主張をしてきましたが、基本的な事実は全期間変わらないままです。近いうちに変わる可能性は低いです。収益に関して、PivotalがSpringから得ている金銭はオラクル単独でJava EEに関連する製品から作り出したものに比べてわずかです。これは、IBMやレッドハット、その他Java EEベンダさえ含めていません。世の中にあるJMSプロバイダのような多少のJava EE APIを構築するさまざまな小ベンダからの収益を含めればもっと多くなります。

私たちはJava EEとオープンな標準に焦点を当てたコミュニティとして強く、活気に満ち、成長しているままです。私たちは今まで長い間こうだったので、オラクルの外からコミットメントを得ることができました。

InfoQはTheedom氏とも話をした。氏は技術系執筆者であり、講演者であり、長きに渡る技術者である。

Java EEは新しいアプリケーションアーキテクチャへのサポートの追加が遅いので重く膨張している、そういった評判はかなり時代遅れです。Adam Bien氏が遡ること2009年にWARデプロイは簡単に数キロバイトにすることができると記しています。それから2013年にArun Gupta氏はJava EEアプリケーションがSpringよりも明らかに軽いものであることを示しました。Java EE開発者は高い生産性があり、軽く、たった1つの依存しか必要としないこともあります。これは他のフレームワークで簡単に言われているようなものではありません。

マイクロサービスとクラウドはすべての人の課題ではなく、オラクルは明らかにそこにコミットメントを示しています。エンタープライズJavaの次のリリースは、すなわちJava EE 8、JSR366はクラウド基盤とマイクロサービスへのサポートを機能を含みます。オラクルのサポートに加えて、多くのベンダとコミュニティリーダはマイクロプロファイルやベンダとコミュニティリーダ、ユーザグループとの協力を通じてJava EEの進歩に中心的な役割を果たしています。それらはマイクロサービスの領域にJava EEを推し進める作業に成功しています。

Java EEコミュニティとPayaraやTomitribe、IBM、レッドハットのような企業はコミュニティが望んでいる方向に進んでいることを保証するために時間や影響、リソースを割いているJava EEを支持しています。実際に前に進んでいるのです。このようなサポートと献身をそれを日々使っている人々から受けているエコシステムが他にどれほどあるでしょうか。

Java EEが時代遅れで不遜、クラウドネイティブなアプリケーションに適合しないと主張することは、Java EEコミュニティに実際に何が起こっているのかについて知識が欠如していることを証明するものです。なぜなら私の観点では、生存し満足がいき成長しているからです。

Werner Keil氏は、JCP Executive Committeeメンバーだが、氏は活発に計画されている重要なJSRがあることを示した。そこにはCDIJSON-PJAX-RSというマイクロプロファイルで使われる3つのJSRを含んでいる。これらは2017年後半のリリースを意図したマイクロサービスとクラウドのためのJava EE 8として位置づけている。サーブレット5でのHTTP 2サポートのためにJSON-Bは完成に近づいており、新しいJSR 375であるJavaセキュリティAPIは最近再開の投票を通過し、今はただプロプライエタリな方法でしか利用できないJava EEのセキュリティメカニズムを標準化する立場となるはずだ。

Rahman氏はまた報告がスポンサーがいるのではとほのめかしている。我々がこれをPivotalに話したが、彼らはこの主張を否定している。

Ian Andrews氏、Pivotalの製品開発ヴァイスプレジデントであるが、氏は別の機会でInfoQにこう語った。

Java EEの衰退に関する業界のうわさ話は多いです。レガシーなアプリケーションサーバの利用が衰退しているということも同様です。 しかし、本当の話はクラウドネイティブアーキテクチャの増加です。ガートナーはグローバルなCEOとCIOに日々話しています。彼らはこのクラウドネイティブへの重要な移行を鋭く認識しました。そして彼らのクライアントにすでにあるアプリケーションのポートフォリオに対して現代化戦略を追求するよう助言しました。ガートナーのクラウドネイティブアプリケーションの増加についての中立的な研究は、ForresterやRedmonkのような他の最上位階層の調査会社からの類似した調査結果を繰り返しています。

Pivotalでの過去3年以上の間、私たちはクラウドネイティブアプリケーションのためのブロックを構築することにおいてSpring BootとSpring Cloudの人気が急激に増加したことを見てきました。これは2016年11月のSpring Bootが月間1020万ダウンロードされたこと、年々425%増加していることではっきりと証明されています。私たちは、より多くの組織が彼らの重大なアプリケーションを現代化する際にクラウドネイティブアプリケーションを選び、そこに私たちのSpring技術を使ってもらえるように手助けすることを楽しみにしています。

更新
この投稿をIan Andrews氏の発言を含めるために2016年12月22日に更新しました。

 
 

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