PensatoのDominique Dejonghe氏とLuc Galoppin氏によれば、一流オーケストラのリハーサルは、マネジメントチームにとってあたらな学習源になる。2人はDare Festival Antwerp 2014にて、the symphony of insightsと題して発表を行った。
Luc氏は、音楽とリーダーシップに関する記事をブログで連載している。連載のパート8で、氏はマネージャとミュージシャンの間にある言葉のギャップをどのように使って学習を刺激するかについて説明する。
ミュージシャンは自分たちの言語で何が起きているか語ります。マネージャは彼らの言語で目撃したことを語ります。両者の言葉には大きなギャップがあるのが常であり、見方も完全に違うこともしばしばです。しかし、このギャップを小さくする試みはされていません。
ある経験を学習経験にするには、ギャップに対して異なるアプローチをするべきです。そして、無知な人間が何かを学習するということに感謝する必要があります。ふたつの世界の間のギャップを狭めるのではなく、違いを受け入れることに力を入れることです。
InfoQは両氏にリーダーシップ開発、音楽と組織マネジメントの関連、プロジェクトやプロセスにオーボエを見つけることについて、話を聞いた。
リーダーシップ開発とオーケストラとを関連づけたのはどのような着想からですか。
Dominique & Luc:単なる偶然です。文化に対する補助金が少なくなる中で、私たちはオーケストラの新しい収入源を探していました。Anima Eterna Bruggeオーケストラのリハーサルに招かれたことがあり、指揮者のJos Van Immerseel氏は私をホールの観客席ではなく、オーケストラの中に席を用意してくれました。リハーサルの間の出来事は素晴らしく意義深いものであり、この着想を得て、多くのマネージャにシェアしました。単にリーダーシップのことだけではありません。フィードバック、リスペクト、コラボレーションなどに関わってきます。
参加者にどんな音楽が好きか聞きますね。なぜですか。
Dominique & Luc: この質問をすることで音楽が感情的な胸襟を開くことを示しています。いつこの質問をしても、回答者のお気に入りの音楽は強い感情を引き起こした出来事と結びついています(例えば、親友の葬式で聞いた曲、父や母を思い起こさせる曲など)。私たちは皆、このような感情による学習を知っています。従って、音楽の喩えを通じて学習を考えることは強いインパクトを持ち、学習経験を誘発します。
音楽とマネジメントがどのように関連しているかを説明してください。
Dominique & Luc: 音楽とマネジメントというよりは、音楽を'作ること'とマネジメントの関連です。リハーサルはマネージャにリーダーシップやフィードバックなどについての知見を与えるための喩えです。セッションのときは、参加者をオーケストラの内部からリハーサルを見るようにして、学習をしてもらいます。例えば、参加者は指揮者がオーケストラから音を引き出すためにしていること(ほとんどは言葉を使わずに)を体験します。ハーモニー、リスニング、コラボレーションは最高の音を引き出すためにとても重要です。組織でも同様です。
"プロジェクトやプロセスでオーボエを探すこと"について話していますね。どういう意味でしょうか。どのように組織の助けになるでしょうか。
Dominique & Luc: オーボエはオーケストラでチューニングをリードする楽器です。多くの人はこの楽器を知りません。しかし、一度見つければ二度と見失うことはりません。オーケストラのチューニングプロセスが始まったときにオーボエの音を聞かないことがなくなるでしょう。これは学習の力なのです。いつもあり、一度見つければ、現れるのです。オーボエがリードするのは、最も柔軟性がないからです。マネジメントでも、最も柔軟でない人やグループに着目し、チューニングすることで、強力な知見が得られるのではないでしょうか。
リーダーシップ開発のセッションでは、クラシックを演奏するオーケストラと組んでいますね。ロックバンドやハウスミュージックのDJとでもうまくいくのでしょうか。
Dominique & Luc: ジャズも学習目的について興味深い知見をもたらす喩えになります。マネージャを居心地の良い環境から外に出して、強力な喩えを使っています。私たちは偶然にオーケストラに出会いましたが、オーケストラは豊な喩えを提供してくれます。しかし、他の音楽やアートを使うのも面白いでしょうね。