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ビジネスバリューを理解する

最近、Joe Little氏は、もっともよく利用されるが同時に広く誤解されてもいる、アジャイルのコアとなる概念「ビジネスバリュー」(source)に関する自分の考えを投稿した。Little氏の見解によると、人々がビジネスバリューに言及するとき、そこにはさまざまな意味が含まれている。その主題を広く明確にするため、 Little氏は、ビジネスバリューの有効性やビジネスバリューの理論をもたらす概念に関する自身の視点と、効果的なビジネスバリューマネジメントのためのアプローチを提示する。

Little氏は、なぜ人々がビジネスバリューに関心をもつのかを理由付けることから始めている。それは、何か本当に意味のあることを達成する際にビジネスバリューが役立つからだと、彼は主張する。

私は、世界には無限の数の良いことがあるという仮説を立てている。問題は、良いことを見つけることではなく、何がもっとも重要なことかを見極めることである。だから、短い人生の中で、ビジネスバリューについて考える一つの理由は、何か本当に意味のあることを達成するためである。

Little氏のビジネスバリューを考えることの二つ目の理由は、チームメンバー各々が業務上の選択について妥当であるかどうかを判断するための共通目標を確実にもつことができるというものである。
 ……ビジネスバリューは私たちの自然なモチベーションの上に描かれ、チームの仕事にかかわるすべてのアレンジメントを自然な秩序のもとで行うための基礎を私たちに与えてくれる(例えば、誰が何をするのか、システムの構造、など)。
Little氏は、ビジネスバリューの3つ目の正当性として、変化する環境の混乱の最中でも、安定性と一貫性を提供することが出来るという点を挙げている。
……変化は絶え間ない。それはつまり、人々は忘れるし、顧客は変わるし、顧客のニーズも変わるし、過去の(正確であった)見積もりも既に正確ではないということである。ビジネスバリューは、私たちが十分適切に理解すれば、目まぐるしい変化の中で道標としての役割を担うことができる。私たちは、単なる技術的な成功のために新製品を作るのではない。特定の人々にビジネスバリューを提供するために作るのである。だから、私たちは変化に順応しなければならない。
彼は、ビジネスバリューを理解するための基礎として、以下の4つのコンセプトを簡潔に述べている。
  • 損益分析: 与えられたオプションは、既に分かっている費用と利益に基づき、他の選択可能なすべてのオプションと比較し、評価される。
  • パレートの80対20法則: 全体の20%の人々から、80%の価値が獲られる。
  •  知識創造: 知識は自己組織化である。そして、1つの場所に人々が集まりコンテキストを作り出すことによって知識は創造される。(「Ba」)(source)
  • 学習法: 理論を実践し、結果を観察することで学習する。フィードバックを通じて学習する。
Little氏は、プロジェクトの効果的なコントロールとビジネスバリューの理解を得るために人々がとるべき最低限のアプローチだと自身が考えていることを提案して、記事を締めくくっている。彼から提案されたアプローチは、以下の8つの要素から成っている。
  •  十分に意思疎通の図られた、高水準の定義
  • 十分に意思疎通の図られた、実務的な定義
  •  これらの定義の有効性を測定する明確な方法
  •  これらの定義が行動を促し、増大する順応要求に応えてくれることの確認
  • これらの定義を適用するための明確なプラクティス
  • これらのプラクティスを変更する明確な方法
  •  これらのプラクティスを実践するタイムボックスに関する共通理解
  • これらのプラクティスを効果的に人々が使えるようにするための方法
ビジネスバリューに関するLittle氏の別の見解については、「killing low priority projects(source)」という記事を参照。また、ビジネスバリューに関するLuke Hohmann氏(source)の提案(source)や、InfoQに掲載されている「customer-centric success measurement(参考記事)」も見てほしい。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/03/business-value-general-theory

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