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Windows Communication Foundation Unleashedの書評

通常InfoQの書評は、たいてい建設的に始まり、そこから上昇していく。しかし時として、よくないものに遭遇するが、WCF Unleashedはその1つである。4人の著者によって著されたその書籍は、4人の著者すべてが各文に言葉を添えているかのようである。

第1章は、さかのぼること2005年から導入されたC#構文についてである。それから、System.Transactionsから Lightweight Transaction Managerについて言及し、System.Web.SecurityからRole Providersに触れている。「明らかに、役割の管理のための10の単純なメソッドを定義する」のようなフレーズを使うと、原稿が間違って著者の仮の 注釈と入れ替わっているのではないかという疑惑を生じさせかねない。

先に進むと、COM、JAVA、.NETや著者が決して定義しないさまざまな用語の歴史に関する長ったらしくてまとまりのない説明がある。しかし、他の文 献からの引用や参照が豊富にある。これらの引用の多くが本文からのものであるだけでなく、実際に著者がそれぞれの意味を分かりやすく括弧付きの言葉で挿入 している。たとえば、Cwalinaからの引用で、著者は「そして最終的に単純なメソッドを呼び出す」という一節を「そして最終的に単純なメソッドを呼び 出す(または)、インスタンスのイベントを処理する」と変更している。著者が裏付けのために「Java Virtual Machine Specificationは、コンパイラーの出力の標準フォーマットを定義する」といった主張への参照を付け加える必要があると感じている場合がある。

第2章の大体中ごろ辺りに、WCFの使用方法について詳述方法を説明した前置き的な段落がある。これは、比較的良い例やいく分首尾一貫しない説明を用いて いる。最も奇妙な段落の1つは、アプリケーションドメイン内でどのようにしてサービスがホストされる必要があるのか、およびサービスの共通言語ランタイム をWindowsがどのようにして初期化する必要があるのかである。専門用語で混乱してはならない。本質的に著者が言っているのは、それを実行しない限 り、プログラムは作動しないということである。

第3章は、まったく良くならない。5ページにわたる「XML Fetish」の大言壮語があり、そこはDataContractおよびDataMember属性の使用方法を実際に説明するために使用されるべき場所であった。

第4章では、セッション管理などの期待ができそうなトピックを扱っている。ところがそうはいかず、その本文の全体像は以下の文である。

セッションに関連したリソースをより適切に管理するためには、デベロッパはどの操作を実行してセッションを開始し、どの操作がセッションの終了を示すのかを規定することができる。

やはりそうであった。残りのトピックは、単なるコードスニペットで、どの属性が重要なのかとか、それらの使用方法についての詳細などは一切ない。

次の章は、Windows Workflow Foundationについてである。すでに気づいているかと思うが、かろうじて始まったばかりで、完全に無関係のテクノロジーについての議論に逸れてしまっている。そういうわけで、ここでこの書評を終了させたい。

結論として、WCFを開始するにあたり良い参考書を探しているならば、これは違う。しかし、ピンチのときに役立つかもしれない。そうはいっても、WCFの実際の動作方法に関する参照マニュアルや詳細な説明が必要ならば、この書籍は全く使い物にならない。

Windows Communication FoundationはCraig McMurty氏、 Marc Mercuri氏、Nigel Watling氏およびMatt Winkler氏によって著された。SAMSにより出版され、小売価格は49.99米ドルである。

原文はこちらです:http://www.infoq.com/news/2008/04/WCF-Unleashed

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