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Eclipse 3.4に向けてフィーチャーコンプリートされたマイルストーン版がリリース

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予定されている機能がすべて含まれた最終のマイルストーンバージョンとなるEclipse3.4M7が、5月2日の金曜日に公開された(source)。以前の3.3バージョンから、大幅な改良が加えられている。6月にはEclipse3.4(Ganymede)の予定されている最終リリース日に伴って多くのリリース候補が発表されるだろう。

Eclipseを支えるUI層であるSWTは、キオスクモードで動作するアプリケーション用のフルスクリーンウィンドウや、ポップアップのための透明なウインドウや、他のHUDタイプのウインドウを作れるようになった。そして、不透明な箇所を作るためのパスを持つことによって、ウィンドウを長方形ではない形で表示することができるようになる。3値チェックボックスを作成する機能のほうがより直接的に役に立つかもしれないが、上記のことはコントロール(ボタン等)にも言える。ついにSWTは64ビットWindows上で64ビットJVMを実行している環境で利用できるようになった。64ビットWindows上で32ビットJVMを実行している環境における32ビットSWTは今でも利用可能だ。

Javaツールはいくらかの改良を重ねてきた。なかでも軽視できないのは、マルチコアシステム上でのビルド中にパフォーマンスを向上するだろうマルチスレッドコンパイラである。残念ながら、プロジェクト自体は並行してビルドされるのではなく従来のようにそれぞれ個別にビルドされる。しかし、それぞれのプロジェクトの実際のコンパイルにはマルチスレッドを使えるようになるだろう。a+b+cのような式を StringBuilder/StringBufferやMessageFormatを使って同等のものにリファクタリングする機能のような他の利点は、多くの箇所で役に立つだろう。また、変数のセットをアクセッサ付きのデータクラスへと置き換えるなどの新たなリファクタリング機能や、アウトラインビュー上でドラッグアンドドロップすることにより要素を並べ替える機能が追加されている。それぞれのテストケースを実行するのにどれくらいの時間がかかるかを報告するJUnitの計時機能は、どこにパフォーマンスの問題があるのかというヒントを与えてくれる。メソッド用のコード補完機能は利用可能なパラメータ値を表示してくれるようになり、SWTを利用してコードを書くときには、多くの新しいSWTテンプレート(フィールドには利用可能な値が表示される)がコーディングをサポートしてくれる。

RCP開発者への朗報は、Logビューがついに自身のバンドルに移動されたことである。Logビューをワークベンチ全体に取り込む必要なくRCPアプリケーションへとデプロイすることができるということだ。ヘルプシステム(Infocenterのこと)は、どんな既存のアプリケーションサーバ(例えば Jetty(source)やTomcat(source)、またはSSAP(source)でも)にも接続されるように再設計されている。更なるPDEの強化は、ヘルプセンターの利用や eclipse.org(サイト・英語)の記事向けのドキュメンテーションの構築に有益だ。そしてついに、JAASと統合する(source)SecurePlatformが利用できるようになった。

PDEは、plugin.xmlとOSGiマニフェストのフォーマッティングとリファクタリングを大幅に強化することで、快適な環境を作ってきた。そしてこれはマニフェストを最新の状態に保つのをサポートするためのリファクタリングも含む(例えば、コード補完中のインポートの実行や、適切なエントリーの追加等)。しばらくの間インキュベータプロジェクトにあったPlug-in Spyが3.4には標準搭載されている。Plug-in Spyは既存のプラグインを扱う作業をずっと簡単にしてくれる。そしていよいよ、Eclipseをハックしたがっている人達向けに、ソースバンドルが、大きなバンドルとしてではなく、個別ユニットとして配布される。これで、興味のないコードを無視して、興味のあるものだけを手に入れることが容易になるはずだ。プラグインレジストリビューの強化は、動的なインストールとアンインストールをできなくするが、バンドル(そしてそれらのOSGiサービス)の開始と停止を可能にする。

プラットフォームにも変更が施されている。最も注目すべきなのは、Eclipse用の新しいプロビジョニングプラットフォームであるP2である。これは、古くなったアップデートマネージャを全面的に置き換えるもので、バンドルと、バンドルでないもの両方のコンポーネント(環境設定ファイル、インストーラ、グラフィックリソース等)のインストールやアップデートを可能にしてくれる。アーチファクト用のデジタル署名を一覧し検証する機能や、ミラーからダウンロード(またはミラーを提供)する機能、アーチファクトの最適な形態(pack200、gz等)を複数の利用可能な選択肢からセレクトする機能等、数多くの新しい機能がある。また、P2はバンドルのインストールをずっと簡単にするdropinsフォルダを準備している。ここにバンドルをコピーするだけで、 Eclipseがそれを自動的にインストールし、利用できるようにしてくれる(もちろん依存関係が許されればだが)。Eclipseを、バンドルのリポジトリを様々なアプリケーションから利用できるようにする共有バンドルモードとして設定することもできる。 Eclipseを日常的に利用する人達は、それほど利があるとは思わないかもしれないが、もし、複数のRCPベースのアプリケーションを同じコンピュータ上にインストールしている環境でRCPアプリケーション開発をしているのなら(例として組織内のRCPアプリケーションのスイート)、アプリケーション間でバンドルを共有する機能は、スペースの節約に大いに役立つだろう。

機能の詳細を述べているページがこちらからマイルストーン別(M1(source)、M2(source)、M3(source)、M4(source)、M5(source)、M6(source)、M7(source))に参照できる。それぞれ最新で、一見の価値がある。バグフィックスを行った数多くのリリース候補が、Ganymedeのリリースが予定されている6月下旬までの間に発表されるだろう。

原文はこちらです:   http://www.infoq.com/news/2008/05/eclipse-34m7

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