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XRI vs. URI?

OASIS Extensible Resource Identifier(XRI)グループ(source)は長年活動している。メンバーにはボーイングやブーズ・アレン・ハミルトンが名を連ねているが、以下に述べられているほど明らかに重要事なら参加しているのでは、と読者が期待するようなWeb界の重量級要注意組織はメンバーになっていない。
この技術委員会(TC)の目的は、抽象構造の識別子向けにURI互換の識別子スキームと解決プロトコルを定義することです。抽象構造の識別子とはすなわち、場所や、アプリケーション、トランスポートに依存しない識別子で、そのためドメインやディレクトリの数に制限されることなく共有できます。本TCはまた、トラステッド解決向けに包括的な解決プロトコルの拡張やXRIメタデータ向けの特別な識別子一式(他の識別子を記述する識別子)も定義しています。
W3Cがまったく参加していないことも問題である。W3Cの中には、XRIを公記録程度のものとみなしている者もいる。たとえば、Tim Berners-Lee氏は次のように述べている(source)
XRIという考え方は失敗と確信しています。
XRIの定義に関しては多数の仕様がリリースされてきたが(source)、W3Cが真に関心を示し、広く懸念を表明した(source)のは最近になってからである(source)。この流れは2005年に始まった(source)ことで、W3CのTAGが、新しいURIスキームの必要性についてXRI委員会に返答した。:
TAGはXRIの使用についてXRI 2.0のドキュメントならびに必要条件を精査しました。この時点では、新しいURIスキームに賛成するというよりは、http URIスキームとHTTPおよびDNSの既存の実装を使って、非常に上手く必要条件に対処できる、というのがTAGの意見です。
しかし、XRI委員会はこれで断念したわけではなく、現在では標準をバージョン2.0に進めている(source)。この試みに対し、W3CはXRI技術委員会に多数の質問(source)をした。
以下の推論について、XRI Resolutionの仕様を私共が正しく理解しているかどうか、明確にしていただければ幸いです。:

1) XRIによって識別されたリソースへのアクセスはすべて、最初はメタデータ(XRDS、もしくはXRD 、URIのリスト)、2度目はリソース自体(の表示)を取り出すために、(少なくとも)2往復が必要なのでしょうか。

2) HTTPコンテンツネゴシエーションはXRIsへの要求の中で、メタデータのリターンあるいは実際のリソース表示のリダイレクトのいずれかを強制するために使用できますか。

3) フル形式のXRIが基底URIとして確立された場合は、相対XRIは通常方式でもちろん許可されます。基底URIとしてフル形式のXRIがなくても、許可されますか。つまり、基底URIがまったく欠如していても、「=henry」をXRIとして認知するよう意図されているのでしょうか。もしそうなら、このように省略されたXRIのシンタックスが、同じ意味で使われる可能性のある絶対URIならびに相対URIの両方のシンタックスと、現在、そして将来も同格になる(すなわち、両シンタックスからdisjointであり続ける)ことを確実にするために、何を行っているのでしょうか。

また、「xri」をURIスキームとしてIETFに登録するためにとった措置があれば、教えていただけないでしょうか。
技術委員会(source)は上記の質問に回答したが、TAGがいまだ新スキームの必要性を認めていないことは、W3Cが委員会に宛てた最近の電子メールを見れば明らかだ。
TAGはArchitecture of the World Wide Web(source)の中で、http: URIがWebのバリュープロポジションの基礎となっている理由とWebのネーミングに使用すべき理由を詳しく説明しています。TAGはXRIをこれまで2度検討しており、一度は前回のドラフト(source) で、そして最近ではXRI Resolutionのドラフト(source)ですが、2度ともOASIS XRI TC(source)に多数の疑問(source)を投げかけています。

この分野におけるTAGの作業は継続中です。詳細についてはISSUE-50: URNsAndRegistries(source)をご覧ください。

http: URIで今すぐ利用できない機能性をXRIが提供するという点について、TAGは納得していません。したがってTAGは、XRI 仕様を進めること、あるいは他の仕様における識別子としてのXRIの使用をサポートすることを推奨しません。

W3C Technical Architecture GroupはTim Berners-LeeとStuart Williamsが共同議長を務めています。
XRIに対する関心は多少広がりを見せているが(source)、W3C(や主要Webベンダー)が両手を挙げて賛成しないようなWebベースのスキームに、一体どんな未来があるというのか。さかのぼること2003年に、ある著者がXMLとWebサービスにはXRIが必要と提唱した(source)。当時ディレクトリサービスの主任ストラテジストであったJustin Taylor氏であるが、氏は次のように述べている。
XRIは、分散した情報を照会する方法向けの共通のURIを作成することであり、それがディレクトリサービスのオブジェクト[ユーザーオブジェクトなど]であろうが、別のサーバーにあるファイルや、別システムにあるかもしれない異なるタイプのドキュメントの処理であろうが、関係ないのです。

XRIが無くとも順調にやっているように思われる。XRIは問題を模索中のソリューションなのか。この標準が採用されるとしたら、さらなる論争を引き起こすのか。それとも、主なベンダーが誰も実装しなければ、忘却の彼方に姿を消すのか。

原文はこちらです:         http://www.infoq.com/news/2008/05/xsiurl

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