Mozillaは1年前,24時間内に800万強のダウンロードを記録した Firefox3 によってギネスブックに登録された。本日,まだ初日ではあるが,Firefox 3.5は平均50ダウンロード/秒,7月1日 10:30 GMT 現在までのトータルで360万ダウンロードに達している。Mozilla 自身の持つレコードの更新はできそうにないが,それでも3.0に対して,ネイティブビデオなど数多くの機能向上があることを考えれば,3.5は価値のあるアップデートである。Flash/Sliverlightは,もはや不要だ。
ネイティブビデオ。HTML 5 の<video>と<audio>タグのサポート。それぞれオープンソースOgg Theoraエンコードされたビデオと,Vorbisエンコードされた音声にネイティブに対応する。これらはともにXiph.org Foundationの開発によるものだ。その成果は? ビデオ/音声の再生には Flash も Sliverlight も不要となった。Theora ビデオは他のHTMLコンポーネントと同様にページの一部分とみなされ,ユーザがズームイン/アウトをすればテキストと同じようにサイズが変更される。
スクリプトエンジン。処理速度の向上した新JavaScriptエンジンで,TraceMonkey と呼ばれる。Firefox 3が使用するスクリプトエンジンである SpiderMonkey の20~30倍高速であると報告するレポートもある。ただしこれは使用するテストスイートへの依存度が大きく,大多数のテストではSpiderMonkeyの2倍,Chrome2およびSafariと同程度の速さという結果が出ている。
位置情報通知。位置情報を必要とするWebサイトを参照する時,Firefox は IPアドレスと無線接続ポイント情報を使用してユーザの位置を特定する。これはIP情報をデフォルトの位置情報サービスであるGoogle Location Serviceに送信し,ユーザのおおよその場所が返信されることで行われる。Webサイトはこの位置情報を,例えばその地域にあるレストラン紹介のような情報の提供に使用する。この機能はプライバシー保護のために無効にすることもできる。
プライバシー。プライバシーモードでは,ブラウザはブラウズ操作(履歴,クッキー,ダウンロード,Web入力フォーム,検索)に関する一切の記録を行わない。
JSON およびWebワーカスレッド。Firefox 3.5 の持つネイティブJSON解析は,JSONコードの実行をより安全なものにする。さらにHTML 5 ワーカスレッドもサポートしており,スクリプトコードの実行をバックグラウンドスレッドに転送することができる。その結果,スクリプトコード実行中にページ表示がブロックされることがなくなる。
カラープロファイル。Firefox 3.5 は動的カラープロファイル機構を使用して,写真を作者の意図通りに表示する。
その他。以下の機能をサポート-ダウンロード可能なフォント,CSSメディアクエリ,JavaScriptクエリセレクタ,HTML5ローカルストレージとオフライン・アプリケーションストレージ,"canvas"テキスト,ICC プロファイル,SVG変換。
Firefox 3.5 はWindows,Mac OS X,Linux用が,70以上の言語でダウンロード可能である。
以下のリンクが利用できる: Firefox 3.5 ダウンロードページ,開発者情報