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アジャイルを導入するパイロットプロジェクトの選び方

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原文(投稿日:2009/11/17)へのリンク

アジャイルの導入を成功させる最も重要な要因の1つは、アジャイルをパイロットプロジェクトに適用することで学んだことだ。ここで学んだことが、今後アジャイルを推進するのか、それとも従来のプロセスに戻すのか、組織に大きな影響を及ぼすことになる。つまり、パイロットプロジェクト選びは非常に重要だということだ。パイロットプロジェクトに適していないプロジェクトを選んでしまうと、アジャイルという新しいプロセスをうまく宣伝できずに、失敗に終わるだろう。

Mike Cohn氏パイロットプロジェクト選びに影響を及ぼす4つの重要な要因を提案している。彼はこう述べている。

すべてのプロジェクトが、初めてアジャイルを導入するプロジェクトに適しているわけではありません。理想的なパイロットプロジェクトは、プロジェクトのサイズ、プロジェクトの期間、プロジェクトの重要性、ビジネススポンサーの参加といった要因がうまく重なったところにあります。

とはいえ、完全に当てはまるプロジェクトだけに絞るのは難しい。組織は4つの要因が重なるところにできるだけ近いプロジェクトを選ぶよう努めなくてはならない。

Mike氏の言う4つの要因とは以下の通りだ。

I. 期間 – 短期的なプロジェクトであれば、懐疑的な人たちに対して、アジャイルが小さなプロジェクトでうまくいくことを見せやすいだろう。プロジェクトが大きすぎると、導入結果を評価するのにかなり待たなくてはならない。理想的なプロジェクトの長さは、その組織におけるプロジェクトのほぼ平均だろうと、Mike氏は提案している。

Greg Smith氏理想的な期間は8週だと提案している。彼はこう述べている。

まずやるべきことは、8週以内で完了できるような、機能のサブセットを探すことです。大きなプロジェクトのミニプロジェクトとしてふさわしい機能グループはありませんか?

II. サイズ – パイロットプロジェクトは1つのチームでやれる程度の小さなものにするべきだ。そうすれば、複数のチームやチーム間コミュニケーションといった課題はなくなり、チームはアジャイルプロセスに全力を注げる。

III. 重要性 – 組織にとって重要なプロジェクトから始めよう。これはチームにやる気を与えて、プロジェクトを成功させるためにプロセスをうまく実施できるだろう。重要性が低くてリスクのないプロジェクトだと、学ぶだけで終わってしまうことが多い。

プロジェクトの重要度を評価する方法について、Greg氏は次のように提案している。

あなたの会社がそれなしではやっていけないのであれば、そのプロジェクトは重要です。ビジネス上、重要だと思われるプロジェクトの例をいくつか挙げましょう。
  • 確実に収益源となるプロジェクト
  • 規制やコンプライアンスといったガイドラインに準拠する必要のあるプロジェクト
  • 資金に期限のある(予算が期間にひもづいている)プロジェクト
  • 組織の基盤となる機能(SOAなど)を提供するプロジェクト

IV. ビジネススポンサーの参加 – 積極的に参加してくれるビジネススポンサーがいると、考え方の凝り固まったビジネスプロセスや部門、個人に逆らって推進しなければならないときに助けになる。ビジネススポンサーの時間と活動力は、プロジェクトの成功にとって重要だ。

Mike氏は、これらの要因は強力なチームがあってこそ意味がある、と付け加えた。すなわち、適したチームを選ぶことが、こうした要因以前に必要だということだ。Alan Atlas氏も同じ考えで、パイロットプロジェクト選びにこだわりすぎずに、まずはパイロットチームを選ぶべきだと述べている。

つまり、まずパイロットチームを準備して、その次のステップとして、ここで説明した要因に基づいてパイロットプロジェクトを選ぶということだ。とはいえ、4つの要因が重なるようなプロジェクトはないかもしれない。重要なことは、このスイートスポットに最も近いパイロットプロジェクトを選ぶよう努めるということだ。

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