Eclispe Mylyn と Tasktop の開発元である Tasktop Technologies 社は先週,Tasktop Pro 1.6 バージョンのリリースを発表した。Tasktop Pro は Eclipse IDE 用のアプリケーションライフサイクル管理 (Application Lifecyle Management,ALM) 統合スイートだ。最新バージョンでは,リポジトリ間リンク,C/C++プロジェクト用のタスク管理フォーカス,アジャイル ALM ツールとの統合などが新たにサポートされる。さらに今回のリリースでは,ソフトウェア開発管理とアジャイルなプロジェクト管理とをリンクすることによってタスク管理作業を補完する,自動タイムトラッキング機能も追加されている。
Tasktop Pro は Mylyn のタスク管理フレームワークの開発アクティビティを更新管理ツールや ALM ツールにリンクさせる。これによって開発者は,実際の開発アクティビティに合わせて ALM システムの更新を続ける必要がなくなる。またアジャイルチームには,消費時間の自動トラッキングによるプロジェクト管理の精度向上と可視化によって,よりリアルな見積が可能になる。
リポジトリ間リンク
Tasktop 認定 ALM システム (あるいは OSLC 準拠 ALM アプリケーション) の間に管理リンク (managed link) を作成することで,バグ/イシュー/プロジェクトなどのトラッキングシステム間を越える依存性の設定と共有を行うことができる。リンクはタスクエディタに表示され,他システムの関連タスクの完了ステータスに従って自動的に更新される。また新しいインポートおよびマイグレーション機能により,タスクの ALM システム間での移動,アプリケーション内での新項目の設定などが可能になる。例えば E メールスレッドを変換したり,ユーザストーリーへリンクしたりすることができる。
自動タイムトラッキング
新しいタイムレポートでは,既存のプロジェクト管理ツールにレポート集計用データを送信する前に,開発者による時間の再検討と調整が可能になった。このアプローチにより,手作業による時間のトラッキングは不要になる。開発者はタイムトラッキングオートメーションを操作して,ミーティングやその他コンピュータを離れていた時間を計上するように実費用を修正することができる。またタスクエディタには Time Tracking セクションが新たに追加され,タスクに費やされた時間がグラフ表示される。必要であれば開発者は,これが正確な情報を反映するように所要時間を調整することも可能だ。
Tasktop Pro には Mylyn 3.3 も含まれている。Mylyn にもタスク管理機能のユーザビリティを向上する新機能が実装されているが,特筆すべきなのは C/C++ プロジェクトのサポートだろう。Eclipse CDT を使用しているモバイルおよび組込アプリケーションの開発者たちにとって,これは福音となるはずだ。Eclipse JDT を使用する Java 開発者と同じようなフォーカスされたワークスペースとワンクリックマルチタスキングが,C と C++ の開発者たちの手にも入るからだ。
InfoQ が Tasktop Technologies 社の CEO である Mik Kersten 氏に新リリースおよび製品の今後のロードマップについて質問をしたところ,Tasktop チームはアジャイルおよび Scrum 開発のサポート拡張を継続する予定である,という回答があった。来年の第1四半期には新たなコネクタのリリースも計画されている。さらに新リリースではいくつかのコラボレーション機能が新たに登場する予定だ。それ以降の機能については,定期的に提供される早期アクセスプログラムがひそかに見せてくれる。開発者はこれにアクセスすることによって,次に現れるものが何なのか確認できるだろう。