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ティーチングゲーム-遊びか、まじめなビジネスか?

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原文(投稿日:2009/12/10)へのリンク

先月、Tasty Cupcakesティーチングゲーム・ウェブサイトの創始者であるMichael McCullough氏とDon McGreal氏が、楽しみ駆動開発<Aジャイルのためにゲームを通じて勢いをつけるという記事を公開した。景気は低迷しているが、こういったゲームがトレーニングプログラムから締め出されることはなく、実際、ティーチングゲームはアジャイル実践者が集まって考えを交換する上でのかすがいとなっている。ティーチングゲームが提示しているのは、新しいアイデアについて納得のいくコミュニケーションを迅速に行う方法であり、したがって、こういったゲームは組織が自己組織化やアジリティにむけてパラダイムシフトを起こす上で役に立つのである。

教師やトレーナはティーチングゲームを長いこと用いてきた。

モデムビジネスゲーム運動は、ウォーゲーム、オペレーションズ・リサーチ、コンピュータ・テクノロジーおよび教育理論などの分野における発展が融合することで発生しました。1950年代後半に最初に採用されて以来、合衆国におけるビジネスゲームの利用は、習熟段階に達しました。 -- Simulation & Gaming, Vol. 24, No. 4, 446-463 (1993)

とりわけアジャイルトレーナは10年以上に渡ってティーチングゲームを利用してきた。Bill Wake氏のような人は、どうすれば優れたゲームが作れるかということについて研究してきており(例えば、 NASAGAカンファレンスの時のように)、また、ティーチングゲームを作り出して、それをアジャイルコミュニティに無料で提供してきた。同様にアジャイリストたちは、即興演劇の世界から自分たちのトレーニングにゲームを取り入れてもいる。この動きに寄与した人物にはTobias Mayer氏がおり、また最近ではMike Sutton氏やDavid Harvey氏が挙げられる。

アジャイルの概念を教えるためにゲームを用いることに関して、McCullough氏とMcGreal 氏は次のように書いている。

アジャイルを導入するということは価値のシステムを変えることであり、これは実は人間を変えるということなのです。(中略)原則や価値のように複雑なものは、それについてコミュニケーションし、伝達するのが難しいものなのです。

見かけ上の「ばかばかしさ」にも関わらずこういったゲームが使われ続けているのは、これらのゲームが価値や原則といった領域において、生理的な水準の学習を迅速に行えるようにしているからだ。それも多くの理論や口頭による説明を必要とせずにである。ゲームに含まれているのは感性であり、もっとも優れた形においては、感情をも含むことができる。この感性や感情が、学習を拡大させ、強固にするのであり、これは座って聴くだけでは得られないものなのだ。対面という性質にも関わらず、レクチャーを聴くことがむしろ回線の細い学習方法となってしまうのは、身体全体を使う方法を比較した時だ。このような方法をとることで、リアルタイムな人間同士のコミュニケーションや動き、ボディランゲージと創造性が付け加えられるのである。

Dan Mezick氏はAgile2009において、まさにこの題材についてInfoQに語っている。氏によれば、こういったゲームは回線が太い学習であることに加え、抵抗のトリガーとなる単語や概念を避けることでうまく受け入れられているという。

これらのゲームはさまざまな形をとりますし、さまざまな教訓を教えます。しかし、基本的に単語というものは非常に偏見をもたらしやすいものなのです。PMPやPMBOK、Scrum、CMMI、ScrumBut、プロダクト・オーナ、スクラム・マスタ、デイリー・スクラムといった単語を話すとすると、この種の用語は非常に偏見をもたらしやすいのです。それに対して、もしも(中略)部屋に入ると遊び道具があったらどうでしょう?カードにサイコロ、紙、色鉛筆などそういうものが全部あって、「楽しみなさい!」と言われたらどうでしょうか。フィルタをかける過程が省略され、偏見はなくなるでしょう。意見や立場に関係なく、単にゲームに参加しているのです。

今や私たちは他の人と一緒になってあるタスクに注意を集中しているのであり、豊かな情報を手にして、経験に基づいた仕方である学習をしているのです。これはアジャイルの導入を推進させるのにきわめて効果的な方法です。私たちのほとんどがそれを理解し、ゲームはコミュニティにおいて発達しているのです。

チームの時間にゲームを取り入れることによって、雰囲気が変わり、新しい非言語の情報が得られ、また、チームがアジャイルの新しいコンセプトを手に共同作業をする上で役立つ共通の新しいメタファーが手に入る。解説がつき、すぐに使えるようになっているゲームを探すのにそれほど手間はかからない。まずはGoogleを試してほしい。また、カンファレンスで行われたゲームと、カンファレンス後のWikiを探すのもよい(AgileCoachCamp2008のように)。あるいは、Tasty Cupcakesウェブサイト(これはAgile2008の後に作られた)や、このニュースの冒頭で引用された記事を探してほしい。

もし、自分でゲームをつくってみたいと思ったら、Chris Sims氏とElizabeth Hendrickson氏がシュミレーションとゲームを作るコースを提供している。これは特にアジャイルコーチとコンサルタントに向けられたものだ(Agile2009のサイトでより詳細に説明されている)。より一般的なリソースへのリンクはNASAGAISAGAのウェブサイトで見つけることができる。

 

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