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Googleが旧世代ブラウザのサポートを停止

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原文(投稿日:2010/02/15)へのリンク

Googleは、IE6やFirefox 2.x、Chrome 3、あるいはSafari 2といった旧式かつ安全性に劣るブラウザについて、2010年3月1日よりGoogleドキュメントおよびGoogleサイトを皮切りにサポートを停止すると発表した

Google Appsの管理者には、Googleが複数のブラウザのサポートを段階的に廃止する方針である旨の電子メールが届けられている 。この措置はIE6への対処とする見方が大勢だったが、実際は全ての旧世代ブラウザに関係するものとなっている。サポート対象ブラウザはIEは 7以降、Firefox は3以降、Safariは 3以降、そしてChrome は4以降となる。旧世代ブラウザを持つユーザがGoogleドキュメント又はGoogleサイトにアクセスした際に、ユーザのブラウザがもうサポート対象外になっており、「旧世代のブラウザでは今後これらのアプリケーション内の一定の機能についてレイテンシが増大したり適切に動作しなくなったりする恐れがある」ことを通知してこの変更を広く知らせていく。今年の後半には、旧世代ブラウザがサポート対象外となるアプリケーションのリストにGMailおよびGoogleカレンダーが追加される。 これは、ユーザが単に警告メッセージを受け取るというだけではない。Googleのスポークスマンによると、ユーザによるページ閲覧は可能だが、編集ができなくなるとのことだ。

Comscoreによると概算で1億4600万人がGMailを使用しており、Googleの電子メールサービスはHotmailおよびYahooに次いで第3位となっている。 旧バージョンのFirefoxやChromeを使用するユーザは1%に満たないが、世界規模ではまだ20%がIE6を使用しており、また企業での全ブラウザのうちIE6は60%を占めている。結果としてこの措置は、IE6をあきらめたりGoogleウェブサイトを断念したりせざるを得ない一部の企業に対してとりわけ影響を及ぼすであろう。

その他の企業はIE6について既にアクションを起こしている。37signalsというウェブベースのソフトウェア企業は2008年にIE6の段階的廃止を開始した。また、YoutubeはIE6のサポートを2009年に停止した。I Dropped IE6 のサイトには、IE6のサポートを正式に取りやめた企業が(これまでのところ)787社リストアップされている。

DiggはIE6対応の廃止を検討したが、彼らのサイトにIE6でアクセスする人の大半が職場からアクセスしていることが判明し、次のような結論を出した。「この場合、このような人々に『ヘイ!アップグレード!』というメッセージを送ることは意味がないばかりか、残酷ともいえるでしょう。」このInfoQでも同様に、サイトを閲覧するInternet Explorerのブラウザのうち41%がIE6であることがブラウザのトラッキング統計により示されている(IE7およびIE8の訪問数はそれぞれ27%に達している)。

Microsoftはユーザに対し最新バージョンの自社ブラウザにアップグレードするよう推奨してきたが、企業に対してそれを強要したいわけではない。IEチームのマネージャであるDean Hachamovitch氏は、MicrosoftがIE6を終了しない理由について次のように述べた。

PC上のソフトウェアをアップグレードするという選択権は、そのPCの責任者が持っているべきです。

多くのPCは個々の愛好家が所有しているのではなく、組織が所有しているものです。組織内でそれらのマシンの責任者となっている人々がマシンの対処を決定します。こういった人々は何十、何百、あるいは何千といったPCを予算通りに維持することに対し職業上の責任があります…。彼らにとって、購入価格のみがソフトウェア費用となるのではなく、デプロイやメンテナンス、そして自分たちのITインフラストラクチャにおいて機能することの確認の費用がソフトウェア費用となっています。

我々はその製品の寿命が続く限りWindowsに搭載されているIEをサポートすることを確約しましたので、IE6のサポートを廃止するという選択肢はありません。我々は我々の責任を果たします。

このところ、ウェブサイトに対しIE6のサポート停止を訴えようとする複数のキャンペーンが実施されてきた。Googleの措置に対し、旧世代ブラウザのサポート廃止にさらに確信を感じるであろう数多くの小規模企業がその後に続くだろう。

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