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US Scrum Gathering,興奮の第2日目

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原文(投稿日:2010/03/09)へのリンク

Scrum Gathering の2日目はトピック,おしゃべり,活気,役に立ちそうなもの,そして初日に続いて(もちろん)健全な議論の嵐で目いっぱいだった。

大多数の意見によれば,この日注目のハイライトは特別招待ゲスト Harrison Owen 氏の昼食ホールでの講話だったようだ。氏は評価の高いアジャイルコラボレーションツールである Open Space の作者として有名だが,皆が驚いたのは,このツールがもともとアジャイルに特化したものではなく,しかも新しいものではない,ということだ。氏が最初に作った (そして "マティーニ3杯" の栄誉と,いく分厳しい時間的制約の原因になった)Open Space は,さまざまな建築家や技術者のグループに利用され,さらには 1985年,オリンピック競技場の照明再設計というタスクを,期限の間際に請け負ったスペシャリストをも助けることになった。Owens 氏は Open Space の公式について "円座に着いて,掲示板を作って,市場を始めて - そして作業を始めよう" と説明しているが,これを作り出す上で彼が西インドで過ごした時間からどのようなインスピレーションを受けたか,詳しく説明してくれた。

以降の Owens 氏は大規模なものから小さなものまで,数千に及ぶ多様な産業やグループに対して OpenSpace を広めていった。- そして75才の彼は先週,Open Space を使って国連人権高等弁務官をサポートするために Geneva に赴いた。彼らは,拷問から性的奴隷にまで至るまで,難しい人権問題に取り組んでいるのだ。引用に値する氏の言葉は多々あるが,中でも特に意義深いのは次のものだろう: "組織的な機能障害の大部分は詰まるところ,自己組織系(self-organizing system)を組織化しようという無駄な努力によるものです。","倒産に至ったビジネスプランに従おうという人などいません。",そしてもし "自分たちが [すでに自己組織的存在であることを] 許容できるならば",成功を手にすることができる。初期の動画が こちら にいくつか紹介されている。

当日の人気セッションの中で,少なくとも参加人数の面で期待が大きかったのは Jeff Patton 氏による "ストーリーマッピングの利用 (Using Story Mapping)" だったが,参加者によれば期待どおりの内容だったようだ。氏のセッションは現実のストーリーを踏まえたデモンストレーションではなく,一般的な情報構成型のプレゼンテーションであり,Dan Mezick 氏("the customer") のビジュアル化,マップ,仮想のコミュニティ計画製品 (聴衆を即席の "興味を持った利害関係者" に見立てて) などを取り上げていた。

注目のセッションがもうひとつ。Jurgen Apello 氏 (NOOP blog で有名) による "お馬鹿の自己組織化ガイド (The Dolt’s Guide to Self-Organization)" では,分解して,理解して,効果的に実践する "自己組織化" の具体的な方法を,かなり挑発的なやり方で発表していた。今回のコンテントの大部分がそうであるように,Jurgen のスライド (これ自体はまともなものだ) も サイバースペース で入手可能だ。

当日の多数のセッションの中には,まともな議論を引き起こした良質のセッションが他にも数多くあった。アジャイルプロジェクトの内外において,コラボレーション,ユーザ対応,マーケティング,知識共有や人材確保などでソーシャルメディアを活用する方法を 紹介した "ソーシャルメディアとアジャイルプロジェクト (Social Media & Agile Projects)" (Christian Vindinge 氏,Cathrine Lippert 氏),Deming 氏の時代を越えた教えをアジャイルのコンテキストにおいて復権させた,Mark Strange 氏の興味深い "Scrum - Deming だったら? (WWDD / What Would Deming Do)",そして Simon Bennett 氏と Mark Summer 氏によるキャッシュフローの話題 "インセンティブの罠 (The Incentive Trap)",などだ。

風変わりで好評な形式のものが2つあった。あちらこちらで断続的に対話を繰り広げる "PK" (ぺちゃくちゃ/Pecha Kucha) セッション,それから観衆に対して素早く,願わくば衝撃的に行われる電光石火 (lightning fast) プレゼンテーション,である。さらには参加者がリアルに "患者" あるいは "医者" としてサインアップして,Scrum 病の悩みについて討論する "Scrum クリニック" (Gerry Kirk 氏とMichael de la Maza 氏のコーディネートによってブレックファーストルームで行われた) というものもあった。

注目に値するのが,挑発的で議論の的になった (発表者がいまだに分からないのだが) "成熟したチームに Scrum Master は不要" というもの。なかなか面白いが,あなたの意見はどうだろう?

当日もうひとつの tweeter ネタ候補は Gartner 氏の予言,いわく "社員のインターネット使用をブロックしている会社は10~15年以内に滅亡する"。

最後に重要なことをひとつ。前半2日間における "一番目立った人" の栄誉は Lyssa Adkins 氏に贈呈したい。満席になった4つのセッション (昨日1日を費やしたセッションも含んで) の最前列で,アジャイルのコーチングや "伝統的な" プロジェクト管理の足かせからの解放,生産性を達成するための 積極性(positivity) パワーの結集,などの話題において有用かつ新鮮なアドバイスをしていた。

第3日のキックオフは,丸1日を使って行う本物,Owens スタイルの Open Space だ。詳細な情報についてはもう一度 カンファレンスのオフィシャル Web サイト を訪れるか,ライブ ブログ,あるいは twitter ハッシュタグ #sgus をフォローして欲しい。

 

以下は twitter #sgus の最新50コメントだ。参考まで。

 

上に紹介した組み込み twitter ウィジェットは,JavaScript ベースのオープンソース・フリーライブラリで,http//tweet.seaofclounds.com から入手することができる。

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