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Ken Schwaber氏へのインタビュー第一部

原文(投稿日:2010/08/26)へのリンク

最近、氏はScrum.Orgを立ち上げた。この組織はスクラムの授業や証明書を提供し、スクラムのスキルを評価する資格認定組織だ。InfoQは氏に連絡を取り、インタビューを行った。この記事ではこのインタビューの第一部をお届けする。インタビュー自体は第三部まである。

Ken、あなたはスクラムの発案者であり、単刀直入な物言いでも有名です。どうしてScrum.orgを作ったのですか。この組織の使命は何でしょうか。

スクラムが普及し、ウォーターフォールが死滅したことは喜ばしいことですが、次の一歩が重要だと思っていました。それは第一に、チームの開発者のスクラムでの能力を改善して、すべてのスプリントで常に完璧な成果を上げられるようにすることでした。そして第二に認定に基づく評価の仕組みを確立することで誰がスクラムを知悉し、誰がそうでないかをはっきり理解できるようにすることでした。

これらのことはスクラムアライアンスの関心の対象外でしたが、ソフトウエア開発のプロの能力を向上させるという私の個人的な目標の中には含まれました。なので私は私の個人的な目的を使命とするScrum.orgを立ち上げました。そして、スクラム普及という使命を全うさせるため、私はこの組織をスクラムアライアンスに委ねました。その一方で次の一歩も踏み出しました。

Scrum.orgの設立については自分のブログhttp://kenschwaber.wordpress.com/で詳しく書きました。また、私の個人史の中の最近の出来事とスクラムを結びつけた記事をhttp://www.scrum.org/originsofscrumorg/に掲載しました。

Ken、スクラムガイドは誰がスプリントの目標を設定するのかについてなにも言っていません。また、誰がスクラムマスタになる人物を決めるのかについてもなにも言っていません。さらに、とても大事なスプリントの長さ(4週間以内に限られていますが、実際のスプリントの長さを決めるのが誰なのか、ガイドは助言をくれません)を決めるのは誰なのかについても同様です。現在のバージョンでは、どのようにしてプロダクトオーナが選ばれるのかもなんだかぼんやりしています。そこで質問です。スクラムは十分に規範的ですか。もし規範的ならその理由を、そうでないならそうでない理由を聞かせてください。

私たちが歩いているフレームワークと方法論の間にある線はとても微妙なものです。方法論はどのような環境下でも答えを出そうとします。つまり、規範的で完璧であろうとします。しかし、実際にそうするとその方法論が役に立たないということを理解するのか難しく、また時間がかかるでしょう。すべての不確実性に対して結論を下したり、記述するのは不可能です。私はいつも簡潔すぎて失敗する方がましだと思っています。つまり、賢い人々が最良の方法を見つけて、自分たちの環境下でその方法がどのように働くのかを明らかにする余地を残すべきだと思っています。そうすることで、その手法が使えなくなったら自由に変えることができます。

あなたが今言ったスクラムの“ブラックホール”を埋めるのは私にとって簡単なことです。しかし、私の観点からそのブラックホールを埋めることになるでしょう。そして、それは方法論になるでしょう。ブラックホールの中でもがく人を見つけたら、ヒントやスクラムガイド、ブログ記事やビデオ、さらには会話を通じてそのブラックホールを埋めようとします。

しかし、スクラムのフレームワークを規範的にすることは拒否します。方法論は嫌いです。

スクラムガイドを書いたのはJeff Sutherland氏とあなたです。今、このガイドは多くの改訂版が入手できます。最初のスクラムガイドはあなた自身が書いた本SOFTWARE DEVELOPMENT USING SCRUMにいくつか変更を加えています。現在のガイドでは、”プロダクトオーナは委員会ではなく常に人である”と書いてあります。私たちの多くは改訂履歴を探しているのですが、どこにありますか。スクラムガイドの"改訂資料"はあるのですか。ゆくゆくはスクラムのバージョン変更のための明確な改訂履歴を見られるようになりますか。

改訂履歴が見れるようにするのは良いアイディアですね。それまでの間、最新のバージョンは常にwww.Scrum.Orgに投稿されます。

スクラムは多大な人気を得て盛り上がっています。スクラムの専門知識は世界中に広がっています。70,000を超える人が認定スクラムマスタの資格を持っています。Jeff Sutherland氏とあなたはスクラムガイドの著者です。このガイドがスクラムの拠り所になっているのはなぜでしょうか。

なぜスクラムの知識を定義し、その知識がどの程度理解されているのかを評価する権利がScrum.orgにあるのか疑問に思う人がいるかもしれませんので、この問いに答えさせてください。スクラムの知識の定義や評価に尽力する人々は初期段階からスクラムの開発や普及に努めてきました。私たちはこれらの知識を構築するのに必要な経験や専門知識を持っているだけでなく、さらなる経験や知識を必要に応じて入手するための接点を持っています。Scrum.orgはスクラム評議会を設立しました。これは公式な情報を提供するためです。私たちの議論はこの公式な情報のための有用な情報源になるはずです。

そして、これも重要なことですが、私たちは腕まくりをして仕事を完了させる意思の持ち主です。スクラムだけでなくソフトウエア産業全般にとって、この仕事は必要で重要であるということを私は疑いません。私は今、スクラムの品質が保証されたトレーニングと評価を市場に提供する仕事をしています。成功の尺度を持ってこの仕事に取り組める人が他に見当たらないからです。

 

ノート

この記事はKen Schwaber氏へのインタビューの第一部である。第二部ではスクラムの評価、スクラム認定制度、カンバン、リーン、スクラム開発者認定制度などについて氏と議論する。


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