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2つの世界の衝突:PMI(米国プロジェクトマネジメント協会)とアジャイル

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原文(投稿日:2010/09/22)へのリンク

先頃、PMI Network magazineによって「アジャイルはあなたのプロジェクトにとって正しいのか?」というタイトルの一組のスライドが公開され、twitterPMIアジャイルグループでかなりの波紋を起こした。

このスライドはすでに元の場所では見ることができないが、参考までにGoogleキャッシュで見つけることが出来る最後までスクロールすること)。 Tom Mellor氏は彼自身長年アジャイルに対するPMIの視点に好奇心をそそられていると述べている。アジャイルはPMIの中に非常に深く入り込み、PMIはその部屋の中の象の存在(訳注:大きなアジャイルの存在)を認めざるを得なくなってしまった。Tom氏によれば、

このPMIのアジャイルに関するスライドを読んでみると、例として次のような文章が見つかる:「リスクをとる価値があるのか?」たしかにアジャイルはリスクマネジメントのテクニックを提供している。しかし、もしあなたの会社あるいは顧客が一貫し安定したプロジェクト環境を求めるのであれば、アジャイル手法に従うべきではない。また、もしあなたが契約の中の要求を書く立場なら、アジャイル手法はたいして役に立たないだろう。そして最後に、「心を開こう」アジャイル手法のプラクティスは一般的とは言えず、しばしば習得しがたい。私の直感的な考えは、「冗談だろ!」だ。

Tomがいう通り、プロジェクト環境は安定でもないし、一貫してもいないというのが現実に根ざした考え方であるし、そのような場でこそアジャイルプラクティスは活きるのである。

Craig Brown氏によれば、プロジェクトマネジメントに関してあまり情報を持たないような組織にPMIは多くの価値をもたらしたけれども、その利益曲線は急速に平坦になっており、官僚主義や凝り固まった行動、変化への抵抗が見受けられるようになっている。

Ron Jeffries氏は次のように反応した。

私があのスライドのようなものに対してせざるを得ないおもな反応は、それが実際にアジャイルを行った人間によって書かれたものではないように見える、ということである。実行したことがなければ、それがどんなものであってどんなものでないか、そして、どのような効果があるのかを言う資格さえ与えられないのだ。

Huet Landry氏Dennis Stevens氏は一般的な意見は別として、このスライドはある種アジャイルの障害への非常に情報の多いリストになっている、と述べている。Dennis氏によれば、このスライドの潜在的な問題はより肯定的にすることが出来るトーンである。彼はそのメッセージがなぜアジャイルが機能しないかという単なる言い逃れのリストよりもっと生産的で実行可能なものになるように追記した。Dennis氏はその内容を肯定的に表現する、次のようないくつか例を出している。

  • アジャイルは簡単ではない ー 誰もそれを魔法の治療法だとは言っていない。
  • アジャイルは安全性を高める手助けをする ー それゆえ、透明性も高める。このことは生産性の低い人間を脅かすことになる ー つまり、各個人が成功する環境をつくることを手助けしうる。
  • アジャイルはチームに計画主導型の手法からリスクや価値主導の手法への転換を要求する。このことと確立したPM手法と相容れさせることは難しいかもしれないが ー ガバナンスとリスクマネジメントを改善する明らかな道がある。
  • 移行期の初期の混乱のあと ー アジャイルチームは予想可能で安定的なペースで機能する。

Maurice Hagar氏はスライドは興味深いものであると気づき、反対することよりも同意することの方が多いと付け加えている。

Kurt Haeusler氏はPMIのサイトはアジャイルについて探す最高の場所ではないかもしれないと言っている。

間違えたのは完全に私たちの方である。PMIサイト上でアジャイルに少しでも関係することあるいは興味深いことが見つかるという考えを膨らませるということのためでさえもだ。言ってみればそれは、ヴァチカンのサイトでイスラムについてのすべてを見つけるようなことだ。

しかしながら、多くのグループメンバPMIがアジャイルについて語り始めたことよい取り組みであると感じている。

Mike Griffiths氏はこのPMIとアジャイルとの衝突の中には通常の社会的統合の問題もあると述べている。彼によると、

2つの異なるグループが最初に出逢うときには常に衝突があり、用語の相反があり、先入観の顕示があり、1つまたはいくつかのグループからの古き良き無礼な振る舞いがある。しかし、考えてもみて欲しい。少なくとも2つのグループが一緒になろうとしていて、その衝突を許容する図太い神経を私たちが持てば進展があるかもしれないということは意味があることなのだ。

Mike氏は興味深い点を指摘している。

19世紀に多くの医者は悪い血液を追い出すことが炎症や慢性病を治すと信じて瀉血を実践していた。このプラクティスはそれを実践する人の考えを新しい考え方に転換することによってではなく、次の世代のずっと現代的な医療を学んだ医者たちがその有効性を重要視しなかったことによって克服された。
幸い、私たちはアジャイルの恩恵を開発での役割として直接習得したプロジェクトマネージャの新しい世代を末必要はなさそうである。

Janice Linden氏もまたこのグループ宛にこのスライドへの活気ある反応を持ち込んでいる。

このように、PMIとアジャイルの間には隔たりが存在するが、希望の兆しはこれらのことがオープンに議論されているということであるという多くの人の意見の一致がある。Tom氏が書くように、

結局、PMIがやり直さなければならないというわけではないが、自身の振り返りを行い、どのように継続的に改善するつもりなのかを決めるべきであろう。その中には現在存在する欠如に取り組むことも含まれている。元気づけることが1つある:これ以上象を無視することを選ぶことはない、ということだ。

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