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クラウドストリーム - クラウド統合への次なる挑戦

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原文(投稿日:2010/11/16)へのリンク

Benoit Lheureux 氏は最近のポスト で,クラウドコンピューティングは次のようなものに留まらない,と記している。

... 止めどなく蔓延するクラウドサービスの無節操な利用,イノベーション,マッシュアップ,あるいはクラウドソーシング ...

氏の意見は次のようなものだ。

クラウドサービスを利用した企業は,それが管理上あるいは法律上の容易ならぬ問題を持った,非常に技術的な存在であることを知り,– そして結局は – 少なからぬ数が支援 (つまりサービスです) 提供を望むに至るのです。

結果として残るのは,

ガバナンス,インテグレーション,そしてセキュリティです。しかしこれらは,クラウドサービス (比較的容易なブラウザベースのサービスではなく,より高度な API ベースのクラウドサービス) の利用企業が取り組まねばならない問題の,ごく一部に過ぎません。

Daryl C. Plummer 氏は,クラウドサービスの統合に関する問題の解決には,クラウドサービスの仲介役が必要だという。それが,

... クラウドコンピューティングとそれが生み出す総額1兆ドルに及ぶマーケットにおける,唯一かつ最大の収益成長機会となるのです。

問題をより的確に示すため,Plummer 氏は新たに クラウドストリーム (Cloudstream) という用語を定義した。これは,

... インテグレーション,ガバナンス,セキュリティ影響点に注目するものです ... クラウドでは明らかに ... これまで以上にサービス間の統合性が必要とされます。企業は社内アプリケーションからクラウドサービスへの結合,クラウドサービスからクラウドサービスへの結合を希望しています。さらにすべての結合には,安全で管理された動作が求められます。要するに企業が望むのは,フレキシブルで明確に定義された API レベルでのサービス統合なのです。しかも各サービスに関連するデータやメッセージ,イノベーションは,ポリシによって統率されたものでなければなりません。それが クラウドストリーム なのです。

氏によると,SOA ベンダがこれまで作り上げてきたのは,

... 基本的には同じものに,とてつもなく多くの名称を付けたに過ぎません。ベンダはこれまでにも SOA ゲートウェイや XML アプリケーション,セキュリティ,SOA 管理などを提案してきました。それが今度はクラウドなのです。製品の提供形態には社内向けアプライアンスからソフトウェア,さらにはクラウドサービスもあります ... これらすべての呼び方が異なっているのは,ユーザが直面している問題は同じであるにも関わらず,その説明方法がまちまちなためです。ユーザが望むのは,内部システムから外部のシステム (SOA やクラウド) への接続です。さらにアクセスを管理し,保護し,統合することで,汎用性を持って拡張したいと考えているのです。問題なのは彼らが,自身のニーズのすべてを技術レベルで説明していることにあります。そのため対応するベンダたちも,同じように技術用語で返答することになるのです ... ですから詳細な説明がない限り,これらのベンダから1社を選択する理由を理解することは難しいのです。

Plummer 氏の主張によれば,この新しい用語は特定の API やテクノロジサポートを前提とせずに,クラウドベースサービス同士の間,あるいはクラウドベースサービスと企業との間で開閉される情報ストリーム (およびそのポリシと主な指標) を表現することで,クラウドと SOA 両方のサービス統合に関する "上位レベル" の議論を可能にするもののようだ。

クラウドサービス間の相互通信を一貫性を持って説明するには,これが唯一の方法なのです。その対象は地下にこもる技術的天才たちではありません,私たちのための相互運用性です ... クラウド統合 (Cloud Integration / CI) をパッケージ化するアイデアとしての クラウドストリーム は,このような仲介を行うベンダに対して,まさにビジネスチャンスの揺るぎない流れ (ストリーム) への門を開くでしょう。そしてクラウド (すなわち SOA) サービスへのアクセス方法は,技術的な詳細部分を抽象化した上で,企業のソリューションにおける利用の文脈で考慮されるべきものなのです。そのことを忘れない限り,クラウドストリーム には存在する価値があります。アプライアンスや特定のテクノロジへの支持を求めるのではなく,ソリューションの一環としての統合の成果に目を向けてください。

氏の投稿に対して K. Scott Morrison 氏は,次のような 指摘をしている

Daryl が指摘した問題は,多くの企業において ... 基本的にビジネスの問題であるものの解決が,テクノロジに先導されている点にあります。技術はこのゲームでは脇役に過ぎないのです ... しかし,無限とも思える機能リストを目の当たりにしたほとんどのユーザには,どのベンダも同じように見えてしまいます。こちらのサービスには WS-Security Kerberos Token Profile に準拠する Kerberos があるが,あちらには SSL 用の特別な暗号スィートがある,といった具合です。機能リストだけを比較しているうちに,解決すべき問題が単に Salesforce.com への結合だった,というような事実を忘れてしまうのも無理からぬことです。Daryl の提案する クラウドストリーム の意図は,統合に関する議論のレベルを上げることにありますが,それは技術指向のユーザが最終的に望む詳細情報とのトレードオフを意味するものではありません。

SOA が崩壊した理由のひとつは,ベンダが主導して技術によるビジネス問題解決を試みたことにあった。クラウドストリーム のより総合的なアプローチが,これと同じ轍を踏まないように願いたいものだ。

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