Eclipse Geminiウェブコンポーネントと共に、Eclipse Virgoの最初の正式リリース版が、2010年11月1日にリリースされた。Eclipseという名で最初のリリースであるにも関わらず、これらは評判の良いSpring DM Serverをそのまま進化させている。新機能のリストは Virgo と Gemini Webのリリースノートで参照できる。
Eclipse Virgoはカーネルを提供する。このカーネルは、Eclipse Equinox上で動き、OSGiベースのアプリケーションを動かすのに利用できる。単純なEquinoxやFelixのランタイムとは異なり、Eclipse Virgoは、同じフレームワークにインストールされている他のアプリケーションとOSGiのアプリケーションを区別するために、ネストされたフレームワークの概念を使う。バンドルは、ローカルシステムかリモートのホルダを参照する1つかそれ以上のリポジトリから解決される場合もある。
Eclipse Virgoは、PAR ファイルという非常に役に立つ概念を持つ。これは、OSGiバンドルのアーカイブで、ランタイムにアトミックにインストールできる。TomcatのようにウェブサーバにWARをドロップしてインストールすることに慣れている人たちにとって、Virgoと共にOSGiに移行することは、EquinoxやFelixに直接取り組むよりも、すぐに使えるより簡単な経験となるだろう。
Whilst Virgoはカーネルの名前で、Eclipse GeminiプロジェクトからGemini Webコンテナと共に出荷されている。これはOSGiエンタープライズウェブバンドルの仕様を実装し、OSGiウェブバンドルはPARとほとんど同じ方法でインストールできる。これらのWABは基準が定められたフォーマットであり、(今のところ) 独自仕様のフォーマットにとらわれる必要もなく、Virgoを使用する方法を提供する。Apache Ariesは同様のEBA フォーマットだ。将来のOSGi仕様は、将来基準となる簡単にインストールできるコンポーネントを作るこれらのアプローチから、最高のものを選ぶことになるだろう。
さらに、Virgoのカーネルは、既存のSpring DMインフラストラクチャをサポートする。これには、OSGiサービスに基づく動的ワイヤリングを含み、Hibernateのようなレガシライブラリをサポートする。HibernateはOSGi環境で使われる場合にひどく混乱するが、段階的なアプローチでHibernateから移行したい人たちにとって、OSGiの設定の中でVirgoがHibernateをサポートしていることは、OpenJPA や EclipseLinkなどのOSGiをサポートするバック環境に移行するのに役に立つ足掛かりとなるだろう。
SpringSource Tool Suite は、Virgoにコンテンツの作成と展開のサポートを提供する。しかし、Mavenベースのゴールも、ビルド、パッケージング、そして、不完全な方法でVirgoのランタイムにバンドルとPARをインストールするために使われる。
今後の計画には、OSGi JNDIやJDBCのサポートなど他のGeminiコンポーネントも含まれる。Whilst Eclipse Virgoはカーネルと管理的な面に集中し、Eclipse Geminiプロジェクトは、OSGiのエンタープライズ仕様の実装を出し続けるだろう。
Spring DM Serverが最初にリリースされた時、素晴らしい称賛を得た。しかしながら、もしかしたら企業環境において魅力のないGPLのために、SpringSourceが期待していたほど広く取り込まれなかった。今では、そのコードはEclipseの一部となり、Apache License とEclipse Public Licenseの2つのライセンスを持っている。レガシのSpringベースとHibernate依存のエンタープライズコードを移行するための機能を組み合わせることで、Eclipse Virgoは、近い将来、開発者の興味を強く引くことになるだろう。