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ドアを閉じる WS-I - それが WS-* に意味するものは?

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原文(投稿日:2010/11/11)へのリンク

意見記事 : Web Services Interoperability Organization (WS-I) は組織のミッション完了と 今後の活動の OASIS への移行 を発表した。最新のプレスリリースによれば,

WS-I メンバによって承認された最後の資料である Basic Profile (BP) 1.2 と 2.0,Reliable Security Profile (RSP) 1.0 のリリースにより,WS-I の組織としての最終マイルストーンが達成されました。この3つのプロファイルの公開に伴って,WS-I はその活動に終止符を打ちます。WS-I の資産,業務とミッションは,オープン標準開発と普及を推進するテクノロジベンダと顧客の組織である OASIS (Organization for the Advancement of Structured Information Standards) が引き継ぐことになります。

今このタイミングでなかったとしても,標準化団体によるこのような声明ならば特段の異論もなく容認されるはずだ。しかしながら REST の興隆 や SOA に対する様々な非 WS アプローチ,さらには WS-* 標準の大部分を WS-I がカバーできていない 現状を考えたとき,今回の発表は Web サービスがその誕生から 10 年以上を費やして到達した,新たなポジションを反映したものだとは言えないだろうか? おそらくはこの数年間,各 WS-* ワーキンググループ内で相互接続性以前にも増して重視されてきたことの,必然的な結果なのではないか? あるいは異種 SOAP 実装間の相互接続はすでに過去のことなのだろうか?

これまでの WS-I の成果,例えば Basic Profile などが現在の Web サービスの世界 において,ごく一般的な選択肢 として 認知されている 現実はある。しかし過去数年を振り返ってみても,WS-Atomic Transaction や WS-BPEL のように WS-* スタックを標準にまで昇華させようという動きは見られない。OASIS の Laurent Liscia 氏は次のように言う。

"Web サービス相互接続性に対して WS-I が果たした偉大な貢献は,今後の IT においても重要な役割を担い続けるでしょう。特に情報アクセスの信頼性を求められるクラウドコンピューティングにおいて,それが持つ意義は重大です。WS-I から OASIS への移行が完了したならば,成果を保護するだけでなく,そのミッションをさらに進めることが期待されます。"

... 進展の余地は残されているだろうか。あるいは WS-I が代表する WS-* コミュニティは現状に十分満足していて,さらなる異種通信は REST など他のアプローチを通じて実現されていくのだろうか? 答を出せるのはもちろん時間だけだ。しかしながら,相互接続性が非常に重要な要件であると同時に,達成が困難な目標であるという現実に変わりはない。事実,SOA Manifest に代表される最近の活動では,SOAP を必須としない相互接続性と SOA が重視されているのだ。Stefan Tilkov 氏の意見 では,

SOA とは,統合プロダクトやデータ転送ツール,ダクトテープなどを使用して行う事後的なシステム統合ではなく,設計当初から相互接続性を念頭に置いたサービス構築を指向するものです。統合は特別なものではありません。ルールなのです – 別の表現をすれば,相互運用性とはそもそも ("別々のシステムを接続して運用する" という意味での) 統合はもはや必要ではない,という意味なのです。その実現には REST と HTTP がもっとも適切な手段である,という意見は驚くものではないかも知れません。しかしどういう理由からか,この見方に同意してくれるグループはこれまでなかなか現れませんでした:-)

それでも疑問は残る – WS-* の相互接続性はWS-I によって十分達成されていて,今日の標準仕様が開発されるやり方で今後も発展していくのだろうか。それとも真の相互接続性とは,今は注目されていない他の分野への挑戦から得られるものなのだろうか?

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