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ガートナー:IaaSクラウドとWebホスティングプロバイダのマジック・クアドラント

原文(投稿日:2011/01/27)へのリンク


Gartnerは最近あらかじめ定められた基準に適合したIaaSクラウドやWebホスティングサービスに関するマジック・クアドラント を発表した。 その基準は以下である。
 

  • アプリケーション開発やアプリケーションメンテナンス、他のアウトソーシングをバンドルすることを必要とせず、スタンドアローンのサービスとしてオンデマンドホスティングを販売していること。
  • そのサービスがエンタープライズ向けであること。つまり、毎日24時間週7日の顧客サポート(電話サポートも含む)、サービス内容合意書(SLA)、単一サーバの能力にとどまらずアプリケーションをスケールできる機能を提供していること。
  • 市場の存在感が大きいこと。つまり、2009年のWebホスティング関係の収益が最低でも5,000万ドルあるか、2010年のオンデマンドホスティングのランレート売上が最低でも2,500万ドルあることが示されていること。
  • 全世界的な存在感が実証できること。北米、西欧、アジアのそれぞれに参照となる顧客を持っていること。北米と、西欧またはアジアにデータセンターを持っているか、顧客からのホスティングによる収益の最低でも20%を本社がある地域の外から得ていること。

このレポートでは、大きく2つの顧客タイプがあることが示されていて、1つはWebホスティングの顧客、もう1つはIaaSクラウドサービスのアーリーアダプターである。Gartnerは、5年以内にプロバイダが複数のプラットフォームの代わりにサービス品質の複数の階層を持つ単一の統一型アーキテクチャを提供するようになり、そのときにはこれらの2つの市場は完全に1つに収束するだろうと予測している。

このレポートはGartnerの"IT再考:2011年のアジェンダ"と名付けられた2011年版CIOアジェンダサーベイに続くもので、このサーベイには、企業または公共部門において50か国、38業界で計1,600億ドル以上を使っている2014人のCIOからの回答が含まれている。 サーベイの結果から、今後5年間でCIOの43%が何らかの形のクラウドサービスを採用し、その半数以上が効率化とビジネスへのインパクトを高めるために新しいインフラストラクチャ技術にお金をかけそうだ、ということが明らかである。 このデータはIaaSクラウドはホスティングのアウトソースの近未来であることを明確に示唆しているが、Gartnerは、どのベンダーが長きにわたって有望であるかを予測することが難しいため、ユーザにこの急速に発展する市場に注視するようアドバイスしている。 

マジック・クアドラントはクラウドアウトソーシングホスティングの3つの一般的ユースケースに焦点を当てている:
 

  • 自己管理型IaaS。 このサービスの顧客は、独自の設備を購入しコロケーションしたり独自のデータセンターに置く代わりとして自分たちで設定し、自分たちで管理するタイプのコスト効率がよいインフラストラクチャを探し求めている。これはテストや開発環境のような基本的ニーズを満足させ、また顧客が自分たちで管理したがるような非常に複雑なアプリケーションも提供するかもしれない。IaaSクラウドはコストの節約、キャパシティの柔軟性、迅速な設定と立ち上げ、シンプルな設定と管理、自動化の容易性を提供する。
  • 軽量管理型IaaS。 このサービスの顧客は自己管理型IaaSのすべての機能を求めているが、運用に対して完全に責任を持とうとは思っていない。通常、OSのパッチ管理を含むOSレベルの管理を要求し、同様に管理されたセキュリティサービスも要求する。これらの管理機能の多くは将来は自動化されたサービスとして提供される可能性があるが、現時点では、一般にサービスプロバイダで人が介在する必要がある。軽量管理型IaaSはGartnerの顧客が調達しようとしている最も一般的なシナリオとして圧倒的な支持を得ている。
  • 複雑管理型ホスティング。 この顧客には伝統的なWebホスティングのニーズがある。このタイプの顧客にはさまざまな複雑さ、拡張性、変更の度合のものがある。主流の顧客は、企業Webサイトやインタラクティブなマーケティングをするものや、インターネットポータル、コラボレーション、サプライチェーンマネジメント、e-チャネル顧客関係管理(e-CRM)をするもの、小さな規模のe-コマースをするもの、そして、小さなSaaSベンダー向けのホスティングなどである。ハイエンドの顧客は一般に複雑度が高く、変更の頻度も多いリッチインターネットアプリケーションを持っていて、高いスケーラビリティ要求と柔軟なキャパシティ要求も持っている。これらの顧客は、複雑なe-コマース、SaaSアプリケーション、オンラインゲーム、"Web 2.0"ビジネスといったかなり動的なサイトを持っているのが普通である。

地域の観点から見ると、アメリカのIaaSクラウドプロバイダは彼らの提供するクラウドサービスの範囲においてその道を開いた。次のマジック・クアドラントが調査の結果のまとめとなっている:


Gartnerはこのレポートの年半ばでのバージョンをリリースする予定である。そこでは、クラウドサービスプロバイダのなかでも自己設定型仮想データセンターのセグメントにだけ焦点を当てたものになる予定である。
 

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