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JetBrains が appCode (CIDR) EAP を発表 - Mac および iOS 開発用 Objective-C IDE

原文(投稿日:2011/04/05)へのリンク

JetBrains は本日,Objective-C 用 IDE "appCode" 完全機能版の早期提供プログラム (Early Access Program / EAP) を一般に公開した。

主な機能は以下のとおりだ。

  • コード補完機能を備えたスマートエディタ
  • Xcode プロジェクトの新規作成とオープンが可能 (Xcode 4 にも対応)
  • 標準 Interface Builder との統合
  • iOS シミュレータによるアプリケーション実行
  • ブレークポイント,変数参照,ウォッチ,式評価の機能を備えたデバッガ
  • ‘シグネチャ変更&’,‘メソッド抽出’ などのリファクタリング機能
  • オンザフライ・コード解析とクィックフィックス提示機能
  • バージョン管理システムとの緊密な結合 (Subversion,Git,Perforce,CVS) 

InfoQ ではこの新しい IDE について,JetBrains の Maxim Shafirov 氏に質問する機会を得た。

InfoQ: appCode の開発を決定した理由は何でしょう?

Maxim: 私たち JetBrain は,デスクトップアプリケーションにおいて,さらには広くコンシューマ対象ソフトウェアにおいて,Apple の行った功績をすばらしいものと考えています。彼らは操作デザインにおいて,新たなスタンダードを確立したのです。ただしそれは,開発ソフトウェアに関しては当てはまらない,というのが当社の意見です。ですから私たちは,すばらしいソフトウェアとはどうあるべきかを理解して,生産性とコード品質に腐心している開発者たちに向けて,JetBrains の持つ開発ツールエクスペリエンスをこの新たな市場に導入する大きなチャンスがある,と考えたのです。

InfoQ: appCode を開発する上では,主にどのような課題があったのでしょう? Apple からの協力はありましたか?

Maxim: 課題は Objective-C です! この言語はもともと, C 言語にヘッダファイルを基本としたモジュール構造や,マクロ処理などを追加したものでした。近代的な IDE にふさわしいレベルのコード解釈処理をユーザに提供する上で,すべての要素をオンザフライで解析し処理するために,私たちは非常にスマートなトリックをいくつも開発しました。今までのところ Apple とは連絡を取っていませんが,これから援助を得たいと思っている部分はあります。具体的には,デバイスのデバッグに関してです。

InfoQ: appCode はすべての Mac 開発に,つまり iOS と MacOS のいずれにも使用できるのでしょうか?

Maxim: もちろんです。現在の EAP は,大規模な Mac OS プロジェクトのビルドが少し遅いのですが,それでも,ほら,まさにこれが最初の EAP です!

InfoQ: appCode と Xcode を比較して,もっとも大きく違う機能,開発者にとって有益な機能は何だと思われますか?

Maxim: 基本的な機能は,他の IntelliJ ベースの IDE と変わりありません。コードナビゲーション,オンザフライのコード解析,クィックフィックス,操作ヒント(Intention Action),リファクタリング,スマートエディタといったものです。

InfoQ: Apple が独占している市場で競合することについて,彼らは何と言うでしょう? これまでのテスタあるいは開発者からの反応はどうでしたか?

Maxim: まず最初に,iDevice と Mac にインストールされる iOS および Mac OS 用アプリ – これが Apple の主要なマーケットなのです。開発者向けアプリではありません。ですから私たちは,appCode を使ってすばらしいアプリが開発されることが,Apple にとってよいことだと考えています。
率直に言って,初期の非公開 EAP ビルドは品質的に極めて低く,機能も不完全でしたが,それでも最初の反応はとても肯定的なものでした。詳しいことは話せないのですが,Apple の App Store の人気プログラムの中にも,すべて appCode で開発されたものがいくつかあるのです!

InfoQ: アプリケーションの開発には,Xcode や Apple の開発インフラストラクチャも必要になりますか?

Maxim: はい,Xcode 3 または Xcode 4 をインストールしておく必要があります。最低でも Xcode に付属しているプラットフォーム SDK と Interface Builder,それからデバイスシミュレータが必要です。

InfoQ: appCode を使用する上で,どのような制限がありますか? 動作対象は MacOS のみでしょうか?

Maxim: はい,Mac OS X でのみ実行可能です。理由は先ほど述べたとおり – Xcode が必要なためです。

InfoQ: Xcode のプロジェクトファイルを置き換えることも可能だったのではないでしょうか?

Maxim: いいえ! 今のところは,appCode のアーリーアダプタたちが,プロジェクトをいつでも Xcode に移して,開発を続けられるようにしておくことが重要だと考えています。Xcode から appCode へのスイッチについても,追加設定なしで行えるようにしておきたいのです。そのために私たちは,Xcode のプロジェクト構造をそのまま使うことにしました。appCOde では Xcode プロジェクトの新規作成とオープンが可能です。

InfoQ: appCode のロードマップとライセンスについて教えてください。価格に関する情報はすでにあるのでしょうか?

Maxim: そうですね,公開 EAP がリリースされたばかりですので,ユーザの意見を注意深く聞きたいと思っています。それによって計画が大きく変わるかも知れませんし,変わらないかも知れません。まずはそれからです。価格設定については検討中ですが,手頃なものになることは確かです。

InfoQ: 詳細に即答いただいて,ありがとうございました。

 

appCode についてのより詳しい情報は,JetBrains のブログ および appCode フォーラム を参照するか,あるいは twitter で jetcidr をフォローすることで入手可能だ。

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