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Software AGにおけるTerracottaの将来について、Ari Zilka氏との対話

原文(投稿日:2011/06/03)へのリンク


5月23日、金額は明らかにされていないが、Software AGがTerracottaを買収した。5月23日早く、TerracottaのCEO、Ari Zilka氏は主にユーザとJavaの将来について書いたメモをTerracottaコミュニティ全メンバーに向けて送った。InfoQは、こうした変化と開発者コミュニティが近い将来どんなことを期待できるのか、Ari Zilka氏から詳しい話を聞く機会を得た。

InfoQ: Terracottaに関して、Software AGは一番最初に思い浮かぶ会社ではありませんね。今回の結婚はどうして実現したのでしょう?
Ari Zilka氏: Software AGとTerracottaが最初に会話を始めたとき、結婚は目的ではありませんでした。Software AGはほかの製品でも使えるWebMethodsのための次世代キャッシュとクラスタリングについて、私たちに話しました。話し合っているうちに、私たちは同じミッションを抱えていることがわかりました。それは、企業向けアプリを動かすデファクト環境になるような、弾力性のある次世代プラットフォームを提供することです。パブリッククラウドやプライベートクラウドについて話したわけではありません。キャッシングやメッセージ指向アーキテクチャについて話したわけではありません。サービス指向やNoSQLについて話したわけではありません。それに関するあらゆることについて話したのです。
Software AGはクラウド可能なプラットフォームを構築するために、Terracottaに大きな潜在力があると考えました。またSoftware AGはオープンソースに価値があると考えました。多くの企業向けソフトウェア会社が利益を得ることよりも、数的に大きなユーザコミュニティと感情に訴えるコミットメントに価値があると考えたのです。たくさんの支持者との対話があることは、共同チームとして進むべきところに到達するために非常に役立ちます。マーケットに夢のようなプラットフォームを提供するのに十分な規模を持ち、同時にそのプラットフォームにおける私たちの役割を高められるような会社と手を組む絶好の機会だと、私たちは考えました。お互いの顧客と私たち自身にとって、申し分ありませんでした。

InfoQ: あなたのSoftware AGにおける新しい役割と責任は何でしょうか?
Ari Zilka氏: 私は今、Software AGにおけるTerracottaのCTOです。以下に責任をもっています。
1.    Terracottaの既存のビジネスラインの構築を継続するとともに、オープンソースのEhcacheとQuartzにもっと力を注ぐこと
2.    Ehcache、Quartz、BigMemory、Terracotta Server ArraysをSoftware AGの既存のプロダクトラインに統合するのを助けること
3.    次世代クラウドプラットフォームの設計と実装を担う大きなグループのメンバーとして参加すること

InfoQ: いろいろなブログでの関心事のひとつは、Software AGの開発者コミュニティに対する取り組みです。何か変化があると思いますか?
Ari Zilka氏: はい、変化はあるでしょう。いい意味での変化です。Terracottaの頃に見てきたよりも取り組みは改善されるでしょう。私たちはオープンソースにどれだけ真剣に取り組むか、オープンソースプロジェクトにどれだけ価値を提供するか、に誇りを持っていますが、私たちは今やもっと大きな使命があると思っています。コミュニティとの時間をもっと割いて、この新しいクラウドプラットフォームとJSR107のような標準によってJavaをどこへ持っていくのかについて話し合う必要があります。Greg Luck氏はほかのベンダーとともに、ベンダー中立な議題を推進するよう、Javaプラットフォームにおけるデータ管理のロードマップ策定に多忙を極めています。あなたは私たちがオープンソースに倍賭けしていると思うかもしれませんね。その点について、疑問の余地ありません。
私たちの目標は、ペタバイト規模のソリューションを顧客に提供することです。そして、データ管理における新しい最新の標準を定義して、コミュニティを導くことです。

InfoQ: オープンなPaaSの提供について、近い将来、何か共有することはありますか?
Ari Zilka氏: 私たちは統合技術ロードマップに取り組んでいます。6月27日から29日に開催されるProcessWorld Orlandoでさらに情報共有できるでしょう。楽しみにしておいてください。

InfoQ: 既存のWebmethods BPMSおよびSOAスタックと、コミュニティが期待するARIS、Natural、Adabasといった製品との統合にはどんな可能性がありますか?
Ari Zilka氏: 短期的には、TerracottaをできるだけすばやくSoftware AGの既存のプラットフォームに統合することを考えています。
もうすぐ具体的なお約束ができるでしょう。今のところ、既存のSoftware AG製品のインメモリに保持された莫大なデータを見ることを非常に楽しんでいます。何年もの間、Software AGはEhcacheを使ってきました。そのため、すぐに、BigMemoryやTerracotta Server Arraysを、WebMethods Integration ServerやCentrasite、ARISなどにはめ込めると思っています。こうした製品は、Javaで書かれた他製品と同様、チューニング不要のデプロイメントとマイクロ秒の遅延でデータベース全体をインメモリにキャッシュする能力を享受することができるでしょう。

InfoQ: 過去1年間にわたり、SAPは自らのインメモリコンピューティングプラットフォームHANAをプロモートしてきました。そして先週、HANA AppCloudを発表しました。それとの比較について、InfoQの読者に伝えたいことはありますか?
Ari Zilka氏: SAPもインメモリクラウドスペースに力を注いでいるという事実は、この種のソリューションに大きな可能性と顧客要求があるという証拠です。
 

 

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