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Ken Schwaber氏とJeff Sutherland氏、スクラムガイド改訂版をリリース

原文(投稿日:2011/07/27)へのリンク

Scrum Guideスクラムの共同開発者であるKen Schwaber氏とJeff Sutherland氏は、2010年2月に発行したスクラムガイドの最初の改訂版をリリースした。この改訂版では、戦略や技法についての詳細は取り除かれ、スクラムのフレームワーク、ルール、儀式に焦点が当てられている。付随するScrum Update Documentには、スクラムフレームワークの細部を明確にした改良点について説明されている。

スクラムガイドの改訂版はWebサイトScrum.orgから入手できる。最後のページ、17ページには、2010年2月に発行されたものとの違いが説明されている。

この2011年7月11日版は2010年2月版と異なるところがあります。特に、技法やTips、ベストプラクティスをスクラムのコアから外すことにしました。今後、私たちの経験を提供するために「ベストプラクティス」の概要に着手するつもりです。

もうひとつのドキュメントであるScrum Updateには、今回の変更点について詳しく説明されている。そこには変更に至る背景も記載されている。

スクラムには3つの役割、すなわち、プロダクトオーナー、スクラムマスター、チームメンバーしかないことを明確にした。以下の説明によると、チームメンバーはすべて開発者と呼ばれる。

インクリメントを作成するという作業を実行する人からなるチームが開発チームです。個々のチームメンバーが実行した作業の有無にかかわらず、彼らは開発者と呼ばれます。

スプリント計画でなされた計画はコミットメントとして見られることが多い。次の説明では、たとえ短期的なスプリントであっても、学習が進むにつれて計画を修正できることを明確にしている。

開発チームはスプリント計画ミーティングで計画された作業を完了させることをコミットしません。開発チームは達成できると信じる作業見通しを作成しますが、スプリント期間中にいろいろわかるにつれ、見通しは変わります。

この2年ほど、進捗を監視するのに、Cumulative Flow Diagrams (CFDs) が従来のバーンダウンチャートを補ったり、代わりに使われてきた。以下の説明によると、CFDs、バーンダウンといった追跡手法は、日次ベースで残作業進捗を報告する限り、等しく有効である。

スクラムにおいて進捗を監視するのに、バーンダウンチャートは必須ではありません。スクラムに必要なのは以下のものだけです。
  • 日次ベースでスプリントの残作業がまとめられ、全員に周知されること。
  • スプリント期間中、スプリントの作業完了に向けた動きが持続していること。

ほとんどのチームはリリース計画のようなものを実施しているが、次の説明によると、リリース計画はスクラムフレームワークに必須ではない。とりわけ短期間の取り組みにはそうだ。

スクラムを使うとき、リリース計画はやるべき有用なことですが、スクラム自体に必須というわけではありません。

多くのチームがツールを使って、さまざまなバックログのレベル(例えば企業レベルからチームレベルまで)に複雑な関係を作るようになって、プロダクトバックログとスプリントバックログの差異がぼんやりとしてきた。以下の説明によると、スプリントバックログとは、単にプロダクトバックログの項目のセットであり、それらを実現する計画と合わせて、スプリントを構成している。

スプリントバックログは、スプリントのために選択されたプロダクトバックログの項目に、それら項目の実現計画を追加したものです。もはや「スプリントバックログの項目」という概念は必須ではありませんが、この技法を使うことですぐれた計画ができます。自己組織化された開発チームには必ず計画があります。

プロダクトバックログの優先順位付けという概念は、機能は技術的側面やトレードオフを無視して、純粋にビジネス価値の順にリリースされることを暗に意味してきた。以下の説明では、マーケットに対する順序の全体的な視点を表現するために、「優先順位付け」という言葉の代わりに「順序付け」という言葉を使っている。

プロダクトバックログは「優先順位付け」されているのではなく「順序付け」されています。こうすることで、プロダクトオーナーは個々の状況における価値を最適化できるよう、柔軟性を得ることができます。

新しいガイドについてどう思ったか、上記のような説明をどのように考えるか、是非教えて頂きたい。

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