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期待の//Build/セッション

原文(投稿日:2011/09/14)へのリンク

//Build/カンファレンスでは274ものセッションが開かれ、どのセッションが今後にとって重要なものであるのかを予想するのは難しい。この記事は、我々InfoQが企業向けアプリケーション開発者にとって重要だと考えているセッションの概要報告である。

Windows 8アプリケーション

まず、最も重要なのは“Windows 8以降のための準備”だろう。このセッションでは、デスクトップアプリケーションをMetroスタイルのアプリケーションと共存させる方法や、今あるアプリケーションにMetroのコンセプトを適用するテクニックを学ぶことができる。

Microsoftのアプリケーション統合への注力は、いくら強調しても足りないほどだ。アプリケーションをWindows 8の一級市民(first class citizen)にするには、WinRTによって公開されるアプリケーション間統合ポイント“チャーム”を、アプリケーションがサポートする必要がある。ShareSearchDeviceといった主要なチャームについては、それぞれ独自のセッションが開かれる。

リアルタイムコミュニケーション:実行中でもサスペンドされた状態でもMetroスタイルアプリケーションの接続状態を保つ”も、企業向けアプリケーションの開発者がチェックしておかなければならないセッションの1つだ。モバイルデバイス上のアプリケーションのように、Metroスタイルアプリケーションはバックグラウンドで動かない。一度ユーザーが別のプログラムに切り替えると、バックグラウンドに移ったアプリケーションは5秒以内にサスペンドされるのだ。このセッションでは、上記のような環境下でリアルタイムコミュニケーションをサポートするために必要となるテクニックを紹介する。

またしてもMicrosoftはユーザー認証の中心になろうとしている。これは以前にも、実際には何度も何度も聞いた話だ。だから、ユニバーサルシングルサインオンを提供するためのMicrosoftの努力について多少の疑いがあっても大目にみよう。しかし、もしあなたが誰かの認証から開放されることに興味があるなら、Live SDKを使えばよい。認証に加えて、Liveサービスはデバイス間のドキュメント、写真、ビデオ、コンタクトの同期の処理も行う。これについてのセッションが無くて寂しく思っているのであれば、プラットフォームのトラックには、“アプリケーションデータローミングを掘り下げる”というタイトルのセッションがある。

XAMLとHTMLの両方を使った、Metro UIのデザインと開発についての多くのセッションも開かれた。Windows Phoneについてのセッションは2、3だけで、WPFやSilverlightにいたっては全くセッションが開かれなかった。しかし、だからといって、これらがMicrosoftの中で既に廃れたテクノロジだということではない。このカンファレンスのタイミングでは、労力の大部分がWindows 8の新しいUIに向けられたということだ。

プラットフォーム

非同期はMicrosoftスタックのいたるところで非常に重要である。基盤のレイヤーでは、50ミリ秒以上かかることが予想される処理を呼び出すための非同期関数をWinRT APIが提供する。この哲学は、これまでのC++やC#、VB、JavaScriptの非同期サポートから持ち込まれたものだ。“あらゆる箇所での非同期:レスポンスのよいAPIとアプリケーションの作成”というセッションは、このコンセプトについて詳しく解説しているセッションの1つである。

WinRT APIは別の種類のネットワークスタックを公開している。アプリケーションと様々なサードパーティ製のサービスとの連携を担当している企業向けアプリケーションの開発者にとって、“Windowsランタイムソケットアプリケーションの構築”に関心があるだろう。このセッションでは、新たなWindowsランタイムソケットAPIをどのように使うのか、基本的なシナリオと、HTTPプロキシトラバーサルのような複雑なシナリオの両方について解説されている。

アプリケーションの配信は、企業向けアプリケーション開発者にとって最も大きな課題の一つである。Webベースのインターフェースにしない限り、ユーザーが正しいバージョンのアプリケーションを使っていることをどのように保証するか、常に考えなければならない。“Metroスタイルアプリケーションのインストールとアップデート”では、Windows 8でこの課題に対処する方法について解説している。

ツール

もしあなたが、.NETやJavaの代わりにC++を使っているのであれば、C++コード分析のセッションは特に役に立つだろう。統合されたコード分析は、昔からプロの.NET開発者にとって要であり、Visual C++への追加は大いに歓迎すべきことだろう(もちろん、PC-Lintのようなサードパーティ製のプロダクトは既に存在するが)。

次のバージョンのTeam Foundation Serverには、コードレビュー機能やシームレスなオフラインのサポートが追加されるようだ。

Web

オフラインストレージSVG/CanvasWebワーカーといったHTML 5についてのセッションは、Microsoftが今もなおWebのルネサンスへの参加に全力を注いでいることを表している。

ASP.NET 4.5のWeb Formsは、HTML 5やCSS 3、JavaScriptのより優れたサポートを提供する。Web FormsがASP.NET MVCから継承した新たなデータバインディング機能についてのセッションもある。

Microsoftが推奨しているWCF RIA Servicesは、Silverlightアプリケーションのバックエンドを構築するための方法というだけでなく、データ駆動型のHTML 5サイトで使われるフレームワークとなりつつある。

ハードウェア

このトラックは普通、企業向けアプリケーション開発者の役には立たないが、今回はいくつか素晴らしいセッションがある。その内の一つが、ユーザーが信頼できない家のPCから会社へVPN接続することに関する問題を解決する、“Windows To Go”だ。これにより、開発者やITスタッフは、必要な全てのソフトウェアがプレインストールされたWindowsを構築し、USBメモリに入れてユーザーに渡すことができる。サインインする時にWindows 7もしくは8のPCに単純にアタッチすると、通常のOSの代わりにUSBメモリ内のWindowsが起動する。

サーバーとクラウド

このセッション、“Windows Server 8のアプリケーションはGUIなしで動くべきだ- 今こそ学ぼう”は、まさに読んで字の通りだと思う。もしあなたがまだそれについて学んでいないのであれば、今こそPowerShell APIのデザインを学び始める時だ。

セッションの詳細によれば、“Windows Server 8はプライベートクラウドやパブリッククラウドを構築するためのIaaSのサポートに最適化された初めてのOS”である。この意味については、“プライベート、パブリックIaaSクラウド構築のためのWindows Server 8の利用”で語られている。

連続可用性をテーマにしたセッションは6つある。それらの半分はNASやリモートファイルストレージを含むストレージの選択肢を取り扱っている。

NoSQLやビッグデータに興味のある人向けには、LINQ to HPCというセッションがある。これは開発者に“LINQプログラミングモデルとHPCスケジューラを利用し、マシンクラスタを横断して最適化されたクエリグラフを実行すること”を可能にする。

もちろんWindows Azureもカバーされているが、裏話がいくつかあるものの、これについては基本的にMicrosoftのカンファレンスで毎度見るような標準的なものである。

HTML 5やWCF RIA Servicesについて言えば、3日間に渡って

http://www.buildwindows.com/Sessions

もあり、最も重要なものを見出すのは難しい。

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