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Team Foundation Server 11 のアプリケーションライフサイクル管理

原文(投稿日:2011/09/15)へのリンク

Team Foundation Server 11 には,アプリケーションライフサイクル管理の分野で多くの機能が追加されている。注目すべきなのは,イタレーション/スプリントおよびリソース割り当てに関するサポート向上,サードパーティ製テストフレームワークのサポート,能力面で大きく改善された依存性グラフなどだ。

要件収集

Microsoft の見解では,要件はストーリーボードから開始される。それを促進する手段として提供されるのが “PowerPoint Storyboard” だ。基本的には,Visual Studio がターゲットとするさまざまなデバイスフォーマットに固有のテンプレートとシェイプを備えた PowerPoint である。

PowerPoint が選択されたのは,もっとも多くの人たちがその操作に慣れ親しんでいるからだ。Microsoft が必要としていた,あるいは必要になるであろう機能の大部分 (テーマやスニペット,テンプレートなど) は,PowerPoint がすでに備えている。

機能チームとバックログ

TFS 11 は機能チーム (Feature Team) とバックログをサポートする。機能チームとは,共通のバックログから作業を行うチームの部分セットである。これは開発者が作業項目の割り当てを待つのではなく,バックログから自身で選択できる,という考えに基いている。

優先順位付け,イタレーション,キャパシティ

以前のバージョンの TFS では,イタレーションはドロップダウンボックス以上の意味を持っていなかった。しかし TFS 11 では,多くの機能を推進する最優先のコンセプトになっている。作成したイタレーションには日程範囲が指定されているので,TFS およびそれを利用する開発者がそのスプリントの開始と終了を確認できる。

開発者が作業項目に見積を追加すると,ユーザインターフェースが作業負荷を自動的に再計算する。作業負荷の過大な開発者があればフラグが設定されて,スプリントの延期が必要なことをリーダが認識できるようになっている。

依存性の追跡

Visual Studio 10 にも簡易的な依存性グラフの描画機能があったが,ソリューション対象が大規模化したために用を足さなくなってきている。ビューが開かれるたびに再計算が必要なために,ツールというよりもノベルティ的な存在なのだ。

Visual Studio 11 の同機能では,最初にはアセンブリレベルの依存性だけを表示するシンプルなグラフが表示される。そこを起点として,ユーザが適当なレベルにドリルダウンするのである。

1. アセンブリ

2. ネームスペース

3. クラス

4. メソッド

VS 10 とは違ってグラフの背後にあるデータはキャッシュされているので,ドリルダウン結果はすぐに表示される。

注:このツールを使用するためには,コード内で依存関係を可視にしておくことが必要だ。動的型付けを用いたり,すべての具象クラスをインターフェースの背後に隠しているような場合には,ツールは本当の依存関係がどのようになっているのかを判断できない。

作業の中断

作業を中断した時には,開発者の手元にチェックインのできない部分的に完成したコードが存在することがよくある。TFS 11 では進行中の作業内容を,特定の作業項目に関連付けられたシェルフセット (shelf-set) に格納することができる。

コードレビュー

開発者が Visual Studio 内部から直接,コードレビュー要求を生成できるようになった。

開発者がコードレビューを開始すると,それが更新ファイル一覧として表示される。任意のファイルをクリックするとコード内容が "マージビュー" 形式で表示され,インラインまたはサイド・バイ・サイド形式で変更内容を確認することができる。レビューアはソース行を右クリックしてコードにコメントを追加したり,コードレビュー要求に添付された質問に対して直接返答することも可能だ。

一般的にコードレビューは,変更セットではなくシェルフセットを対象として実施する。この方法でレビューを希望した開発者は,ブランチにコミットして他のメンバにコードを提供する前に内容を更新することができる。

障害解析

バグは通常,単独で発生することはなく,さらに大きなパターンのひとつであることが普通だ。バグをフィックスした開発者は "一致するクローン検索 (find matching clones)" を使用して,同じパターンに従っている他のコードを確認することができる。

ユニットテスト

以前にもレポートしたように,新しい Visual Studio では任意のユニットテストフレームワークを実行できる。Microsoft は NUnit や xUnit など,もっとも一般的なフレームワークに必要なフックの提供を予定している。その他のフレームワークについても,必要なコントラクトを実装することは可能なはずだ。

手動テスト

テストを手動で行う場合,TFS によってアプリケーションの挙動を記録することができる。取得された情報は,テストセッション中に生成された任意のバグレポートに関連付けることが可能だ。

Web アクセス

TFS の Web インターフェースでは,ブラウザ上でのファイル編集が可能である。

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