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Service-Oriented Enterprise (SOE)へのモデル駆動アプローチ

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原文(投稿日:2011/09/28)へのリンク

Service Technology Magazineの最新号で、 IBM のグローバルビジネスサービスのエンタープライズアーキテクトである Anirban Ray氏は、サービス指向エンタープライズを作成するための、モデル駆動アプローチを提案している。大抵のアプローチと違って、このアプローチでは、ITはビジネスになくてはならない部分と考え、ビジネスとIT間の連携の問題を排除し、 提案しているモデルから導出したビジネス要求を基にした、内部そして外部のサービス提供によって、ビジネスゴールを達成することに焦点を当てている。

提案しているモデルでは、期待されるSOEが作成、管理、維持しなければならないのは、モチベーション、戦略、プロセス、IT、運用、統制の各モデルである。氏の説明によると、

モチベーション、戦略、プロセス、ITのモデルを良く見ると、各モデルはその前のモデルを精緻化するレベルを次々と上手く追加している。その結果、モチベーションモデルからITモデルまで定義することで、ビジネスモチベーションの実現を確実にする。運用モデルと統制モデルは、この実現の達成を継続的なプロセスとして監視し、管理するのに役立ち、ITモデルが常にビジネスモチベーションから導出され、従って強制的な連携を必要としないことを確実にする。このことによって、ITがビジネスの欠くことのできないものと考えられる。すなわち、あらゆる、個々のIT投資はビジネスゴールを達成するために行われ、ビジネスゴールに合わせるために「連携される」ものである、との考えとは対極である。しかし、このことは、企業がSOEを実行する前に存在した、既存のITソリューションを連携する必要性を軽視することにはならない。しかし新しい世界秩序を導入するために、パラダイムシフトが必要であることを示唆している。


InfoQ: 既存のEAフレームワーク間や標準の落とし穴とギャップは、どのようなものですか? SOEへのMDAアプローチはそれらに対処しようとしてますか?

SOEへのMDA(モデル駆動)アプローチは、ビジネスモチベーションを実現するために、状況、協力、結合関係、消費可能の各モデルを使って、ビジネスモチベーション、戦略的意図、意思決定、そしてビジネス実行を結ぶのに役立ちます。エンタープライズアーキテクチャは、企業(都市計画に似て)における計画機能であり、 TOGAF ADMのようなEA手法は、企業モチベーションや戦略を理解したり、組織変更を分析、優先順位づけするために、エンタープライズアーキテクトによって使うことができます。EA手法は、ビジネスモチベーションをビジネス実行に結びつけるモデルを作成するのに役立ち、SOEに必要とされる様々なモデルのサブセットです。EAはほとんど、企業戦略とソリューション提供間を橋渡しするメカニズムですが、SOEに必要とされるモデルの完全なセットではありません。
更に、SOEへのモデル駆動アプローチは、我々が戦略からIT実装まで組織的変化をもたらすビジネスにおいて、ITをビジネスの中核の一部である、と考えることを提案しています。このためには、(ビジネスモチベーション、戦略、プロセス、IT、運用、統制を含んで)状況モデルを作成する必要がです。このモデルは、様々な説明責任レベル(モチベーション、戦略と計画、経営上のコントロールと実行)を伴ってビジネス機能を発揮する、特定の役割によって利用することができます。一方、EAはEA(計画)機能用の状況モデルを作るだけです。

InfoQ: 全体のモデルフレームワークは、トップダウン設計パラダイムを勧めているように思えます。どのようにして、他の設計パラダイムに拡張できますか? 採用手順、特に既存の企業のための 採用手順についてコメントしていただけますか?

モデルは、SOEを作るためのアプローチを提案しています。ビジネスとITの融合を提案しており、そのような融合に本質的に影響するモデルについて議論しています。それはフレームワークを確立しており、それを使うことで設計パラダイムとは対極をなすものとして、SOEを実現できます。企業は、説明されているモデルのフレームワーク内なら、トップダウン、ボトムアップ、両方の組合せのいずれの設計手法を使うかは自由です。例えば、ビジネスゴールを認識することから始めて、そして/あるいは既存システムを分析して、それらをビジネスゴールにマップすることができます。既存の企業は、トップダウンとボトムアップの両方のアプローチを使うことがお薦めです。

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