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Mozillaが企業向けFirefoxをリリース予定

原文(投稿日:2012/01/11)へのリンク

MozillaはFirefoxの企業向け別バージョンを作成する予定だ。しかし、このバージョンはセキュリティや安定性向上のための改善があまり行われないかもしれない。興味のある企業はアルファ版とベータ版のテストに参加できる。

Mozillaは昨年、リリースサイクルを変え、Chromeのようなリリースプロセスを採用し、約6週間間隔で自動的に更新されるようにした。この変更は、普通のユーザには歓迎されたが、企業の反応は冷たかった。Firefox 4をリリースした3ヶ月後の2010年7月5日にMozillaはFirefox 5をリリースしたが、同時にFirefox 4のサポートを打ち切ったため、企業は事実上、サポートされていないブラウザを使い続けるか、Firefox以外のブラウザを使うしかなかった。

このような状況に対してMozillaエンタープライズユーザワーキンググループはFirefox Extended Support Release (ESR)を提案した。そして数日前、グループはこの提案を受け入れた。この提案によれば、企業は年次でリリースされるFirefoxのバージョンを利用できるようになる。このバージョンには致命的で重要なセキュリティ問題のみ修正したマイナーリリースが含まれている。最初のESRはFirefox 10に合わせて今年の4月にリリースされる予定だ。その次のリリースはFirefox 17が予定されている2013年の4月になる。ESRはベースのリリースと同じバージョン番号を使う。

長いリリースサイクルになることで、企業は企業内にブラウザを広める前にテストができるようになる。これは以前から要望だが、いくつか注意が必要だ。

  • 新しいバージョンがリリースされると、以前のバージョンはライフサイクルを終える。つまり、古いESRはサポートされない。ESR 10がリリースされる4月にはFirefox 3.6のライフサイクルが終わる。
  • 新しいFirefoxがリリースされた場合、ESRには重要なセキュリティ問題の修正が加えられ、機能の追加は行われない。問題は、MozillaがESRに反映するのは“合理的な”努力で移植できる修正だけだということだ。実際にはMozillaはどの修正を反映するか決めるだろう。このとき、リスクの低い修正や安定性の強化がESRに反映されるかどうかはMozillaの判断次第だ。しかしこのやり方だと、セキュリティ上のリスクが残ったままになる可能性がある。これは、提案の中でも次のように警告されている。“ESRは通常のFireFoxのリリースよりも安全でない可能性がある。同時に新しい機能も通常のFireFoxと同時には提供されず、リスクが高く影響が大きいセキュリティパッチだけが移植される。ESRを使う企業をこの点を理解しておく必要がある。”
  • この提案によれば、“ESRは夜間のベータグループによる大規模なテストには向いていない。”MozillaはFirefox ESRを使いたい組織をアルファ版とベータ版のテストに招待している。

Firefox MobileにはESRはない。また、Mozillaは一般ユーザがESRを使うことを“非推奨”にしている。その結果、ESRはEnterprise Wikiページか、ブログ記事で発表される予定だ。

MozillaThunderbirdについても同様の計画をしており、最初のESRバージョンはThunderbird 8または9と同時に利用可能になる予定だ。

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