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クラウドコンピューティングはビジネスモデルを革新し、新たな雇用を創出する

原文(投稿日:2012/03/09)へのリンク

IBMの調査では、クラウドコンピューティングがビジネスモデルの革新を実現する6つのことが述べられている。またIDCの報告書では、クラウドコンピューティングは2015年までに全世界で1400万の雇用を創出すると予想されている。

IBMは使われるビジネスモデルに対する影響の観点から、現在のビジネスへのクラウドコンピューティング活用方法および将来の計画について調査を実施した。調査は全世界で572名の経営および技術分野のエグゼクティブを対象に行われ、The power of cloud. Driving business model innovation (PDF)というタイトルで公開されている。

このIBMの調査がIT全体を代表しているとは言えないが、これは大企業がクラウドコンピューティングにどう取り組んでいるかを教えてくれる。これによると13%がすでに何かしらクラウドコンピューティングを実施中であり、21%が導入中、38%が試験中だという。合計すると調査した大企業の72%にものぼっている。次の図にあるように、この値は今後3年でさらに90%にまで拡大すると予想されており、この市場のダイナミクスを表している。

回答者の大部分は、クラウドコンピューティングは従来の考え方を変える技術革新だと考えているが、「そのビジネスを革新する潜在力は事実上まだ未開発である」として、ビジネスモデルを革新する6つのことをまとめている。

  1. コストの柔軟性 - 固定費を変動費に変え、「必要なときに支払う」モデルを可能にする
  2. ビジネスの拡張性 - 柔軟性が高く費用効果の高いコンピューティング能力を提供し、成長をサポートする
  3. マーケット順応性 - マーケットに出すまでの時間を早め、実験をサポートする
  4. 複雑さの隠蔽 - 製品の高度化を可能にし、エンドユーザにシンプルさを提供する
  5. コンテキストドリブンな可変性 - ユーザ自身によるユーザ体験を定義可能にし、製品の妥当性を高める
  6. エコシステムのコネクティビティ - 新たなバリューネットを育てて、新たなビジネスをドライブする

IDC (PDF) による別の調査では、クラウドコンピューティング技術の導入による雇用への影響評価を試みている。この調査は広義のクラウドコンピューティング定義を用いており、ストレージサービス、インフラ仮想化、セルフコンフィグレーション、プロビジョニングの自動化なども含まれる。IDCはクラウドコンピューティングはこの4年で全世界で約1400万の雇用を創出すると予想している。

雇用創出のほぼ半分は中国とインドであり、アジア、EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)、北アメリカがそれに続く。

ここで予想されているほど将来は明るくないかもしれないが、こうした数値は、近い将来クラウドコンピューティングが身近なものになり、いろいろなビジネスがその製品やサービスにクラウドを活用することを示唆している。

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