BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース アプリケーションのクラウド移行で直面する課題

アプリケーションのクラウド移行で直面する課題

原文(投稿日:2012/05/30)へのリンク

Cisco の実施した調査からは,クラウドへの移行における現在のレベルと傾向に加えて,IT 意思決定者がこの業務に関して抱えている,おもな課題を見ることができる。

2012 Cisco グローバルクラウドネットワーク調査 (PDF) は,ビジネスアプリケーションのプライベートおよびパブリッククラウド移行に伴う課題を解明するために,13 ヶ国の 1,300 を越える IT 意思決定者を対象に行った調査結果をまとめたものである。

クラウドに移行するアプリケーションをひとつだけ選択するとすれば何か,という問いに対する回答は,ストレージ (25%),ERP (20%),電子メール (16%),コラボレーション (15%) というものだった。しかし,すでにクラウドに移行したか,あるいは今後数年以内に移行する予定のアプリケーション,というような現状確認の質問には,77% が電子メールであり,以下 74% - ストレージ,72% - コラボレーション,IM,Web 会議という回答だった。また,クラウド移行を実施中の IT 管理者の 60% が 電子メール,59% がストレージ,55% が仮想デスクトップについて,クラウド移行を検討はしたものの,実施を見送ったと返答している。

クラウド移行を成功させる上での課題という点に関しては,アプリケーションの可用性と信頼性(67%),デバイスベースのセキュリティ(66%),クラウドアプリケーションのパフォーマンス(60%) などが挙げられた。

今回の Cisco の調査によれば,少なくとも半数のアプリケーションのクラウド移行を完了した組織は,全体のわずか 5% に過ぎない。しかしながら年末までには,この比率が 20% まで増加する見込みである。

多くの IT プロフェッショナルは,パブリッククラウドより時間を要するプライベートクラウドへの移行においても,クラウドへの展開を6ヶ月未満で完了したいと考えている。

クラウド移行においてもっとも重要なインフラ要素に関する質問には,37% がクラウド対応ネットワーク,28% が仮想データセンタと答える一方,21% はクラウドサービスプロバイダによる適切な SLA が最大の関心事である,と回答している。

"なぜクラウドへ移行するのか" という質問に対しては,回答者の 52% がビジネス上あるいは CIO の要請によるもので,コストと生産性,迅速性の向上が目標である,と回答している。また 41% は業界のトレンドを追うため,30% はユーザの要望によるもの,と答えている。

回答者の多く (39%) は,クラウド移行に伴う課題に苦労するくらいなら,むしろ "自分たちで問題の根幹に取り組んで,運用の責任を負う" 方法を選択したい,と答えている。また 27% の回答では,企業のネットワークやアプリケーションのクラウド移行する情報は,"Angry Bird の遊び方,スペアタイヤの交換ノウハウ" といった情報ほど豊富ではない,としている。さらに 24% は,今後6ヶ月間にクラウドに移行する機会はない,と回答した。

Cisco の インフォグラフィック には,今回の調査の主な結果がさらに簡潔で視覚的な方法で示されている。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT