BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Windows Azure 上で Linux が実行可能に

Windows Azure 上で Linux が実行可能に

ブックマーク

原文(投稿日:2012/06/09)へのリンク

Windows Azure が4つの Linux ディストリビューションと5種類の VM サイズをサポートする。Microsoft では同社のクラウドプラットフォームの採用を促進するため,Linux のサポートを開始するとともに,今後さらに多くの OS とプログラミング言語をサポートしていくことを約束する。

この1月頃,Microsoft が同社のクラウドプラットフォームである Azure で Linux のサポートを計画していて,ディストリビューションとしては Red Hat が 候補に挙がっている,という 噂が広まっていた。そしてそれが,少なくとも部分的には事実であったことが判明した。Red Hat ではないが,Azure で Linux の利用が可能になったのだ。

Windows Azure アプリケーションプラットフォーム担当 CVP の Scott Guthrie 氏は先日,同社のクラウドソリューションに関する多数の新機能追加と機能拡張を 発表した。タッチ操作に最適化された新しい Azure ポータル インターフェースから始まり,すべてのブラウザ上での実行サポート (Silverlight 不要),Microsoft クラウドを試用するための3ヶ月間無料トライアルなどだ。氏は Azure を,あらゆる OS とプログラム言語,データベース,ツールを対象として,世界規模で分散されたデータセンタを備え,月間 99.95% の SLA を誇るプラットフォームである,と改めて位置付けた。さらにすべての Azure SDK が,Apache 2 ライセンスの下に GitHub 経由で提供されることになった。

言及されたすべての機能を Microsoft が実装完了するのは,まだ先の話だ。しかし同社は重要な一歩を踏み出した – Windows の4エディションに加えて,4種類の Linux ディストリビューションが Azure でサポートされるようになったのだ。

  • Windows Server 2008 R2 上で動作する Microsoft SQL Server 2012
  • Windows Server 2008 R2 SP1
  • Windows Server 2012 RC
  • Windows Server 8 – 現在はまだ使用不可
  • OpenLogic CentOS 6.2
  • SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2
  • Ubuntu Server 12.04 LTS
  • Open SUSE 12.1

ポータル用にビルド済の VM イメージが提供されているが,ユーザが独自の Windows あるいは Linux の VHD を生成してロードすることもできる。ただしそれを行うには Windows Server か,あるいは CSUploadWindows Azure Command-Line Tools for Linux and Mac などのコマンドラインツールに含まれている Hyper-V Manager が必要である。資料 には明確な記述がないが,Linux イメージについては Hyper-V Manager を使わずに Linux 機上でも生成可能なようだ。

VM は次表に示すように,XS(Extra Small) + 共有 CPU から XL(Extra Large) + 8 コアまで用意されている。

仮想マシンサイズ CPU コア メモリー テンポラリストレージ容量 ローカルストレージ用ディスク容量

Extra Small

共有 (Shared)

768 MB

20GB

20GB

Small

1

1.75 GB

50 GB

20GB

Medium

2

3.5 GB

100GB

100GB

Large

4

7 GB

200 GB

200 GB

Extra Large

8

14 GB

400 GB

400 GB

各 VM にはデータ保存用のディスクをいくつかアタッチできる。またエンドポイント経由で他の VM と通信することも可能だ。エンドポイントは単純な TCP ないし UDP ポートであり,個別に設定することができる。複数の VM によるロードバランスも可能である。我々が行ったテストでは,Linux XS マシンのセットアップに4分ほどを要した。AWS に比べてやや長いが,この機能がまだプレビューである点も考慮しておかなければならない。

資料にはさらに LAMP スタックMySQL,あるいは Mongo DB を Linux VM 上にセットアップする方法も解説されている。今後は他のディストリビューション,中でも Red Hat に対するサポートが期待される。

プログラミングは Windows,Mac,あるいは Linux 上で .NET,Node.js,PHP,Java,Python を使用して行う。ただし .NET 開発については例外的に,Windows 上で VS 2010 あるいは VS 2012 を使った場合に限定される。

Microsoft はもはや,Linux をサーバにおける脅威としては捉えず,むしろ自社のクラウドプラットドームが可能な限り多く採用されるために取り入れていこうとしているようだ。今回の動きから,同社がいかにクラウドコンピューティングを重要視しているか理解できる。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT