BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース JBoss Enterprise Application Platform 6 - Java EE 6 準拠,高速起動,低メモリ消費,クラウド対応

JBoss Enterprise Application Platform 6 - Java EE 6 準拠,高速起動,低メモリ消費,クラウド対応

原文(投稿日:2012/06/29)へのリンク

Red Hat は先日,クラウド対応アーキテクチャと改善された管理機能,優れた開発ツールを備えた JBoss Enterprise Application Platform(EAP) 6リリースした。オンプレミス,プライベート,パブリックいずれのクラウドにもデプロイ可能な,Red Hat の PaaS サービスである OpenShift で Java アプリケーションを実行するランタイムエンジンである。JBoss Application Server (AS) 7.1, JBoss Developer Studio 5.0, JBoss Web Framework Kit 2.0, さらにオプションとして JBoss Operations Network (ON) 3.1 が同梱されている。JBoss EAP 6 はサブスクリプションモデルで提供され,長期間のサポートとプラットフォーム認定,サービスパック,サポート SLA (Service Level Agreement) が含まれる。

JBoss EAP 6 で変更された部分と,プラットフォームに新たに導入されたアドバンテージについて確認してみよう。

JBoss AS 7.1

  • Java EE 6 対応。JBoss AS 7.1 は Java EE 6 Full Profile 認定された Java EE 6 アプリケーションサーバである。Java EE 6 を簡単に言えば,依存性注入やアノテーション,POJO プログラミング,REST プログラミングといった,現代的なプログラム技術を標準化したものだ。これらすべてが定型的コードや XML コンフィギュレーションの記述削減に寄与する。
  • 起動の高速化。 マルチコアプロセッサを活用するために,サービスの起動は並列処理される。非クリティカルなサービスの起動は,それが最初に使用されるまで遅延される。2回目以降の起動ではインデックス化されたメタデータを使用して,定義情報全体の解析処理を回避する。これらの変更により,JBoss AS の起動時間は3秒以内となっている。
  • モジュラーコア。 アプリケーションからサーバ実装クラスを隠蔽して,必要なクラスのみをロード対象とするために,JBoss AS 7 では JBoss Modules を使用している。これによりアプリケーションが分離され,クラスローディング時の競合が回避される。パフォーマンスを向上するために,クラスのロードも並列的に行われる。JBoss Modules 上の1レイヤとして実装された OSGi サポートも利用可能である。
  • メモリ使用量の低減。 ガベージコレクタによる停止を最小限にするために JBoss AS 7 では,メモリ管理にアグレッシブなアプローチを採用している。さらにモジュラーコアとインデックス化されたメタデータの使用もメモリ使用量削減に寄与するため,標準的な JVM 設定で動作することが可能である。Red Hat の "Ease into the Cloud” プレゼンテーションで見られたように,通常のアプリケーションサーバではメモリ使用量が 150 Mb に達するのに対して,JBoss EAP 6 の基本的なメモリ使用量は 15Mb に抑えられている。サーバプロファイルを駆使して不要な機能を取り除けば,メモリ使用量のさらに削減することも可能である。
  • 優れた管理性。JBoss AS 7 のコンフィギュレーション機能は中央集中型かつユーザ重視である。ドメインモードでは,複数のサーバで同じコンフィギュレーションファイルを使用できる。ドメイン内でのローリングデプロイメントもサポートされる。コンフィギュレーションファイルはドメインモデルに直接的に基づいて構成されていて,内部的な定義がエクスポートされることはない。さらに XML を直接編集する以外の方法として,拡張 Web コンソールや Java API,HTTP API,あるいはコマンドラインツールを使用してサーバ管理を行うことも可能である。
  • Arquillian。Arquillian のサポートが追加された。これによってユニットテストと統合テストを,アプリケーションコンテナ内で迅速かつ容易に実行することが可能になる。

JBoss Developer Studio Portfolio Edition 5.0

JBoss Developer Studio Portfolio Edition には,アセンブルおよび動作確認済みのオープンソース IDE が含まれている。JBoss エンタープライズテクノロジへのアクセスや,Web アプリケーションやエンタープライズアプリケーションを構築するために必要な機能をすべて備えている。Maven や Hudson/Jenkins, Hibernate といった開発ツールとの統合性も強化された部分だ。

JBoss Web Framework Kit 2.0

JBoss Web Framework Kit は,Web およびモバイルアプリケーション開発に有効な開発者フレームワークとツールをパッケージ化したものだ。広範に使われているオープンソースの技術を,アプリケーションからも容易に利用できるようになる。JBoss EAP 6 には RichFaces 4.2 や JBoss Snowdrop 2.0, Hibernate Search 4.1 などが同梱され,Apache Struts 2.3, Spring 3.1/3.0/2.5, Googe Web Toolkit 2.4/1.7 がサポート対象として動作保証されている。IceFaces や PrimeFaces, jQuery, jQuery Mobile, Play なども,一部のバージョンの動作を確認している。さらには Grails もプラットフォーム上で動作するが,これらのフレームワークはサポートの対象外である。

JBoss Operations Network 3.1

JBoss ON は,JBoss システム全体に対するモニタリングやプロビジョニングなど,高度な管理機能を提供する管理プラットフォームである。アプリケーションのプロビジョニングやパッチ処理をサポートして組織内のアプリケーションリリースを簡素化するとともに,アプリケーションとサービス,およびそのレベルを可用性で監視する。

アップグレードを計画中の JBoss EAP 5 ユーザは JBoss EAP 6 migration guide を確認しておくべきだ。

 

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT