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Java ME Embedded と Java Embedded Suite - 組み込み市場を指向する新たな Java テクノロジ

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原文(投稿日:2012/10/02)へのリンク

 

Oracle が Java ME Embedded 3.2Java Embedded Suite 7.0 をリリースした。Java 組み込みテクノロジのラインアップに,新たな2つが加わったことになる。Java ME Embedded は ARM アーキテクチャをベースとする,マイクロコントローラなどリソースに制約のあるデバイス用に最適化された Java ランタイムである。もう一方の Java Embedded Suite は Java SE Embedded,GlassFish Embedded Profile,Jersey,Java DB などで構成される,組み込みシステム用の Java アプリケーションプラットフォームだ。

Java ME Embedded

Java ME Embedded は ARM チップセットベースの,マイクロコントローラなどリソースに制約のある低消費電力組み込みデバイス用に最適化設計されたランタイムスタックである。Java テクノロジの採用により組み込みデバイスのアプリケーションは,もはや単一のハードウェアプラットフォームには束縛されない。さらにフィールドでセキュアなアプリケーションアップグレードが可能になり,アフターマーケットにおける認証済みデバイスのアップデートが実現する。対象とする市場は,M2M (Machine to Machine) 通信用のワイヤレスモジュール,工場とビルの管理,スマートグリッド用インフラ,ホームオートメーション,自動販売機,環境センサおよびそのデータ収集,などである。

Java ME Embedded 製品スタック

Java ME Embedded のシステム要件は ARM9,ARM11,あるいは Cortex-M,Cortex-R,Cortex-A チップなど ARM アーキテクチャ の SoC (System on Chip) を採用していることだ。最小限にカスタマイズされた構成であれば,わずか 130KB の RAM と 350KB の ROM があればよい。すべてを備えた標準構成の場合には 700KB の RAM と 1500KB の ROM が必要になる。

Java ME SDK と IDE プラグインによってデバイス開発者には,デバイス開発のための完全なアプリケーション開発環境が手に入る。プロファイリングとネットワーク経由モニタを装備した組み込みデバイスエミュレータを使用すれば,デスクトップコンピュータ上でもアプリケーションのテストとデバッグが可能になる。さらにターゲットハードウェアに直接アプリケーションを配置して,デバッグおよびテストする機能も提供されている。

詳細については Java ME Embedded FAQ を参照して欲しい。FAQ では Java ME Embedded が提供する 標準的な API,組み込み特有の API の両方を取り上げるとともに,Java ME Embedded と Java Embedded Client,Java SE Embedded との違いについても説明している。ただし Java ME Embedded ランタイムは,厳密な意味でのリアルタイム機能をサポートしていないことに注意が必要だ。ネイティブなリアルタイム処理については,基盤となる RTOS を利用する必要があるだろう。

Java Embedded Suite

Java Embedded Suite は,より高機能な組み込みシステム用アプリケーションの開発を支援するアプリケーションプラットフォームパッケージである。ネットワークアプライアンスや医療機器,多機能プリンタ,軍事防御システムなどといったアプリケーション構築の基盤として利用可能だ。組み込みデバイス用に最適化した標準ベースの Web サーバとリレーショナルデータベースサーバ,および REST Web サービスフレームワークが予め統合して提供される。スタックは Java SE Embedded 7u6+,GlassFish 3.1+ Embedded Profile,Java DB 10.8+,Jersey 1.11+ で構成されている。組み込みデバイス用に最適化された Java プラットフォームだが,Java SE 7 および Java Servlet 3 仕様には完全準拠している。また,デプロイメント固有のチューニングとパフォーマンスの最適化を行うための設定オプションが用意されている。

Java Embedded Suite は x86 および ARM 上の Linux に対応する。最少構成は 64MB RAM と 66MB ROM,glibc 2.9 を備えた Linux カーネル 2.6.28 である。ARM ベースのデバイスは ARM V6 あるいは V7 CPU が必要である。評価用の実装が ダウンロード で入手可能だ。

 

 

 

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