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NetflixがSilverlightを見限り,HTML5を選択

原文(投稿日:2013/04/18)へのリンク

 

Netflixは自社のビデオプレーヤを,SilverlightからHTML5に切り替えると発表した。新しいプレーヤは最初Chrome/Chrome OSに実装されるが,間もなくWindowsとMac OS Xにも用意されるという。

Netflixでクラウドシステムアーキテクチャのディレクタを務めるAdrian Cockcroft氏によれば,Netflixは北米の ダウロードトラフィックの1/3を占めている という。それだけの量のデータが,すべてひとつのSliverlightアプリケーションにストリームされているのだ。しかし今回,それが変わろうとしている。

Netflixは先日,Silverlightから HTML5に切り替える意向 を発表した。最大の理由として同社が挙げているのは,Microsoftが 2021年にSilverlight 5のサポートを終了 すると発表しながら,Silverlight 6については何も述べていないことだ。同社はまた,コンテントのストリーミングを行うのにSilverlightプラグインをインストールしなければならない点にも不満を表明している。この種のプラグインのインストールは,セキュリティ上の理由から拒否するユーザもいるのだ。さらにiOS用のSafariやWindows 8/Metro用IEなど,最新のブラウザがプラグインをサポートしていないことも問題視している。Windows 8とLinuxがSilverlight互換オペレーティングシステムに含まれていない ことも,別の問題として加えられるだろう。今回のNetflixの発表に対してもっとも多かったコメントも,Linuxの公式サポートを要求するものだった。

Netflixはこれらの問題を,HTML5を採用することで解決するつもりだ。最初のアプリケーションはChrome OS上で開発,テストが行われている。Netflixの要求する数多くのHTML5拡張を実装することにはGoogleも関心を持っていて,それらを "HTML5 Premium Video Extensions" と名付けている。

  • Media Source Extensions – JavaScriptを使用したコンテントのストリーミングを可能にする。これによりWebアプリケーションには,ストリーミングのための適切なCDNの選択手段と合わせて,最初の選択に問題があった場合に変更を行う柔軟性が提供される。
  • Encrypted Media Extensions – DRMサポートを追加する。
  • Web Cryptography API – 暗号化サポートを提供するJavaScript API。視聴者のプライバシを保護するため,Netflixはバックエンドサーバとのほとんどの通信を暗号化している。Netflixは大量のログ情報をサーバに返送している。Cockcroft氏によると,正確には北米の全アップロードトラフィックの約4.5%を占める量だ。

GoogleがWeb Cryptography APIをChromeに実装し終わるまで,現行のNetflixは暗号化にPepperプラグインを使用する。実装完了の時点でHTML5ビデオアプリケーションを公開して,WindowsおよびMac OS Xでテストを行う予定だ。

Silverlight終了に関する噂は,少なくとも その将来性が取り沙汰された 2010年には始まっていた。各プラットフォーム用のSliverlight 5を2011年にリリースする,と Microsoftは一旦はコミットした が,後にそれを否定する発表した上,IE Metroでは一切のプラグインをサポートしないと決定している のだ。すでにこのような疑念が持たれている以上,Silverlightには将来性がないというのは,確信を持って言えることだろう。似たような問題を抱えたFlashとも合わせると,今後RIAの領域はHTML5に占有されることになりそうだ。

 

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