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特許所有者がTCP/IPの知的所有権を主張

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原文(投稿日:2013/04/01)へのリンク

テキサス州オースティンに本拠を置くネットワークハードウェアベンダが,TCP/IP プロトコルセットの実装に対してロイヤリティを求めると発言している。かつて Dellor という社名だったこの KCIR Networks は,1997年に Comer Labs を買収した際にこの特許を合わせて取得した。特許が出願されたのは 1975年だが,Comer Labs がこれまでにロイヤリティを要求したことはなかった。

TCP/IP は Transmission Control Protocol (TCP) and Internet Protocol (IP) の略だ。複数の通信プロトコルで構成されるインターネットプロトコル・スイートの中でも,もっとも有名なこの2つのプロトコルは,インターネットのみならず,広域ネットワークのスタックにおいても広く使用されている。データのフォーマット,アドレス,転送,ルーティング,受信手順などを定義することにより,エンド・ツー・エンドの通信接続を提供するものだ。

現在使用されているほとんどのコンピュータオペレーティングシステムには,一般消費者用を含むすべてにTCP/IPが実装されている。

KCIR Networks は先週,同社がこの特許に基づく ”すべての請求権を行使および認可可能な唯一かつ排他的な権利" を所有しており,DoD(米国防総省)と学術的プロジェクトを除くすべての実装を対象として契約を求めていく,と宣言した。

ここで "明確化" されている対象は,オペレーティングシステムとハードウェアネットワークスタックだ。したがって IP 特許の請求対象は,TCP/IP 実装を含むすべてのデバイスに拡大されることになる。組み込みシステムやパケットラジオシステム,シリアル回線で接続されたパーソナルコンピュータの実装も,すべてが対象なのだ。

KCIR Network の最新の SEC 提出資料には,ある企業が特許 6,972,200,052 のライセンスに5,500万ドルの支払いを行った,とある。これは同社の先四半期の収益である 8,300万ドルに対して,相当な部分を占める金額だ。

訴状で KCIR Network は,次のように加えている

当社は複数の業種から,他社との追加ライセンス契約を求めています。ただし追加ライセンス契約が取得可能である,あるいは同様に有利な条件である,という点については保証の限りではありません。

本記事執筆時点で,我々の質問に対する KCIR Networks からの回答はない。

Dio Synodinos 氏 は,InfoQ で HTML5/JS 関連の著者,主任編集者を務めると同時に,W3C HTML WG のメンバでもある。

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