BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース パフォーマンスが大幅に向上した CA Clarity 13.2

パフォーマンスが大幅に向上した CA Clarity 13.2

原文(投稿日:2013/04/23)へのリンク

CA Clarity は,大規模なIT組織やコンサルティングファームのために特別に設計された,エンタープライズ・リソース・プランニング・ツールだ。コスト分析を特に重視することで,プロジェクトや機能単位での実際のコストをマネージャや経営幹部が確認できる。実行中のコスト管理やクラッシュプロジェクトの検出に加えて,将来的な実行計画の立案にも使用可能だ。

ポートフォリオプランニング

ポートフォリオプランニングツールはスクラッチから完全に書き直された。 最大の理由としてCAが挙げるのはパフォーマンス上の問題だ。

プランを作成するには,最初にプロジェクトをランク付けする必要がある。次に実行するプロジェクト数と,割り当て予算とコスト予想とを対比するビューを選択する。このプランニングツールでは,単一ポートフォリオ内のプロジェクトは同時に複数実行しないことを前提としている。対象とするチーム内で混乱が生じたり,作業の焦点が散漫になることを避けるためだが,ただしチーム毎に別々のポートフォリオを作成して,ひとつの計画にグループ化する操作は許可されている。

ポートフォリオとプランは手動で更新する他,過去の支出を参照して自動的に更新することもできる。複製を作ることも可能なので,複数の計画を試した上でどれかひとつに決める,という使い方にも対応する。一般的なタスクトラッキングツール (JIRAやTFSなど) では通常,"もし...ならば" という計画立案が許されないことから希望された機能だ。

タイムシート

コンサルティングファームを対象とした設計のため,Clarity ではタイムトラッキングとタイムシート承認がサポートされている。今回のバージョンからは,新たにモバイルクライアントを使用したタイムシートの承認操作が可能になった。クライアントサイトにいたり,あるいは単にオフィスで時間記録を忘れたユーザには便利な機能だ。

Open Workbench

一般的な認識とは違って,Open Workbench の開発は中止されていない。ただし今回のリリースに関しては,ほぼすべての面でユーザビリティの問題の方が重視されている。

今回のアップデートでは Microsoft Project 2013 もサポートされるようになったので,これが Open Workbench の代用ということなのだろう。

Clarity Agile

Clarity Agile がアップデートされた。バーンダウンチャートをベースとしたポートレットを作成することで,スクラム形式のワークフローとの親和性が向上する。

資産計上処理をサポートするため,アジャイルツールのタスクをタスクタイプによって課金コードに自動マップすることも可能になった。これまでは開発者が,タスク管理ツールで一度,課金用の時間追跡ツールで一度と,自身のアクティビティを2度記録する必要があった。

パフォーマンスの向上

ポートフォリオは書き直し理由のひとつに過ぎないが,すべての主要なコンポーネントのパフォーマンスがこれによって大きく向上している。ツールやWebページの多くは,それまでの約5秒という到底受け入れられない平均応答時間から,0.6秒程度にまで改善された。その他,ある大規模なサイトで長時間を要していたバッチ処理が,12時間以上から1時間未満にまで短縮された例もある。

これらパフォーマンス向上の理由は,開発プロセス全体を通じてパフォーマンスを重要なファクタとして扱うという,意識面での決断にある。これまではコードの完成を一義的に考えて,QAプロセスにおいてパフォーマンスを調査する方法を採用していた。それが新たな開発思想の下に,すべての変更のチェックインに先立ってパフォーマンステストを行うようになったのだ。

バックポーティングの廃止

製品の改善を以前のバージョンにバックポーティングしたい,と企業が考えることは多い。しかしこのようなポリシに従うと,アクティブなブランチが複数発生してしまう場合もある。実際に Clarity 12.x では,9つのアクティブなブランチが存在していた。

そのため Clarity 13 では当初から,バックポートは実施しないと決定している。ユーザが旧バージョンに留まることを奨励するよりも,CAとしては新たなリリース版にユーザをアップデートさせていくことを重視する考えだ。これは頻繁かつ容易なアップデートという,同社SaaSポリシの一環でもある。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

特集コンテンツ一覧

BT