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アジャイル手法は個人の作業にも適用可能か

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原文(投稿日:2013/08/01 )へのリンク

アジャイルへの移行は,チーム全体,プロジェクト,あるいは組織単位で行うのが普通である。アジャイルはチームを主体とするアプローチだからだ。ところが,個人でアジャイルプラクティスの利用を始めたり,ワン・パーソン・チームとしてアジャイルを実践しているプロフェッショナルが存在するのだ。どうすれば個人でアジャイルを採用できるのだろう,そして,どのようなメリットがあるのだろう?

Fiona Hanington氏は "アジャイルでないチームにいても,アジャイルの技術的コミュニケータになることは可能か" というブログ記事を書いて,個人単位でのアジャイル採用の可能性について論じている。記事は,氏自身がアジャイルトレーニングによって受けたインスピレーションについての説明で始まる。所属する組織がアジャイルを採用するのかどうか分からないが,アジャイルを始めることで自分の仕事の方法を変えたいと思っているのだ。

アジャイルを始めるには,チームの他のメンバを待たなければならないのでしょうか?それとも,アジャイルのメソトロジの中には,個人的に,私の仕事に今すぐ導入できるものがあるのでしょうか?

氏の組織はまだアジャイル移行を行っていない。そのために氏は,いくつかの制約の存在を感じている。

私の所属する組織では現在,従来型の "ウォーターフォール" 環境で作業しています。まず要件,そして設計,それから開発,テストとバグフィックスを行った後にベータリリース。さらにバグを修正して,製品リリースに漕ぎ着けるのです。ですから私はどうしても,この構造に従わなければなりません。その各段階において,予定されている成果物は確実にものにしなければなりませんし,– 同じように – ドキュメントなどの成果物を他グループの計画に依存しています。この構造を,個人的な希望のために無視することはできません。自分自身が本当にアジャイル技術のコミュニケータになる前に,組織がアジャイルになるのを待たなければならない部分がほとんどなのです。

氏はいくつかのプラクティスについて,自分自身でアジャイルを実践できないかを調査している。与えられた条件に疑問を持っているような状態で,どうして毎日の作業でユーザニーズに集中できるだろうか,というのが氏の言い分だ。さらに氏は,作業を小さなタスクに分割する,個人的なタスクボードを使用して自身の行っている作業を視覚化する,短期の計画に集中して変化に対応する,タイムボックスやかんばんの利用,実行するタスクの優先度設定などといった,アジャイルの計画テクニックを利用する可能性について論じている。結論として氏は,個人の作業にアジャイル手法を採用することは可能だと考える。

将来は本格的な機能横断型のアジャイルチームの一員になれるのだとしても,それまで待っている必要はありません。従来的なウォーターフォール環境の中ではありますが,アジャイルの原則のいくつかを,私の日々の作業に取り入れ始めました。そうすると,皮肉なことなのでしょうが,チームとは違うモデルを取り入れているにもかかわらず,これまでよりもかえって,自分がチームの一員であると強く感じられるようになったのです。

個人的アジャイル移行の実践 というブログポストを書いたLen Lagestee氏は,個人にとってのアジャイル実践の意味について論じている。

アジャイルの世界を目的地とした,組織変革を通じての個人的な旅ないし洗礼は,あなたにとってユニークな経験になることでしょう。あなたはアジャイルの経験を持っているかも知れませんし,まったく持っていないかも知れません。変化はまったく自然に訪れるかも知れませんし,いくばくかの不安を伴うものであるかも知れません。

氏はアジャイルを求める個人的な旅を探している。アジャイルとは何かという認識に始まり,アジャイルプラクティスを経験した結果,自分自身のペースでアジャイルを取り入れなければならないことが明らかになった。

どこに向かって旅をするのか,そこで何を感じるのか,誰にも指図させてはいけません。自分がサイクルのどの位置にいるのかを見つけて,次のレベルに到達するには何をすべきかを決めるのです。

独立開発者はアジャイルを使えるのだろうか? これはPhil Johnson氏の問いだ。

しかしながら,自ら望んだかどうかはともかく,ワンマンあるいはウーマンの開発チームとして,ひとりで作業している開発者もいます。彼らにとって,自らの開発作業の管理にアジャイルを用いるというのは,あり得ないことなのでしょうか,それともアジャイルは,独立技術者にも使えるのでしょうか?

個人でもアジャイルを利用できる,メリットがあると考える理由をするために,氏は次のようなアジャイルプラクティスの一覧を作った。

  • 明確に定義された,作業の小単位の設定(すなわちユーザストーリ)
  • 毎日の作業開始前に"スタンドアップ"を実施
  • タスク実行の所要時間,スプリント内での完了タスク数を記録
  • クライアントと定期的なコミュニケーションを通じて,定期的な更新と製品リリースの提供,およびフィードバックとインプットの要請

読者であるあなたは,チームより前に,個人的にアジャイルプラクティスを始めていただろうか,あるいはワン・パーソン・チームとしてアジャイルを実践しているのだろうか?個人的にアジャイルを採用することのメリットはあっただろうか?

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