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Microsoftがモバイルデバイスとセンサに対応する単一OSを計画中

原文(投稿日:2013/11/26)へのリンク

先週開催されたUBS Global Technology Conferenceの期間中,MicrosoftでDevices and Studios部門を担当する上級副社長のJulie Larson-Green氏は,今日のソフトウェアマーケットに対するMicrosoftのアプローチについて講演を行い,特にモバイルデバイスオペレーティングシステムの世界における同社の見解を提供した。我々はセッションの原稿(HTMLDOCX)の中から,特に興味を引く部分について選び出すことにした。

Microsoftがモバイル界のレースで "周回遅れ" になっているのではないかという質問に対してLarson-Green氏は,同社が7月に着手した大規模な組織変更が,そのスタートの失敗によるものであると認めつつも,同社がモバイルマーケットにおいて存在感を得るために,非常に積極的な行動を選択する意思を持っている,と語った。なぜならば,"モビリティは今日,人々が生活し,働き,対話する上で非常に重要な部分を占めている" からだ。

話題がSteve Ballmer氏の退任に及ぶと,Microsoftが明確な方向性を持たなくなるのではないか,という不安の否定に努めていた:

私たち経営陣はチームとして仕事をしていますので,ひとりの決定者に判断を依存することはありません。デバイスユーザの皆様が必要とし,望んでいるものをお届けできるようにロードマップを計画し,高付加価値な活動のための方向性を決定するのは,同じ仕事をする私たちグループの責任であることを,ここでは申し上げたいと思います。ですから [Ballmer氏の退任によって] 私たちの活動がスローダウンすることはまったくありません。

Microsoftは競合他社をキャッチアップするために全速力なようだが,それにも関わらずLarson-Green氏は,いまだデスクトップオペレーティングシステムの将来に期待を寄せる:

ですから私は,これから先もずっと長く,私が生きている間,デスクトップコンピュータはあり続けると思っています。高い生産性やタイプ入力が必要な,マウスを使って正確な操作を行う人たちにとっては必要な存在なのです。

そう言いながらも,同社はデバイスに注目しているようだ:

腕や顔に装着した,あるいはポケットに入れたデバイスを使ってEメールを見たり,通知を受けたり,仕事上で必要な企業データにアクセスしたり,あるいは友人や家族と対話したいと思うでしょう。

かつてApplieが初代iPhoneの斬新なタッチインターフェースで見せたようなブレークスルーを例に引きながら,Larson-Green氏は,同社のKinectテクノロジが近い将来,それと同じような役割を果たすと信じている:

次の転換点はハードウェアによる入力モデルに起きるでしょう。私たちはKinectでジェスチャに取り組んでいるのはそのためです。音声入力も手がけていますし,他にもあります。それらすべてをまとめ上げなければなりません。ご存じのとおり最初私たちは,それをタブレットで試していました。ですが当時は,持ち運び可能なモバイル機器を作る技術が現実にはありませんでした。気楽に持ち運んでノートの取れるタブレットというアイデアは,5ポンドという重量のために頓挫してしまったのです。それが今ではスマートになって,薄く小さなピースになりました。このようなさまざまな要素を集結することで,ひとつの入力モデル,あるいはユーザエクスペリエンスの転換点をハードウェアで実現できると思っています。私たちがそのためにデバイスを手掛けているのです。

話題はスマートフォンやタブレットを越えて,センサ全般に関するものになった:

センサは今後,何を考えるに付けても重要な存在になります。私たちが話してきたこと - 手首に着用して面白いことをするフィットネス機器などは,すべてそうです。その先には何があるのでしょう?センサなどを使って,日々の生活に役に立つような,さまざまなものが開発されるでしょう - 自分で思うほど,実際には腕立て伏せができないことを知らせたり,心拍数が上がりすぎてストレスが溜まっているので深呼吸するように指示したり,バス停でバスが遅れていることを知らせたりなど,さまざまです。

人々がテクノロジとどのように対峙していくのかを考える上で,これらの技術を取り入れることによって可能になることはたくさんあります。マウスがひとつの発明であったように,タッチ操作もひとつの発明です。さらに新たな対話方法も生まれてくるでしょう。私たちが近年,自然なユーザインターフェースに注力してきた理由もそこにあります。

アプリケーションのインタラクションにも,新たなレベルが要求されるようになる:

アプリを相互に接続すると思います。特別な目的を持ったことがたくさんありますから,アプリ同士を統合する新たな方法を考えることになるでしょう。あなたとあなたの場所に関するスマートな情報として,Webから得られるものがたくさんあると思います。

Larson-Green氏が示唆するこの新しい世界に,しかしMicrosoftの持つ複数のオペレーティングシステム - Windows, Windows RT, Windows Phone - がはたしてマッチするのだろうか,という疑問を持たずにはいられない。氏はその詳細には触れず,次のようなことを明らかにした:

3つ[のOS]を持ち続けるつもりはありません。バッテリ寿命やセキュリティリスクのない,よりモバイルなオペレーティングシステムに将来性があると思っています。しかしそこでは,柔軟性が犠牲になっています。ですから私たちは,そのビジョンと方向性を信じて,現在の道を進んでいきます。

バッテリ寿命とセキュリティの懸念に加えて柔軟性の損失という問題を挙げたことは,Microsoftが将来的なデスクトップとデバイス用の標準オペレーティングシステムとして,Windows RTを選択したことを暗示している。(バックエンドあるいはクラウド用のWindows Serverも当然存在するが,それは別の話だ。)OSの統合に関する情報が初めて現れたのは,2011年のことだった。当初Microsoftはそれを否定していたが,翌年にも同じ話題が繰り返された。さらに,先日のWindowsとWindows PhoneのAppStore統合により,その内容は確信的へと変わってきている。

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