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AzulがWindowsおよびLinux向けのOpen JDK 6とJDK 7の商用バージョンを発表

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原文(投稿日:2014/01/21)へのリンク

Azul Systemsは,フリーで使用できる同社版OpenJDKのZuluが,LinuxとWindowsベースの製品系列で,Java 6とJava 7の両方をサポートすると発表した。サポートはZulu Community Supportフォーラムを通じて行われる。同社はまた,OpenJDKの商用サポート版であるZulu Enterpriseも提供している。

ZuluはさまざまなLinuxとWindowsのバージョン – Red Hat Enterprise Linux, SUSE Linux Enterprise Server, Ubuntu DesktopとServer, CentOS – 上で動作する。コミュニティのフィードバックに対応して,将来的にはさらに多くのディストリビューションに対応する計画だ。Azulでは以前にもWindows Azure用のZuluを発表しているが,今回発表されたのは,オンプレミス版のWindowsシステムに関するサポート追加である。サポート対象のオペレーティングシステムとプラットフォームは,全部で次のようなリストになる。

  • Red Hat Enterprise Linux 5.2以降と6.0以降
  • SUSE Linux Enterprise Server 11 sp1, sp2とspa
  • CentOS 5.2以降と6.0以降
  • Ubuntu 10.04 LTSと12.04 LTS
  • Windows Server: 2008, 2008 R2, 2012および2012 R2
  • Windows Desktop: 7, 8, および8.1
  • ハイパーバイザ: VMware, Hyper-V, KVM
  • クラウド: Amazon AWS, Windows Azure, Rackspace
  • JDKバージョン: Java SE 6, 7.

OpenJDK 8についても "GAが出ればすぐにでも" サポートする予定であると,AzulでマーケティングVPを務めるHoward Green氏は我々に語った。ただし過去のバージョン(Java 5など)については,Java 6以前のOpenJDKが存在しないため,サポートする予定はない。

ZuluはAzulの製品であるZingから分離したもので,すべてOpenJDKコードをベースにしている。Azul systemsのCTOであるGil Tene氏は,次のように述べている。

私たちはユーザの問題やバグフィックスに積極的に取り組んでいますが,その成果はすべて上位に送って,OpenJDKに取り込まれています。私たちはOpenJDKを分離してコードを変更するために努力するつもりはないからです。

コミュニティサポートのビルドの他にAzulでは,フルサポートの付いたOpenJDKの商用版であるZul Enterpriseを提供している。主要なJavaバージョンについては,そのGA(General Availability)以降10年サポートされる(Java 6を例にすれば,Zulu Enterpriseのサポート契約は2024年まで有効である)。

提供されるサポートは,3段階のサブスクリプション(Gold, Platinum, Elite)を基本とする。Eliteオプションには "Application Guard" が含まれる。これはオペレーティングシステムやJVMの正確なバージョン番号,設定情報などを参照して,それをAzulのQuality Assuranceプロセスに取り入れるためのものだ。これによって企業ユーザは,運用時に正確なOSとJVMの組み合わせに対して,Zulu JDK/JVMをテストすることが可能になる。

Zulu Enterpriseのユーザには,専属のTAM(Technical Account Manager)も提供される。このオプションはユーザに,専任の技術サポートエンジニアを提供して,企業内におけるZuluの利用知識の継承や,さまざまな事例での実践的管理の支援を行う,というものだ。

Zingと同様,OpenJDKの商用サポートも,Azulのユーザからかなり前から要望されていた,とTene氏は我々に語った。フリー版のJavaがまったくサポートされないということを,Oracleがいよいよ明らかにしている点を考慮すれば,有償Javaサポートの市場は拡大することになるだろう,と氏は考えている。

Javaは製品なのです。Oracleが提供しているフリーダウンロード版には,まったくサポートがありません。商用サポートが必要ならば,購入すればよいのです。Java 6やJava 5といったように,バージョンの全期間を対象とした商用サポートの他に,現行出荷バージョンの商用サポートもあります。これは有償でなければサポートされません。ですから,3日前に公開された最新のupdate 51を無償でダウンロードすることも可能ですし,それもよいでしょう。しかしあくまでも,それは彼らの善意なのです - 問題が起きたとき,彼らの支援は期待しない方がよいでしょう。

Azulは,よくあるように,価格の情報に関する質問には明確に答えなかった。価格モデルはマシン単位のサブスクリプションに基づくものだ。"Zingはすでに,市場で最低価格の商用サポート付きJVMです。" Howard Green氏は我々に語った。"Zuluも大体同じ程度ですが,Zingよりも低価格です。"

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