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実験と価値提供のバランスをとる

原文(投稿日:2014/02/06)へのリンク

リーンスタートアップの実験は顧客について学び、どのような機能に価値があるのかを判別する手助けをしてくれる。しかし、価値は製品を作り、実際に顧客に届けることで生まれるものだ。実験とデリバリのバランスを上手くとる必要がある。

Huffingtonのリーンスタートアップの6つの神話という記事で、Keith Hanson氏は“リーンスタートアップは機能と製品全体の対立を深める”という神話が神話に過ぎないことの理由を書いている。仮説と実験を伴ったビルド-計測-学習のサイクルが製品提供全体を助ける理由について説明する。

リーンスタートアップの手法が私たちに教えていることは、"機能による機能"と"私の製品は顧客の求めるすべてのものが詰まっている最強の製品だ"の2分法である、という考え方は間違っています。メトリクスとそのメトリクスに結びついたビジネス上の目的が開発タスクの優先順位を駆動できる、というのがリーンスタートアップです。顧客の開発とビルド-計測-学習のフィードバックのループはリーンスタートアップでどのように開発がされるかを定義します。機能と完成した製品という間違った2分法が決めるのではありません。

(…) 起業家は一般的に、これらの問いと答えを直感的に考え、ガイダンス抜きで反復的に製品と価値を改善します。リーンは起業家のこのような直感を磨き上げ、検証可能な仮説を作り、未来の意思決定のための学習を記録します。これらはすべてビジネスの成功のための重要指標に焦点を当てています。

Roman Pichler氏get your focus right: learning and execution in scrumと題したブログ記事で、実験と学習の必要性について説明している。

新しい製品と新しい機能を開発し始めるとき、わかっていることよりわかっていないことの方が多いのが普通です。ユーザのインタラクション、ユーザインターフェイスのデザイン、製品の機能、必要なアーキテクチャと技術。このようなことがわかっていないのです。最も困難なのは、このような非確実性と関連するリスクに対処することです。

Gil Zilberfeld氏は、I have an ideaという記事でリーンスタートアップを導入することについて書いている。氏は実験によってアイディアをテストする方法をふたつに別けて定義する。

仮説のパートでは、顧客の視点から機能を定義します。

  • どんなアイディアか。
  • 誰の役に立つのか。
  • どんな問題を解決するのか。

実験のパートでは、仮説にメリットがあるかどうかを学習する方法について記述します。

  • 何をするべきか。
  • 誰に見せるべきか。
  • どのように計測するか。
  • どのくらいのコストがかかるか
  • なにをもって成功とするか。

開発中は実験から価値提供に軸足を移す必要がある。Roman Pichler氏は次のように説明する。

知識を獲得すればするほど、不確実性を解決することから実行へと焦点を移すべきです。リリースできる製品を開発するのです。アイディアをテストすることを優先するのではなく、機能を完成させ、段階的に新しい機能を追加していくことを始めるのです。

Tim Ottinger氏はwhat is all this about failureというブログ記事で意思決定を支援する実験について書いている。

興味深い問題というものはどんなものでも実験と学習が伴います。このような問題は次のようなサイクルを従えます。
  • やってみる(全力で)
  • 失敗する(意図的によくわからない課題に取り組んでみる)
  • 調べる(何がわからなかったのか見つける)
  • 学習する(新しい知識を合わせる)
  • 実行オプション: ピボット、保持、放棄、拡張

4つのオプションは実験で得られた学習結果に基づいているという。

ピボットは成功の一種。より良い、異なるアプローチを選択するということだから(…)。

放棄するということは時間とお金を節約することに成功したということ。解決する価値のない問題や高価すぎて投資に中書せざるを得ないソリューションを特定できたということだから(…)。

保持するということは現在の方向性が正しく。これ以上に良いものはないと学習したときの行動(…)。

拡張とは素晴らしいアイディアを持っていることに気付き、今まで気付かなかった方法でそのアイディアを活用できること。

実験することで製品の提供を始めるか、それとも追加の実験が必要な方向転換をするか、といったオプションの内実がわかる。しかし、実験の利点が生かせる程度に素早く意思決定する必要がある。

十分に早い段階で失敗しないと選択肢が消えてしまいます。正しい方向を拡張したり、時間を無駄にする高価なアイディアを捨てたりする選択肢がなくなっているかもしれません。頑固に一生懸命働いて上手くいくことを願うことしかできないかもしれません。

Jeff Scheinrock氏とMatt Richter-Sand氏はstop experimenting, start buildingという記事で、アイディアの検証とビジネスの構築のバランスをとる必要があると指摘している。

ビジネスを構築するか、アイディアを完全に否定するかを決めなければならないときは必ず来ます。決める前にもう少しテストが必要だと思い込むのは簡単です。好むと好まざるに関わらず、どちらかを選ばなければならないのです。分析まひに陥ってはなりません。

スタートアップにおいて100%確実なことはない。実験と実践のバランスをとりながらビジネスを前進させるのが重要だ。

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