Estimoteが“motes”と呼ばれる小さなBluetoothビーコンを使ったコンテキストアウェアコンピューティングを実現するためのモバイルSDKの新しいバージョンを発表した。
Estimoteは小さなiBeaconデバイスの開発元だ。このデバイスはBLEシグナルをブロードキャストし、互換性のあるスマートフォンが検知する。こうすることでさまざまなマイクロロケーションサービスを構築できるのだ。
Estimoteは他のビーコンやウエアラブルデバイスのメーカーと同様、コンテキストアウェアコンピューティングを実現することで、Internet of Things革命を駆動している。ウエアラブルデバイスとスマートフォンでのBLEを使ったアプリケーションの可能性はモバイル決済からスマートビル、周囲とやりとりができる旅行、クーポンや買い物など幅広い。
今回のEstimoteのObjective-C SDKのリリースによって、開発者はビーコンデバイスのUUIDを更新できるようになる。以前は、EstimoteのハードコードされたUUIDを使うしかなかった。これは開発者にとって大きな制限だった。これによって、SDKの柔軟さを次のステップへ進み、開発者がEstimoteのBluetoothビーコンをハードコードされたUUIDの制限なしでカスタマイズできるようになる。 UUIDをカスタマイズすることで開発者は独自のBLEシグナルシグネチャを定義できる。このシグネチャは他のアプリケーションやサービスと重複しない。将来は、認証や暗号化など企業向けの機能も提供する予定だ。現時点では、Estimoteのデバイスはベータであり、ウェブサイトから注文できる。
Estimoteのビーコンは32ビットのARMプロセッサを使っており、アクセラレータやBluetooth LEトランスミッション機能付きの温度センサーが搭載されている。
前バージョンのSDKは開発者がUUIDをカスタマイズできず、Estimoteのハードコードの構成によって制限を受けていた。Estimoteはさらに、ブログやコミュニティのディスカッションボードでデバイスの認証機能によってUUIDのメジャー番号とマイナー番号を安全にし、ビーコンの所有者がロックできるようにする計画を明らかにしている。これらの機能はこのデバイスを小売り業などの企業向けに展開する上で重要だ。
新しいSDKでは次のObjective-Cの新しいメソッドでUUIDをセットできる。
-(void)writeBeaconProximityUUID:(NSString *)pUUID withCompletion:(ESTStringCompletionBlock)completion
このSDKのアップデートを補強するため、EstimoteはビーコンのBluetoothの設定をカスタマイズできるiOSアプリの新しいバージョンをリリースした。この新しいアプリはいくつかの新しい機能が搭載されている。
- Bluetoothの広告の間隔を調整する機能
- Bluetoothのブロードキャストの出力レベルを調整する機能
- ビーコンの無線によるファームウエアアップデート
このアプリはAppleのアプリストアから入手できる。関連のソースコードはGitHubにある。
将来に向けて、開発者はEstimoteのビーコンの正式リリースとより強力なiBeaconセキュリティモデルのサポートを待っている状態だ。現在、Estimoteの開発者向けビーコンデバイスは“プレオーダー”できる状態だ。