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AtlasCamp 2014のハイライト - 新REST APIとデータセンタ製品

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原文(投稿日:2014/07/24)へのリンク

開発とコラボレーションのソフトウェアベンダであるAtlassianが毎年行っている,開発者向けカンファレンスのAtlasCampがベルリンで開催された。先日ローンチされたAtlassian Connect 1.0ConfluenceHipChatの新しいREST API,さらにはJIRA,高可用性と大規模システムでのハイパフォーマンスを提供するConfluence Data Centerなどが中心だ。

以前にもレポートしたConnectは,同社の新たな分散アドオン技術だ。JIRAやConfluenceといった同社アプリケーションへの機能追加やサードパーティサービスとの統合,さらには同社アプリケーション内で動作する独立したプロダクト実装が可能になる。

Atlassian Connectアドオンは基本的には,HTTP経由でリモート操作するWebアプリケーションであり,中心的な3つの機能を備えている。

  1. AtlassianアプリケーションUIの指定された部分へのコンテントの挿入。
  2. AtlassianアプリケーションのREST APIの呼び出し。
  3. AtlassianアプリケーションがファイルしたWebhooksへの接続待ち(listen)と応答(responde)。

このような一般的なWeb開発技術を活用することによって,任意のプログラム言語やテクノロジの利用,ホスティングシナリオの実装を可能にすると同時に,より広範な開発者コミュニティに対して解放されたプラットフォームとなっている。さらに深い統合ソリューションのために,既存のOSGiベースのアドオンフレームワークもオンプレミスアプリケーション用に引き続きサポートされる。Connectは,急速に拡大するAtlassianの‘Cloud’ホストサービス(旧‘OnDemand’)のみで使用可能なアドオン技術であるとともに,近日中にはオンプレミスな'サーバ'サービスであるBotbucketでも使用可能になる予定だ。このようなことから,JIRAのジェネラルマネージャであるBryan Rollins氏は,Connectを "JIRAエコシステムにおける最大の戦略的機会" と位置付けている。

その一方で,開発者の自由度が拡大することは,同時にアドオンベンダにとって新たな運用上の課題を暗示するものでもある。自社のSaaS (Software as a Service)スタックにおいて,そのパフォーマンスや信頼性,スケーラビリティ,セキュリティに対して責任を持つ必要があるからだ。Atlassian自身では,Connectアドオンのホスティングは提供しない。その代わりとしてアドオン運用ガイドでは,信頼できるPaaS (Platform as a Service)あるいはホスティングプロバイダを使用するように推奨している。

Tim Pettersen氏は,AngularJSなどJavaScriptフレームワークを利用して,ユーザのブラウザ内でのみ動作する‘静的’なアドオンを実装することによって,バックエンドサービスを一括動作させる必要性を回避するという,非常に評価の高いアプローチをデモンストレーションした。さらに高度な永続化やビジネスロジックが必要な場合でも,特別なバックエンドサービス開発に頼る前に,氏自身が ‘ハイブリッド’ アドオンと呼んでいる,Firrbaseのようなサードパーティ製のSaaSソリューションを統合する方法を試してみるように,氏は勧めている。

Steve Lancashire氏はページやブログ,コメントとアタッチメントなどのコンテントや,その他のスペースやラベルなどのリソースにアクセス可能なConfluence REST API を新たに提供している。 この中で注目すべきなのは,Confluence コンテントプロパティが追加されたことだ。任意のコンテント上で,32KBまでのJSONキー/値ペアを永続化することができるだけでなく,インデックスの作成や,REST APIを通じて問い合わせを行うことも可能だ。同じメカニズムは,エンティティ・プロパティとしてJIRA内部でも使用できる。

氏はさらに,JQL(JIRA Query Language)をモデルとした,近く提供予定のCQL(Confluence Query Language)も公開した。JQLとは違って,CQLはユーザのためのものではない。開発者を対象として,現行のJava APIのような複雑ではない方法で,コンテントの検索や取得を行うことのできるAPIのみを提供するものだ。一方でCQLには,JQLと同じような拡張性があり,当初サポートされる関数やインデックスフィールドに加えて,今後のリリースではより高度な機能の提供が予定されている。

Will DeHaan氏は,Webhooksを含む新しいHipChar REST API v2を活用した,HipChart用のAtlassian Connectアドオンを発表したAtlassian Marketplaceのリストから,チャットルームにインストールすることができる。新しいAPIでは1対1および1対グループのメッセージング,チャットヒストリやユーザ,ルーム,統計情報へのアクセスがサポートされている。これまで利用可能だったルームアクセス認証トークンに加えて,パーソナルアクセストークンが新たに提供されることにより,特権を所有しないユーザによる統合開発が可能になる。今後のAPI開発は,データのインポートとエクスポート,検索,拡張可能なUIを中心に展開される。

Atlassianではさらに,JIRA(近日中にリリース)とConfluenceの‘データセンタ’版にも対応した。同社のGitソースコード管理ソリューションであるStashでも,同様のサービスの提供が計画されている。これら高価格版の製品は,高可用性とスケーラビリティに加えて,次のような機能を備えた製品のクラスタ運用サポートを目的として提供されている。

  • アクティブ - アクティブクラスタリング
  • ダウンタイムのないノード追加
  • ハードウエアあるいはソフトウェア負荷分散を任意に選択可能
  • 専用ノードを使用した自動化タスクのQOS制御

Chris Fuller氏が詳述しているように,場合によっては新しいキャッシング要件を考慮したアドオンの調整や,および新たな共有ファイルシステムへの共有状態の移行が必要になる。

AtlasCamp 2014でのプレゼンテーションのビデオとスライドがオンラインで公開されているAtlassianの開発者向けサイトには,Atlassian Connectと'Server'アドオンビルドと合わせて,'Cloud'アドオンの資料が提供されている。いずれもAtlassian Plugin SDKを使用して開発されたものだ。

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