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規範的なアジャイルコーチングの必要性

原文(投稿日:2014/09/04)へのリンク

アジャイルコーチは通常、チームをコーチングするときは、“無干渉”な叙述的な手法を採用する。そこで、疑問が生まれる。チームがアジャイルを導入し始めているときもこのようなコーチング方法が最良なのだろうか。規範的で“干渉”的なコーチングの場合が効果がある場合があるのではないか。

Robert Galen氏はwhat the world needs is-more prescriptive agile coachesと題した自身のブログ記事で、一般的に行われている“ソフトで、激励型で、影響力を行使する”コーチング手法に対して、異論を唱えている。

自分自身で方向を素早く決められるチームが重要なのは間違いありません。私もチームには自分たちでさまざまな事象を選り分けてもらいたいと思います。しかし 、“状況にしたがう”のではなく、何らかの方向性を示してあげたほうがいい場合もあると思います。特に、経験の浅いチームをコーチする場合はそうです。

氏は守破離の喩えを使って、異なるチームには異なるレベルのコーチングが必要だということを説明している。

離レベルのチームの場合は、相対的に自由放任でシンプルにガイドするコーチが想定されます。しかし、守レベルの経験の浅いチームの場合は、規範的なガイダンスを提供したほうがいいと思います。明確に構造化された制限をチームに与えることで、達成の条件を確立するのにも役立ちます。

氏はアジャイルコーチングしタイルがソフトすぎるということを検知するための5つの要因について説明する。

  1. チームにやるべきことを“伝える”たがらない
  2. “やめてください”と言えるほど成熟していない
  3. 知ることと話すことの間のバランスの欠如
  4. 状況に依存する気付きと規範の対立の欠如
  5. “競争”することに対する恐怖

what is scrum-? … reallyと題したブログでNiklas Björnerstedt氏はスクラムの定義についての氏の考えを披露している。氏によれば、スクラムはその規範的な性質によって、人気になった。しかし、スクラムを規範的に適用するのは、状況によっては、間違った方法になってしまう。

優れたスクラムの実践者はたくさんいます。しかし、教条的で半ば宗教的な人たちもたくさんいます。働く文脈がスクラムに合わないない場合、そのような人たちの回答はひとつです。それは、スクラムが実践できるように環境を変えよ、という答えです。変えようとしている環境が抑圧的な場合、この回答はすばらしいです。しかし、変えようとしていることが、競争力の源泉であったとしたら、恐ろしいことです。

Scrum is deadと題したブログ記事でAndrew Kallman & Ted Kallman氏は“干渉”的なスタイルのコーチングが必要な状況と“無干渉”なアプローチに切り替えるタイミングについて話している。

個人のレベルでは、”アジャイル”になるために、各個人は同じようなプロセスを通過します。個人が”Aha!”体験をするまで、感傷的なコーチング、メンタリング、サポートが必要です。しかし、彼らが”できた”、となったら、彼らはチームの戦力になるので、コーチやメンターは”無干渉”な手法に切り替えたほうがいいでしょう。

このようなやり方をチームに対しても適用します。上述したように、アジャイルを実践しているチームの58%は”Aha!”ラインの左にあります。ビジネス価値のマトリクスで言えば、彼らは決してハイパフォーマンスではありません。アジャイルしているふりをしているか、単に失敗しているだけです。これらのチームはアジャイルに対してより規範的なアプローチを取り、”Aha!”体験へと向かう必要があります。”Aha!”の右側にいる42%のチームはより無干渉なアプローチがいいでしょう。

Mike Carey氏はdescriptive versus prescriptiveと題したブログ記事で、規範的でない方法でアジャイルのフレームワークを配備する方法を探っている。氏はアジャイル導入時に、コーチが方向性を提供してくれるとチームが期待する理由を説明する。

純粋なアジャイリストは常に"無干渉"なアプローチを採用します。私はアジャイリストがどのようにして特定の手法に特化するのかに興味があるのですが、そのようなアジャイリストと話すと大抵の場合、次のような答えをもらいます。"チームには好きなことをさせるべきだが、優れたコーチがいて、チームがアジャイルの原則を獲得すれば、最終的には私のお気に入りの方法論にたどり着くんだよ(…)"。問題は、彼らがコーチングの要点を抑えたということです。チームを完全に自由放任にするわけにはいきません。ある程度はサポートする必要があります。すべてのアジャイルチームに専任のアジャイルコーチが必要だといっているわけではありません。しかし、自分たちの実践がアジャイルの原則に合致しているということを確かめるためのリソース、失敗した時にサポートしてくれる環境を確保するためのリソースは必要です。

氏は、規範的ではない方法で方向性を与えるのは“伝えようとしていることの伝え方を変える”ということだとアドバイスしている。

ある原則が妥当で改善効果がありそうな場合、その原則を推奨する理由をはっきりさせましょう。推奨する原則を展開するつもりなら、規範的な方法よりも、叙述的な方法のほうがよいでしょう。

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