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アジャイルの現状 - 2014年12月

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原文(投稿日:2014/12/19)へのリンク

年の瀬が近づき、InfoQの編集者らがアジャイルの現状について質問されたとしたら、この記事のような内容が回答となるだろう。

 “アジャイル”は今や、世界的に認知されたブランドだ。2001年にソフトウエア開発の世界で作られたこの言葉は、世界のソフトウエア開発の方法を変える原動力になった。アジャイルの核心にあるのは、プロダクトを作るためのしっかりとした規律がある手法であり、ソフトウエア開発を人間の創造性やコミュニケーション、成功への想像力を必要とする協力的な活動と捉えている。

InfoQの編集者、コンサルタント、トレーナーに現在のアジャイルの状況や普及、どのようなアイディアや実践、技法が出現しているのかについて、意見を聞いた。科学的な調査ではなく、何方かと言えば非公式の意見収集だ。

以下のような意見が見られた。

  • イノベーションの普及カーブの観点から見れば、アジャイルの導入は“キャズムを超えて”、アーリーマジョリティのステージに達している。ほとんどの組織が最適でもいくつかのソフトウエア開発プロジェクトでアジャイルの手法を使っており、少数の組織が、アジャイルを第一のもしくは唯一のソフトウエア開発手法にしている。考え方を変えた組織は強力な技法を組み合わせて、市場への投入までの時間や品質、顧客満足の点で明らかな改善を達成している。
  • 強力な技術的実践なしでアジャイルを実行するということは諸悪の根源であるという認識とともに、ソフトウエアクラフトマンシップがホットなトピックになっている。
  • 多くの組織で、マネジメントやかなん美レベルが効率的なアジャイルの導入の障害と見られている。リーダーシップの文化と考え方や命令制御型のマネジメントが創造性の息の根を止める。
  • ウェブとモバイルの技術は機能横断のチーム(UXの専門性、フロントエンドUI開発、Android/iOS/Window Mobileプラットフォームなど)の難しさを表している。
  • 多くの組織にとって、アジャイルの導入の大二波が押し寄せている。規律と技術的実践に着目し、“今回はきちんとやる”ということを強調している。
  • 検証と適用とための振り返りをすることでチームと組織は学習するようになり、継続的に学習をする方法を身につける。
  • スケーリングが多くのレベルで課題になる。スケールのニーズがどこにあるのか、アジャイルの導入の広がりに対してどのような意味を持つのか、スケーリングのフレームワークはどれがいいのか、を明確にする必要がある。Scrums SAFeやLeSS、DAD、Spotifyモデルなどの選択肢がある。
  • アジャイルのビッグプロジェクトが死に始めている。日にち駆動や反復的なアジャイルではなく、フローベースの作業にゆっくりと移行している。
  • アジャイルの実践と原則がIT部門を超え始めている。ビジネスアジリティが次の数年のうちにホットなトピックになるだろう。
  • 見積もりが引き続き、ホットなトピックであり続ける。#noestimatesはある程度の牽引力を持つが、ほとんどの組織にとっては大きな変化と捉えられるだろう。
  • 予算レスStoos Networkは潜在的な実現可能なマネジメント手法として牽引力を持つ。
  • Kanbanが一般化し始めている。アジャイルとの組み合わせ(例えばScrumban)、または業務フロー改善のためのスタントアロンの手法として開発チームを超えて使われている。
  • プロジェクトのより良い結果を達成するためにアジャイルをどのように活用するべきかについて、プロジェクトマネジメントコミュニティが理解し始めている。彼らはアジャイルが従来のプロジェクトマネジメント手法に与える変化を踏まえて手綱を握ろうとしている。3つの制約からアジャイルバリュートライアングルへ動こうとしている。
  • ポートフォリオカンバンと他のPMOレベルの手法が意思決定のプロセスに入り込んでいる。
  • リーンスタートアップがエンタープライズ領域へ入り始めている。”実験思考"を取り入れて、アジャイルやデザインシンキング、リーンプロジェクトが仮説のテストや、実装したシステムから直接情報を収集するのに必要な"分析"を実験する。
  • より多くの認定プログラム団体が似たような資格を提供している。ICAgile、Scrum.org、PMI-ACP、Kanban University、SAFe、Scrum Alliance、DSDMなどだ。
  • Internet of Things (ウエアラブルも含む)が想像もできないような影響を開発チームに与える。テストコミュニティには多くの影響があるだろう。テストの複雑さは増大し、テスト自動化を強力に押し進めるようになるだろう。
  • アジャイルが開発の領域を超えるということは作業の流れを維持することに対するいっそうの圧力が開発チームを襲う。この圧力によって、プロジェクトベースの予算管理から製品/機能ベースの予算管理へと流れが変わる。
  • 素早く開発するということはDevOpsが速さの利点を享受したい組織にとって必須となるということを意味する。

これらがどの程度希望的観測なのかはわからない。しかし、2015年は情報技術やビジネスアジリティにとって良い年になるだろう。

この記事は、Shane Hastie, Glenda Mitchell, Horia Sluネ兮nschi, James King, Steve Barrett, Craig Smith, Katherine Kirk、Ben Linders各氏の助力を得た。

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