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GroovyがApacheに参加

原文(投稿日:2015/03/11)へのリンク

GroovyチームはApache Software Foundation(ASF)に参加する。Eclipse FoundationやSoftware Conservancyではなく,ASFを選択した理由について,プロジェクトリーダのGuillaume Laforge氏は次のように書いている

ユーザ,各財団のプロジェクトのコミッタ,ボードメンバを始めとする皆さんから頂いた機会やアドバイスには,心から感謝しています。皆さんとの議論は実りのある,極めて有意義なものでした。それぞれの財団には,当然ながら長所と短所はありますが,どれも素晴らしく,プロジェクトにとって相応しいものでした。しかしながら,私たちの置かれた立場と思想について考えたときに,全体としてはApache Software Foundationが最善の選択であるという結論に至ったのです。

今回の発表について詳しく知るため,InfoQはLaforge氏から,プロジェクトの新たな方向性について聞くことにした。

InfoQ: InfoQ: インキュベーションへのプロポーザルはすでに行われているのでしょうか?

Laforge: 実際にApache Software Foundationに対して,インキュベーションとしてGroovyを提案します。それについては既に決定済みで,発表もしています。現在は提出するプロポーザルの作成を行っているところです。初期ドラフト版をhttps://wiki.apache.org/incubator/GroovyProposalで公開しています。近日中には提出できる予定ですが,今はまだ,Apacheメンタとチャンピオンになる人たちと,プロポーザルを仕上げる作業をしています。

InfoQ: “メーリングリストの議論では,私たちがインキュベーションプロセスの中で対処することになる,いくつかのグレーな領域が話題になった”,という話をされていましたが,そのグレー領域の代表的なものは何でしょう?

Laforge: Groovyプロジェクトは,ソースとソースコラボレーションをGitHubに移行しました。汎用性のあるフィードバックループ,コントリビュータによるプルリクエストの発行,そのプルリクエストに対するコメントやレビュー,リポジトリのクローンの簡単さなどがあり,とても快適です。ですから今回,プロジェクトをApache自身のGitリポジトリに移行することになって,このようなアジリティが部分的に失われるのではないかという不安があります。Apacheプロジェクトリポジトリという大海の中に埋もれてしまうのではないだろうか,GitHubでGroovy構造の下にあったサブプロジェクトはどうなるのか,といったことが気になっています。

ふたつめの側面は,私たちの継続的デリバリ/デプロイメントプロセスです。ビルド用のGradleやJetBrains TeamCityによる継続的インテグレーション,JFrogのArtifacttoryとBintrayを使ったバイナリのデリバリによって,極めてスムースで簡単なものが出来上がっています。リリースはいつでも簡単に行うことができます。フォームにいくつかのメタデータ(バージョン名,次のバージョンなど)を入力して,ボタンを押せば,見てください,1時間後には成果物やオンラインドキュメントがすべてオンライン公開されて,Webサイトがアップデートされるのです!

Apacheのプロセスはこれとは少し違っていて,ソースがApacheのルール(IP関連など)に確実に準拠していることの承認印を得るために,手作業によるステップがいくつか必要になります。ですから,そのプロセスに適応するために,私たちのやり方や,スムーズなデリバリパイプラインを変更しなければなりません。

最後に心配なのは,資金に関することです。Pivotalによる資金援助が終了するという発表があってから,いくつかの企業や個人から,プロジェクトに対する寄付の申し出がありました。Apache Software Foundationでは,個々のプロジェクトに対する寄付は受け付けていないのですが,それを回避する方法はありそうです。この分野では,財団でも試行錯誤を行っていますし,財団の外部でのパートナシップという手もあります。

このようにグレーな部分が3つありますが,状況の変化に慣れるために,私たちの側から適応する方法がない訳ではありません。リリースプロセスの変更や,コミュニティによるコントリビューションは今後も簡単にできるようにしますし,資金調達に関するソリューションにもいくつか期待できるものがあります。ですから私たちは,すべてを非常に楽観的に見ています。チャンピオンやメンタたちも,プロセスを通じて手を貸してくれるでしょう。

InfoQ: インキュベーションからの卒業に関しては,時期的な予定はあるのでしょうか?

Laforge: Apacheの関係メンバ(特に私たちのメンタやチャンピオンになる予定の人たち)との議論からは,3ヶ月弱のタイムラインを想定しています。

インキュベーションプロセスが予測できるものだとは思っていませんが,Groovyは非常に人気の高いプロジェクトですし,アクティブなコミュニティやエコシステムが存在しますから,短期間で簡単に完了したいと思っています。

InfoQ: 今回の移動を契機に,Groovyを採用する可能性のあるApacheプロジェクトはありますか?

Laforge: インキュベーション提案に載せられているApacheプロジェクトの中には,すでのGroovyを使っているものがいくつかあります。Apache CamelやBigtop,Ofbizなどがそうです。Hadoop関連の分野でも,Sparkなど,Groovyと密接に結合することでメリットの期待できそうなプロジェクトがたくさんあります。

InfoQ: Grailの状況はどうでしょう?同じようにASFに移動したいと考えていますか?

Laforge: Grailsについては何も決まっていません。独立したプロジェクトとして続けるつもりです。GroovyのApache Fundationへのマイグレーションが成功した後であれば,Grailsの合流についても考慮する余地があるかも知れませんが,現時点では,それ以上のマイグレーションやステップの予定はありません。

InfoQでは先日,Lafirge氏のRestletへの移籍とともに,PivotalがGroovyとGrailsから資金提供から撤退したことをお伝えした。

最新情報: Groovyチームは,Apache Incubatorに参加するためのプロポーザルを正式に提出した。Apache Incubatorは,Apache Software Foundation(ASF)への参画を望むプロジェクトやコードベースのために用意された,同財団へのエントリパスである。

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