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マイクロサービスの運用にはDevOpsが必要

原文(投稿日:2015/03/08)へのリンク

前回のQCon Londonで,英国Government Digital Service(GDS)のテクニカルアーキテクトを務めるMichael Brunton-Spall氏は,マイクロサービスの運用に成功するためにDevOpsがいかに重要性であるか,自身の見解を説明した。その中で氏は,マイクロサービスを識別するための重要な要素を特定した上で,最初のマイクロサービスを開発するための方法と,マイクロサービスのエコシステムを管理するために必要なツールとプラクティスについて述べている。

マイクロサービスは小型で自身のデータを有し,データベース統合の類いを必要としないものでなければならない。データはすべて公開インターフェースを通じて共有され,"ダムパイプ/スマートエンドポイント"アプローチに従う必要がある。各マイクロサービスには,唯一の所有者として,コードとランタイムを所有するチームが存在しなければならない。Brunton-Spall氏はJeff Sussna氏の意見を認めて,次のように述べている

マイクロサービスは新たなアーキテクチャモデルであると同時に,新しい組織モデルの表現でもあるのです。

新しい組織モデルはまた,開発者と運用担当者の役割を変えることにもなる。開発者がマイクロサービスのライフサイクル全体の所有権を有する一方で,運用担当者はコンサルタントの役割をより強くする。

マイクロサービスを始める際にBrunton-Spall氏が推奨するのは,小さな部分から着手する,ということだ。最初はただひとつのマイクロサービスから始めて,適切なサポートツールやプラクティスが利用できていることを確認する必要がある。氏が推奨するのは,インフラストラクチャの自動化,デプロイメントの自動化,ログアグリゲーション,運用や統合の容易な監視ツール,警告に関する適切なプラクティスといった,DevOpsコミュニティで議論されたツールやプラクティスである。

複数のマイクロサービスへの移行には,多くの課題が伴う。それらは主に,トラブルシュートでの複雑性の増大に関するものだ。Brunton-Spall氏は次のように言う。

マイクロサービスでの失敗は,モノリスシステムの場合よりも甚大なものになります。

マイクロサービス間の複雑なインタラクションを完全に把握するためには,高度な診断ツールや監視ツールが必要だ。QCon Londonのマイクロサービスに関する講演でも,いずれも監視の重要性が強調されていた。Brunton-Spall氏は,簡単な監視(サービスは動作しているか?)と,より深い監視(サービスの依存関係は機能しているか?)を区別する。後者の方が包括的ではあるが,ユーザの多いマイクロサービスに障害が発生した場合,警告が連鎖的に発生して,問題の根本原因の把握が難しくなる可能性がある。

マイクロサービスの耐障害設計とともに注目されることが多いのは,一貫性のある管理インターフェースの提供だ。例えば,マイクロサービスのサーキットブレーカを起動する,汎用的な方法を用意する必要がある。TwitterServerは,このアプローチの好例だ。

デプロイが適切に監査されているのであれば,開発者にはポケットベルとデプロイ用にキーを与えるとよいだろう。ポケットベルが開発者に,自身の誤りに対する痛みを感じさせることで,繰り返し発生する問題への迅速な対応を促してくれる。しかしこれでは,成熟したサポートプロセスとして十分ではない。例えば開発者がうんざりして転職してしまったらどうするのか,とBrunton-Spall氏は問う。あるいはチームが解散してしまったら? サポートとトリアージの最前線は,それでも存在し続けなくてはならない。このような状況に対する移譲ルールを定義するには,サポートの成熟度モデルを使用する必要がある。例えば,“作業の移管時には,M週間でN回の障害発生と,整備された行動手引きが必須である”といったものだ。

シンプルなソリューションは,優れたマイクロサービス運用プラクティスを可能にする。Brunton-Spall氏は,GDSに参加する前に自身が働いていたThe Guardianの事例を引き合いに出している。そこでの初期サーバのプロビジョニングイメージは,Ubuntuイメージをベースとして構成されたもので,そのプロビジョニングは,パッケージの"apt-get"とwgetによるJARファイルのダウンロード,そして実行という,わずか数行のbashスクリプトで構成されていた。

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