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Amazon Web Serviceがファイルストレージサービスを発表

原文(投稿日:2015/04/15)へのリンク

先週のAWS SummitでAmazonは,Elastic File Systemという新しいストレージサービスを発表した

AWSユーザにはAmazon S3, Amazon EBS, Amazon Glacierという形式で,複数のストレージが選択肢として提供されている。これらサービスによってオブジェクトストレージ,ブロックストレージ,アーカイブなどの要件に応じる一方で,AWSにはファイルシステムベースの共有ストレージが欠落していた。Amazon Elastic Block Storageを同時にアタッチ可能なEC2インスタンスは,ただひとつのみだ。また,Amazon S3が使用しているREST APIは,ネイティブファイルシステムAPIを使用するアプリケーションからは直接アクセスできない。従って,アプリケーションに共有ストレージを構成するためには,NFSあるいはGlusterファイルシステムを使用する必要があった。Amazonの新しいストレージオプションであるElastic File System(EFS)は,Amazon EC2インスタンス内で動作するアプリケーションのための,ファイルシステムベースのネイティブストレージを構築する,というニーズに応えるものだ。ストレージ容量には柔軟性があり,ファイルの追加や削除によって動的に拡張ないし縮小することができる。

Amazon EFSは,Network File Systemバージョン4(NFSv4)プロトコルを基盤としているため,ユーザが使用するアプリケーションやツールと互換性がある。Amazon EFSファイルシステムには,同時に複数のAmazon EC2インスタンスがアクセスすることができる。これにより,複数のインスタンスで動作するワークロードないしアプリケーションに対して,データソースを提供することが可能だ。

大部分のAWSサービスと同様に,Amazon EFSにもWebサービスインターフェースが用意されていて,開発者がファイルシステムをプログラム的に生成したり,構成を行うことが可能になっている。サービスがファイルストレージインフラストラクチャを管理することによって,ユーザはデプロイやパッチ,ファイルシステムの展開管理といった複雑な作業から解放される。また,SSDをベースとすることにより,さまざまなワークロードに求められるスループットやIOPS,低レイテンシといった要求に応じている。

Amazon EFSが適用可能なユースケースは,次のようなものだ。

  • コンテンツリポジトリ - CMSアプリケーションから中央に配置したストレージロケーションに対して,静的コンテントの保存やアクセスを行うことができる。
  • ビッグデータ - 高スループットなノード計算,「書き込み後の読み込み」整合性,低レイテンシなファイル操作が必要な,大規模なデータセットを処理するアプリケーションには,EFSの使用が適している。
  • 開発/テスト環境 - 大規模な開発チームは,EFSを利用してソースコードやバイナリ,その他リソースの集中管理を行うことができる。
  • ホームディレクトリ - ユーザプロファイルや設定,構成情報を集中保管することで,ローミングプロファイルを実現できる。

サービスは,ロールベースのアクセス管理を行うために,AWS Identity Access Managementと統合されている。プロビジョニングと管理の自動化に,コマンドラインインターフェースを利用することも可能だ。

Amazon EFSの課金は,1ヶ月を通じて使用された平均ストレージ容量に基づいて行われる。サービスの価格は0.30ドル/GB・月である。

現在はプレビューが公開されているので,興味のあるユーザは早期アクセスにサインアップするとよいだろう。

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