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Apple、医学研究を支援するモバイルフレームワークをオープンソース化

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原文(投稿日:2015/03/11)へのリンク

Appleはイベント「Spring Forward」のキーノートで、新しいiOS ResearchKitフレームワークを発表した。これはモバイルデバイスを医学研究におけるセンサーネットワークとして使えるようにするものだ。このフレームワークは開発者向けにオープンソースとして公開される予定だ。

Appleによると「ResearchKitはiPhoneのセンサーと機能を活用して、体の動きを追跡したり、様々なことを計測したり、情報を記録する」ことで、開発者が医学研究のためのアプリを作れるようにする。ResearchKitは3つの主要なモジュールで構成されている

  • Surveysは事前に用意されたサーベイのためのUIを提供する。開発者は質問と回答の種類を指定することで、サーベイを作ることができる。
  • Informed Consentは、どんな種類のデータが要求されるか、誰がそれにアクセスを許されているか、といった法的要件の解決を可能にする。インフォームドコンセントが必要であれば、このモジュールを使って参加者の署名を収集することができる。
  • Active TasksHealthKitCoreMotionにアクセスするモジュール群で、医学研究者にとって関心のありそうな受動的データを収集する。 ResearchKitは当初5つのActive Taskモジュールを含んでおり、4つの一般的なカテゴリ、Motor Activities、Fitness、Cognition、Voiceに分けられている。Active TasksはiPhoneの加速度、ジャイロスコープ、タッチインターフェイス、オーディオ入力を使って、半制御されたやり方でデータを収集する。Appleはこれらのモジュールを、Stanford Medicineやオックスフォード大学などの医学研究機関と共同開発した。

ResearchKitはAppleのヘルスモニタリング分野参入のセカンド・ステップだ。彼らは昨年、HealthKitでこの分野に参入した。Appleが言うように、ResearchKitをオープンソース化する潜在的メリットの一つは、コミュニティの貢献によって、たとえば、様々なインフォームドコンセントモジュール、データ収集モジュールをサポートすなど、フレームワークを拡張できることだ。だがiOSとの密接な統合を考えると、現時点では、どれくらい簡単にResearchKitを拡張できるのか、そして他のモバイルプラットフォームで動かせるのか、まだはっきりしない。

Appleはまた、ResearchKitにはアプリとサーバ間の安全な通信メカニズムを保証する機能が含まれておらず、サーベイスケジュール機能、推奨データフォーマットなども提供しないことを明らかにした。さらにAppleは、彼らがユーザのヘルスデータにアクセスできないことを強調した。

Appleの発表に対する反応は様々だ。ResearchKitには大きなチャンスあるという人もいれば、「参加者が研究にふさわしいこと、参加者がリスクについて知っていること、彼らのデータが安全であり、再特定が許されないこと」を確認しなければならないため、「倫理の泥沼」に陥るおそれがあると主張する人もいる。またiPhoneは実際のところ、世界中のスマートフォンの15%以下にすぎず、ユーザの約81.5%はAndroidを使っていることから、研究の「妨げ」になるおそれがあると批判する人もいる

 

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