BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース JFrog Artifactory 4がUniversal Artifactoryに

JFrog Artifactory 4がUniversal Artifactoryに

ブックマーク

原文(投稿日:2015/10/08)へのリンク

先月JFrogは,Artifactory 4の提供開始を発表した。Maven, NPM, Docker, Vagrantなど多くのパッケージフォーマットを単一サービスでサポートする統合型バイナリリポジトリとして,名称もUniversal Artifact Repositoryに変更される。セキュリティ,拡張性,信頼性を提供し,Dev(開発)からOps(運用)までのライフサイクルをサポートするという位置付けだ。

同社CEOのShlomi Ben Haim氏は,Universal Artifact Repositoryの意義を次のように説明している。“DockerレジストリやMavenリポジトリと同じようなサービスは,もうこれ以上必要ありません。[企業のいる]マルチプラットフォームの世界には,Dockerのような新しいテクノロジが毎年のように現れています。彼らが最も必要とするワークロードに対応したスケールで,特定のプラットフォームへのロックオンから解放してくれる,統合的なアーティファクトリポジトリが必要なのです。” 最新リリースの新機能は,プレスリリースにまとめられている。

InfoQは,JFrogでデベロッパーアドボケイトの任にあるBaruch Sadougsky氏から,Artifactory 4を支える技術的特徴について話を聞いた。バージョン4.1リリースでは次の新機能が注目される。

  • 新しいUIとUX: Artifactory 4のUIは,Java/Mavenを対象とするワークフローが中心であった従来から,DevOpsライフサイクル全体で使用可能な統合型リポジトリへと,対象領域が拡大したことを反映したものになっている。コンフィギュレーションウィザードとコードスニペットにより,クライアントやCI/DevOpsツールへの統合も簡単になった。
  • メタデータ重視: メタデータを基本としたワークフローと問い合わせ言語(AQL)をサポートする。プロパティへのアタッチ,参照,検索はRESTfulなAPIを通じて実行される。単一のパッケージ形式を使用する場合には,メタデータの自動計算も可能だ。
  • VCSプロキシ: git/github(git LFSによる大規模ファイルを含む)などのリモートリポジトリにもアクセス可能だ。これにより,ファイアウォール内部からの利用や構成管理が簡略化される。
  • Docker統合: Dockerワークフローを2つの方法でサポートする。セキュリティとイメージメタデータ検索機能を備えたDocker V1およびV2レジストリ/リポジトリとして以外に,他のDockerレジストリにActifactoryを通じて統合的アクセスを提供するプロキシとしても動作可能だ。インストール作業の簡略化のため,Docketイメージ形式でも提供される。
  • スマートリモートリポジトリ: プルとプッシュのスケジュール設定,複数同時プッシュ(エンタープライズライセンスが必要)の2つのモードによるアーティファクトのレプリケーションにより,複数サイトを持つ組織でアーティファクトを自動共有することができる。“リモートフォルダリスト”によるArtifactoryのリモートブラウズや,“プロパティ同期”によってメタデータ更新をオリジナルサーバへ反映することも可能だ。
  • 高可用性: アーティファクトリポジトリをDevOpsバリューストリームの中心に据えることによって,単一障害点とボトルネックを回避し,高可用性のメカニズムを提供する。この高可用性は,プライマリを静的定義した,シンプルなマルチインスタンス機構として実現されている。中心となる外部SQL DBとリポジトリのストレージとしてのNFS,ロードバランサのセットアップ,HAライセンスの購入が必要だ。

Continuous Delivery”の共著者であるDave Farley氏は,以前のInfoQとのインタビューの中で,デプロイメントパイプラインにおけるバイナリリポジトリの重要性を次のように強調していた。“継続的デリバリの中心にあるのは,プロダクトにサブミットされる更新毎にリリース候補が誕生するという考え方です。アーティファクトリポジトリはその中核をなす概念なのです。リリース候補はリリースサイクルを通じて評価され,プロダクトとして成立するものであることが証明されなくてはなりません。” さらに氏は,パイプラインを移動するアーティファクトのメタデータを,機能や質の面で向上することの重要性も指摘する。“[テストの]結果から収集したこのメタデータに基づいて,自動的に意思決定を行うことが可能になるからです。”

RedHat community project PulpApache ArchivaSonatype Nexusといった他のアーティファクトリポジトリも,リポジトリ形式に制限はあるが,CDパイプラインに収納することができる。Nexusも現在,Dockerサポートを追加することで,DevOpsコミュニティにリーチを拡げようとしている

Artifactory 4はクラウドサービスおよびオンプレミス(ProからEnterprise/HAまで),機能制限付きのオープンソースバージョンとしてオンラインで公開されている。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT